下記は作成した書類の見本です↓↓

エステサロンが遵守すべき特定商取引法のポイント

エステサロンが遵守すべき特定商取引法のポイント 特定継続的役務提供

エステサロンの運営者にとって、特定商取引法(特商法)は避けて通れない重要な法律です。特商法は消費者保護と公正な取引の確保を目的としており、一定の要件を満たすエステティックサービスも規制の対象となります​。

本記事では、特商法に詳しい行政書士の立場から、エステサロンが押さえておくべきポイントを解説します。契約時に必要な書面の準備や、クーリングオフ・中途解約への対応など、実例を交えながら詳しく紹介します。

法律を正しく理解し遵守することで、顧客とのトラブルを未然に防ぎ、サロンの信頼性向上につなげましょう。

この記事を書いた人
行政書士 大倉雄偉

【自己紹介】
事務所名称:大倉行政書士事務所
公式サイト:https://okura-lawjimusho.com
所在地:大阪市鶴見区鶴見3丁目5番19号‐702号室
保有資格:行政書士、宅地建物取引士

【専門サービス・強み】
専門:特定商取引法に基づく特定継続的役務提供の概要書面・契約書面の作成を数多く手がけております。特に、エステサロン、学習塾、語学教室など、特商法の規制を受ける業種において、開業前の法定書面整備を支援してきた実績があります。
評価:ネット上の口コミは現在150件を超え、4.9/5の高評価をいただいております。書面作成の正確性と対応の丁寧さをご評価いただく声が多く、全国対応の行政書士事務所として高い信頼を得ております。

特定商取引法とは?エステサロンが対象になる理由

特定商取引法とは?エステサロンが対象になる理由

まずは特定商取引法の概要と、エステサロンがなぜその規制対象となるのかを確認します。特商法は訪問販売や通信販売など様々な取引形態を規制しますが、その中に特定継続的役務提供と呼ばれるカテゴリーがあり、エステサービスが含まれます。エステサロンでの長期・高額なサービス契約は、この特定継続的役務提供に該当し、特商法のルールに従う必要があります。以下では、その条件や背景を見ていきましょう。

特定継続的役務提供とは

特定商取引法に定められた販売形態の一つで、長期間にわたり高額な対価を受け取って提供されるサービス契約を指します​。エステティック(痩身・美肌などの施術)はこの「特定継続的役務」の代表例で、他にも語学教室や結婚紹介サービスなど合計7種類のサービスが指定されています。

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エステ契約が規制対象となる条件

エステサロンのサービス契約が特商法の規制対象(特定継続的役務提供)となるのは、契約期間が1ヶ月を超え、かつ契約金額が5万円を超える場合です​。

例えば「期間○ヶ月のコース」「回数チケット制」など長期にわたる高額コース契約は該当します。逆に言えば、1ヶ月以内の単発メニューや総額5万円以下の契約は法律上は特定継続的役務に当たらず、特商法の規制(書面交付義務やクーリングオフ適用)の対象外となります​。

法律の目的とエステ業界への適用

エステサービスは「美しくなりたい」「痩せたい」など消費者の希望を実現させる契約ですが、その効果が確実でない性質上、過去には強引な勧誘や高額な違約金トラブルが問題視されてきました​。

そこで特商法が改正され、エステサロン事業者には契約時の情報提供や書面交付、クーリングオフへの対応など厳格なルールが課されています。消費者に誤解なく安心して契約してもらうことが求められており、事業者がこれらのルールを無視すると行政処分や罰則の対象にもなり得ます​。

エステサロンに求められる「概要書面」「契約書面」の交付義務

 

特定商取引法の下では、エステサロンが契約を結ぶ際に交付しなければならない書面が二種類あります。それが概要書面(事前説明書)と契約書面です​ 。これらは顧客との契約内容を明確にするための重要書類であり、法律で記載すべき事項が細かく定められています。ここでは、それぞれの書面の役割と記載事項、交付する上での注意点を解説します。

概要書面とは(契約前の説明書)

概要書面は、契約を締結する前に顧客へ交付する書類で、契約の概要や重要事項を説明するものです​。エステサロンではカウンセリング時など契約前にこの書面を渡し、サービス内容や料金、期間、解約条件などを事前に示す義務があります。概要書面に記載すべき主な項目は以下の通りです​。

  • 事業者の名称・住所・電話番号(法人なら代表者名)
  • 提供する役務(サービス)の内容
  • 必要な関連商品がある場合はその商品名や種類
  • 役務の対価(料金)やその他支払うべき金額の概算額
  • 支払時期・支払方法
  • 役務提供期間(サービス提供期間)
  • クーリングオフに関する事項
  • 中途解約に関する事項
  • 前受金の保全状況に関する事
  • 特約(特別な取り決め)があればその内容

交付した概要書面の内容について、後の正式契約時に交付する契約書面と相違があってはならない点にも注意が必要です​。事前説明と実際の契約条件が食い違うと、顧客との信頼関係に影響するだけでなく法的なトラブルにも発展しかねません。

契約書面とは(契約後の書類)

契約書面は、契約を結んだ後に遅滞なく顧客へ交付する書類で、正式な契約内容を書面で明らかにするものです​。エステサロンでは契約締結後、その場で契約書の控えをお客様に渡す対応が求められます。契約書面に記載すべき主な項目は以下の通りです​。

  • 提供する役務の具体的内容(コース内容や回数等)
  • 契約代金(役務の対価)と支払うべき金額の総額
  • 代金の支払時期・方法
  • 役務提供期間(例:○ヶ月間、○回の施術)
  • クーリングオフに関する事項
  • 中途解約に関する事項
  • 事業者の名称・住所・電話番号(法人は代表者名)
  • 契約を担当したスタッフの氏名
  • 契約締結の年月日
  • 関連商品がある場合、その種類・数量・販売業者の情報
  • 前受金の保全措置の有無と内容
  • 特約がある場合はその内容

エステサロンでは通常、この契約書面がお客様との正式な契約書となります。用紙は複写式で2部作成し、顧客控えとして渡すのが一般的です(近年は電子データでの交付も法改正により可能になりましたが、顧客の安心感を考えると紙での交付が無難でしょう​)。概要書面や契約書面にはクーリングオフの方法について赤枠・赤字で明記することや、文字サイズは8ポイント以上とすることなど細かな規定も定められています​。

これらの書面交付義務に違反すると行政処分の対象となりますので、必ず忘れず適切な書式で交付しましょう。

書面不備によるトラブル実例

書面の交付漏れや記載不備は、実際にサロン運営でトラブルになりやすいポイントです。例えば、エステ契約時に概要書面を渡しておらずクーリングオフの説明が抜けていた場合、後日になって顧客から「聞いていないので解約したい」とクレームが入るケースがあります。法律上、書面を適切に交付していないとクーリングオフ期間が進行しないため、何ヶ月経っても契約解除を主張されるリスクがあります。

実際に「契約からだいぶ経って中途解約を申し出たが、サロンに契約書類をもらっていないことを理由にクーリングオフを主張された」という相談事例もあります​。

こうした事態を防ぐためにも、概要書面・契約書面は法定どおり確実に交付しましょう。当事務所ではエステサロン向けに必要書面の整備を数多くサポートしており、書面不備によるトラブル防止策についても熟知しております。

クーリングオフと中途解約:契約後の解約ルール

エステサロンとの契約後でも、顧客には一定の条件下で契約を解除(解約)できる権利が法律で保障されています。大きく分けて、契約直後に無条件で解約できるクーリングオフ制度と、一定期間経過後でも途中解約できる中途解約の制度があります。

サロン側としては、これらの解約ルールを正しく理解し、適切に対応することが重要です。ここではクーリングオフと中途解約それぞれの概要と、解約対応の際の注意点を説明します。

契約後8日以内のクーリングオフ

特定商取引法では、エステ等の特定継続的役務提供契約について、所定の書面を受け取った日から起算して8日以内であれば、消費者は理由を問わず契約を解除できると定めています​。

これがクーリングオフ制度で、期間内であれば顧客は違約金や損害賠償を支払う必要もなく、支払済みの代金の全額返金を受けることができます​。エステサロン側は、顧客からクーリングオフの通知(書面または電磁的記録)を受けたら速やかに契約解除に応じ、代金があれば返金しなければなりません。

例えば契約後一週間で「やはり解約したい」と言われた場合、施術の実施有無に関わらず全額を返す義務があります。なお、クーリングオフの存在や方法は契約書面に赤字で明示する必要がありますし、口頭でもしっかり案内しておくことで後々のトラブル防止に繋がります。

クーリングオフできない場合

基本的に8日間は無条件解約可能ですが、クーリングオフが適用されないケースもあります。一つは顧客が事業目的で契約した場合(エステサロン業者ではなく一般消費者が対象なので通常は該当しません)。もう一つは、顧客が購入した関連商品を既に消耗してしまった場合です。

例えばエステ契約と一緒に購入した化粧品を開封・使用済みの場合、それが消耗品でほとんど価値がなくなっているときはクーリングオフの対象外となります​。

また、顧客が自主的に8日を過ぎてから解約しようとした場合は通常の中途解約扱いになります。ただし後述するように、事業者が嘘の説明をしてクーリングオフを妨げたような場合には、この期間を過ぎても契約解除が認められる可能性があります​。

期間経過後の中途解約(途中解約)

クーリングオフ期間(8日間)が過ぎた後でも、エステ契約期間中であれば将来に向かって契約を解除できる権利が消費者に与えられています​。これを中途解約制度と呼び、法律の定めるところによりサロン側は所定の清算に応じて解約に応じなければなりません​。

中途解約時には、既に提供済みのサービス料等は顧客が負担し、それ以降の未提供分については契約を解除します。その際サロンが請求できるのは一定の上限額までの損害賠償(違約金)のみです​。エステティックの場合、クーリングオフ期間後の途中解約では以下のルールで清算を行います​。

  • 役務開始前に解約する場合
    一切の施術を行う前であれば、事業者が請求できる違約金は上限2万円までと決められています​。つまり契約成立後、施術を始める前に解約された場合、サロン側は事務手数料等として最大2万円まで請求可能ですが、それを超える額を受け取っていれば返金が必要です。
  • 役務開始後に解約する場合
    既に提供した施術分の対価(利用済み回数分の料金)は顧客負担となり、それに加えて未提供分の契約残額の10%相当額または2万円のどちらか低い方を上限として違約金を請求できます​。つまり残りの契約代金の10%が2万円より少なければその額、多ければ上限2万円までしか違約金として請求できません。

例えば、10万円のエステコース(施術10回分)を契約し3回利用後に解約する場合、既に提供した3回分の料金(3万円相当)は顧客負担、残り7万円の10%は7,000円となります。この7,000円が2万円より低いので、サロンが請求できる違約金は7,000円までです。よって顧客には未利用分7万円から違約金7,000円を差し引いた6万3,000円を返金する計算になります。もし残額が大きく10%相当が2万円を超えるケースでも、2万円が上限となります。

以上のように、中途解約では法律で決められた範囲内の金額しか請求できません。サロン側が「途中解約はできません」「残金は一切返金しません」といった対応をすることは現在の法律では認められておらず、違反すれば行政処分や返金請求トラブルの対象となります​。

実際に、過去には高額な違約金を定めていたエステ契約条項が無効とされたり、返金対応を巡って消費者センターに苦情が寄せられる事例もありました。こうした中途解約のルールは契約時に概要書面や契約書面でしっかり明示し説明しておくことが肝心です。そうすれば、顧客も解約時の精算ルールを理解した上で契約できますので、「思っていたより返金額が少ない」など後から不満が出るリスクを減らせます​。

解約対応でサロンが注意すべきこと

エステサロン側は、顧客からクーリングオフや中途解約の申し出があった際には、法律の定める手続きに則って速やかに対応する義務があります。特にクーリングオフについては書面やメール等で通知するのが原則ですが、中途解約の申し出は書面でなくとも有効です​。

口頭や電話で「もう通えないので契約をやめたい」と伝えられた場合でも、その意思表示時点で解約の効力が生じます。書面で出さないと無効だと誤解し、顧客の解約希望を放置すると法律違反になりますので注意しましょう​。もっとも、後日の行き違いやトラブル防止のため、可能であれば書面やメールで解約の意思を確認してもらうことが望ましいです​。

実務上は、口頭申し出があった際に「承知しました。念のため解約の申込書(または確認メール)をご提出ください」と案内し、記録を残すと安心です。いずれにせよ、正当な解約依頼には速やかに応じ、決められた計算で返金すべきものがあれば早期に返金処理を行いましょう。解約対応を渋ったり遅延させると、顧客の不信を招くだけでなく行政指導の対象にもなり得ます。

法律遵守の重要性と専門家によるサポート

ここまで見てきたように、特定商取引法のルールを守ることはエステサロン経営において非常に重要です。最後に、法律を遵守しない場合のリスクや、遵守を徹底するために専門家である行政書士がどのようにサポートできるかをお伝えします。適切な法務対応は顧客との信頼関係構築にも直結しますので、リスクとメリットを改めて確認しましょう。

特商法違反のリスク

エステサロンが特定商取引法に違反した場合、行政処分や罰則を受ける可能性があります​。例えば、書面を交付しなかったりクーリングオフに応じなかったりすると、消費者庁や都道府県から業務改善指示や業務停止命令等の処分が下されることがあります​。最悪のケースでは、実名公表され社会的信用を失うケースもあり得ます。また、違法な勧誘や契約を続けていると、消費者から訴訟を起こされたり営業停止を求める法的措置を受けたりするリスクもあります​。

何より、法律違反は顧客との信頼関係を損ないます。一度トラブルが表面化すると、SNS等で悪評が広まり経営に大きな打撃となる恐れもあります。そうしたリスクを避けるためにも、法令遵守は欠かせません。

エステサロンで起こりがちなトラブル実例

実務上、エステサロンが巻き込まれやすい法律トラブルとしては、書面不備によるクーリングオフ延長・クレーム、中途解約時の精算トラブル、効果や勧誘に関する顧客クレームなどが挙げられます。例えば、「痩身エステの効果が出ないので途中解約したいが返金に応じてもらえない」といった相談や、「契約時に聞いていた話と違う」とサービス内容の不備を指摘されるケースです​。

中には、サロン側が悪質でなくとも説明不足により誤解を招いてしまった例もあります。あるサロンでは解約時のルールを口頭で十分説明しておらず、顧客が違約金額に納得せず揉めてしまったことがありました。このように「知らなかった」では済まされないのが法律トラブルです。日頃から契約書類や説明方法を見直し、トラブルの芽を摘んでおくことが大切と言えます。

エステサロンの概要書面や契約書面はお任せください

エステサロン運営者の皆様が本業のサービス提供に専念するためにも、法律面の整備は専門家に任せるのが安心です。行政書士は契約書や規約類の作成・チェックを業務とする法律の専門職であり、特定商取引法に関する書面作成や手続きにも精通しています。

特に当事務所は特定商取引法に詳しい行政書士事務所として、全国のエステサロンから概要書面・契約書面の作成代行を多数ご依頼いただいています。専門家に依頼するメリットは、法改正や最新の実務動向を踏まえた的確な書類作成ができること、そして不備のない契約書によってサロンもお客様も安心して契約を結べることです。書類整備だけでなく、「クーリングオフを申し出られたがどう対応すべきか」「この表現は誇大広告に当たらないか」といった運営上の疑問にもアドバイスいたします。法律のプロがバックアップすることで、コンプライアンスを強化しトラブルを未然に防ぐことができます。

料金表

当サービスの費用は明瞭な定額制となっております。

内容料金詳細
⑴概要書面・契約書面の作成
⑵契約手順の説明書
55,000円事前相談からヒアリング、書類の作成・納品までの一連のサービス費用が含まれています。追加料金なしで、2種類の書面を一括して作成いたします。t契約の手順書もお付けします。
選択プラン
⑶電子交付対応11,000円電子交付対応では、書面をWord文書で提供し、サービス利用者への電子交付に必要な同意取得の方法や手順についてアドバイスいたします。

※上記料金以外に、特殊なご要望や追加の書類作成が発生しない限り、基本的に追加費用はございません。

手続きの流れ

当事務所へのご依頼から書類お渡しまでの一般的な流れをご説明します。初めての方でも安心してご利用いただけるよう、丁寧に対応いたします。

  1. お問い合わせ・ご相談
    まずはお問い合わせフォームやお電話等でお気軽にご相談ください。業種や事業内容、ご依頼の概要をお伺いします(この段階では費用はかかりません)。
  2. お見積りのご提示
    ヒアリングした内容にもとづき、正式にサービス提供する場合の費用のお見積りを提示いたします。基本的には前述の定額料金ですが、もし特殊な事情で追加料金が生じる場合はこの時点でご説明します。お見積りにご納得いただいた上で正式にご依頼ください。
  3. 契約締結
    当事務所にて委任契約書を作成し、電子形式で締結していただきます。
  4. 追加質問のお伺い
    書面作成に必要な事項について詳しくお伺いします。サービスの内容・特徴、提供条件、料金体系、契約条件(解約条件や返金規定等)などをメールにてお伺いいたします。
  5. 書類の作成
    お伺いした内容を踏まえて、概要書面および契約書面を作成します。法律用語が多く難解になりすぎないよう配慮しつつ、法定事項を漏れなく盛り込んだ書類案を作成いたします。通常、1週間程度でドラフト(下書き)をご用意し、一度内容をご確認いただきます。ご要望に応じて修正を加え、最終版を完成させます。
  6. 書類の納品
    完成した書類を納品いたします。基本的には電子データ(Word文書やPDFなど)でお渡しいたしますので、お客様の方で必要部数を印刷してご利用いただけます。また、納品後の運用方法についてもご不明点があれば納品から1か月はサポートいたします。作成した書類を実際にお客様が顧客に交付する際の手順や留意点などについてもご説明できますので、安心してご利用いただけます。

以上がご依頼から納品までの基本的な流れです。不明点がございましたら各段階で遠慮なくご質問ください。当事務所が責任を持ってサポートいたします。

お問い合わせ

お問い合わせは電話「050-3173-4720」又は下記「お問い合わせフォーム」からお願いいたします。

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    役務の内容*

    相談希望日*(無料の電話相談です。)

    相談希望時間帯*(例 11時から15時の間、14時以降、12時からもしくは14時半から)

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