
古物商許可とは
古物商とは、中古品を買い取り、販売又は交換する営業を行う事業者をいいます。
中古品を継続的に仕入れて販売する場合には、営業所所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません。
この許可は「古物営業法」に基づくものであり、盗品等の流通防止や市場の健全化を目的として設けられています。
古物商許可が必要となる例
- 中古ブランド品の販売
- 中古ゲーム・家電の販売
- 中古車販売
- リサイクルショップの運営
- ネットショップで中古品を販売する場合
- フリマアプリ等で仕入れて転売する事業
近年では、メルカリやYahoo!オークションなどを利用した副業が増えていますが、利益を目的として中古品を継続的に仕入れて販売する場合には、古物商許可が必要となる可能性があります。
古物商許可はオンライン申請が可能になった
従来、古物商許可は警察署へ書類を持参して申請する方法が一般的でした。
そのため、「古物商はオンライン申請できない」という情報が現在でも多くインターネット上に掲載されています。
しかし、令和7年12月15日以降はe-Gov電子申請を利用することにより、古物商許可申請(新規許可)をオンラインで行うことが可能になっています。
行政手続のデジタル化が進められる中で、警察庁においても各種許認可手続の電子化が開始され、古物営業に関する申請も対象となりました。
ポイント
- 古物商許可はオンライン申請に対応
- 利用するシステムはe-Gov電子申請
- 24時間申請データを送信できる
- 申請内容によっては来庁が必要となる場合もある
オンライン申請だから警察署へ行かなくてもよい?
結論からいうと、必ずしもそうではありません。
オンライン申請は、申請書類を電子データで提出できる制度であり、すべての手続が完全オンライン化されたわけではありません。
申請内容によっては、補正や本人確認のために警察署への来庁を求められる場合があります。また、許可証の受領については、従来どおり警察署で行う必要があります。
さらに、令和8年7月現在、大阪府では古物商許可申請手数料をe-Gov上で電子納付することはできず、管轄警察署の窓口で納付する必要があります。
そのため、「オンライン申請だから一度も警察署へ行かなくてよい」という制度ではありません。
e-Govとは
e-Gov(イーガブ)とは、デジタル庁が運営する行政手続のオンラインサービスです。
会社設立、労働保険、社会保険など多くの行政手続に対応しており、現在では警察庁が所管する一部の許認可についてもe-Govから申請できるようになっています。
古物商許可の電子申請も、このe-Govを利用して行います。
なお、利用するにはe-Govアカウントの作成や電子証明書など、事前準備が必要です。
手数料の電子納付は今後の課題
令和8年7月現在、奈良県、大阪府をはじめほとんどの都道府県(できないことを確認した都道府県は、埼玉県、栃木県)では古物商許可申請手数料の電子納付には対応しておらず、管轄警察署の窓口で納付する必要があります。
大阪府警本部の担当者によると、今後は電子納付の導入も検討されているものの、実現には相当の時間を要する見込みとのことです。
これは、e-Gov自体は国が運営するシステムである一方、古物商許可は各都道府県公安委員会が所管する制度であり、手数料の徴収方法が各都道府県の条例や会計制度とも関係するためです。
そのため、全国一律で直ちに電子納付へ移行することは難しく、当面は窓口での納付が必要になる可能性があります。
e-GovとGビズIDとの違い
古物商許可のオンライン申請について調べていると、「GビズID」という言葉を目にすることがあります。
しかし、GビズIDとe-Govは別のサービスです。
| e-Gov | 行政手続を行うための電子申請システム |
|---|---|
| GビズID | 法人・個人事業主向けの共通認証サービス |
混同されることがありますが、古物商許可の電子申請では、利用するシステムはe-Govです。
制度変更後も「GビズIDから申請する」と誤解している方が少なくありませんので、事前に確認しておくことをおすすめします。
オンライン申請に必要なもの
古物商許可をオンライン申請するためには、従来の必要書類に加えて、電子申請特有の準備も必要となります。
- e-Govアカウント
- マイナンバーカード等の電子証明書(必要となる場合)
- ICカードリーダー又は対応端末
- PDF化した添付書類
- インターネット環境
窓口申請であれば紙の書類を提出すれば足りますが、電子申請では添付書類を電子データとして準備する必要があります。
また、電子署名が必要となる場面もあるため、事前準備にはある程度時間がかかることがあります。
古物商許可をオンライン申請する流れ
ここでは、実際のe-Gov電子申請の画面に沿って、古物商許可をオンライン申請する流れを解説します。
実際の画面をご覧いただきながら進めていただければ、それほど難しい手続ではありません。なお、画面デザインや表示内容は変更される場合がありますので、ご了承ください。
① e-Govへアクセスし、ログインする
まずはe-Gov電子申請へアクセスし、ご自身のアカウントでログインします。

② 手続検索を選択する
ログイン後、「手続検索」をクリックします。

③ 手続名称から「古物商」と入力する
検索画面が表示されたら、手続名称欄へ「古物商」と入力します。

再度青く選択された「古物商・古物市場主の許可申請」をクリックします。
④ 「古物商・古物市場主の許可申請」を選択する
検索結果一覧が表示されますので、「古物商・古物市場主の許可申請」をクリックします。

⑤ 「申請書入力へ」をクリックし、申請情報を入力する
申請書入力画面へ進み、営業所や申請者、管理者など必要事項を入力します。
入力漏れや誤字があると補正の対象となる場合がありますので、正確に入力しましょう。

申請書入力画面
以下は、例です。ご自身の申請に沿った内容を記載してください。



⑥ 添付書類をアップロードする
必要事項の入力が終わったら、添付書類をアップロードします。

主な添付書類は次のとおりです。
- 住民票(本籍地の記載があり、マイナンバーの記載がないもの)
- 身分証明書(後見・破産に関する事項が記載されたもの)
- 誓約書(申請者用・管理者用の2種類)
- URL使用権限を証明する書類(ホームページを利用する場合はWhois情報など)
添付漏れやデータの不鮮明により補正を求められることがありますので、提出前によく確認しましょう。
⑦ 提出先を選択する

次に提出先を選択します。
- 営業所所在地の都道府県警察
- 営業所所在地を管轄する警察署
営業所所在地と異なる警察署を選択すると受付されませんので、必ず営業所を管轄する警察署を選択してください。
⑧ 申請内容を確認する
入力内容を確認し、問題がなければ申請内容確認画面へ進みます。

すると待機画面が表示されます。

その後申請内容が次のように表示されます。

申請前にPDFを保存することをおすすめします。
申請内容確認画面では、申請内容をPDFとして出力できます。後日の確認や補正対応に備え、印刷又はPDF保存しておくと安心です。
⑨ 申請を提出する
内容に誤りがなければ、「提出」ボタンを押して申請を完了します。
提出後には到達番号が表示されます。
到達番号は、今後の問い合わせや警察署での手続の際に必要となる場合がありますので、必ず控えておきましょう。
⑩ 警察署で手数料を支払う
オンライン申請をした場合でも、現時点では申請手数料を電子納付することはできません。
そのため、営業所を管轄する警察署へ行き、申請手数料を支払います。
警察署へ行く際には、次のものを持参するとスムーズです。
- 到達番号
- 申請内容の控え(PDF又は印刷したもの)
- 本人確認書類(必要に応じて)
⑪ 審査後、許可証を受け取る
申請後は警察による審査が行われます。
審査期間は一般的に約40日前後です。
許可となった場合には、警察署から連絡がありますので、営業所を管轄する警察署で許可証を受け取ります。
オンライン申請であっても、許可証は警察署で受領する必要があります。
オンライン申請のメリット
古物商許可がオンライン申請に対応したことにより、申請者にとって多くのメリットがあります。
24時間申請できる
警察署の開庁時間を気にすることなく、自宅や事務所から申請できます。
仕事をしながら許可取得を目指す方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
警察署へ何度も行く必要がない
窓口申請では、申請書提出のためだけに警察署へ行く必要がありました。
オンライン申請では、提出自体はインターネット上で完了するため、移動時間や待ち時間を減らすことができます。
書類の管理がしやすい
提出したデータを保存しておけば、変更届や法人申請などの際にも活用できます。
紙の書類を紛失するリスクも軽減されます。
オンライン申請のデメリット
一方で、電子申請にはデメリットもあります。
手数料の納付は警察署で
オンライン申請なのに・・と思われる方も多いと思いますが、オンライン申請できるのは提出する書類であり、手数料の納付は管轄警察署で直接する必要があります。
事前準備が多い
e-Govの利用登録や電子証明書など、初めて利用する方には分かりにくい部分があります。
特にパソコン操作に慣れていない方は、設定だけで時間がかかることもあります。
電子データ作成の手間
添付書類をPDF化し、ファイルサイズや画質を調整する必要があります。
紙で提出するよりも、準備に時間がかかるケースも少なくありません。
システム操作に慣れる必要がある
初めてe-Govを利用する場合には、画面の見方や申請方法に戸惑うことがあります。
特に電子署名や添付書類のアップロードでつまずく方も少なくありません。
オンライン申請でよくあるミス
行政書士として相談を受ける中でも、次のようなミスは比較的多く見られます。
- 営業所住所の入力ミス
- 管理者情報の記載漏れ
- 添付書類の不足
- PDFの向きが逆になっている
- 画像が不鮮明
- URL使用承諾書を添付していない
- 署名漏れ
これらは補正対象となることが多く、許可までの期間が長くなる原因になります。
提出前には、紙で提出する場合以上に慎重な確認が必要です。
行政書士へ依頼するメリット
古物商許可は、ご自身で申請することも可能です。
しかし、電子申請制度が始まった現在でも、必要書類や営業形態によって準備する内容は大きく異なります。
例えば、法人申請、役員が複数いる場合、営業所が複数ある場合、ホームページ販売を予定している場合などは、確認事項が多くなります。
行政書士へ依頼することで、申請書類の作成だけでなく、必要書類の確認や警察署との事前相談までサポートを受けることができます。
行政書士へ依頼するメリット
- 書類不備を防止できる
- 警察署との事前相談を任せられる
- 電子申請の設定もサポートできる場合がある
- 補正対応まで一括して依頼できる
- 許可取得まで安心して進められる
特に初めて古物商許可を取得される方や、本業が忙しい方にとっては、行政書士へ依頼することによって時間と手間を大幅に削減できるでしょう。
| 項目 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| 個人:古物商許可オンライン申請代行 | 20,000円 | 質問回答・申請準備・オンライン申請 |
| 住民票+身分証明書の取得 | +5,000円 | 個人で、申請者本人分の証明書取得もまとめて依頼する場合 |
| 管理者と申請者が異なる場合の書類取得 | +7,500円 | 申請者と管理者の必要書類取得をまとめて依頼する場合 |
| 法人申請 | 別途お見積り | 申請代行・役員等の必要書類取得を含め、内容確認後にお見積りします |
| 古物商の届出 | 15,000円 | 変更届・書換え等。内容により別途ご案内する場合があります |
| 警察署手数料 | 19,000円 | 別途、ご本人に警察署へお支払いいただきます |