バツイチが事実婚を選択する際に作成する契約書とは

近年、バツイチの方が再婚に際して事実婚を選択するケースが増加傾向にあります。これは、結婚に対する価値観の多様化が影響していると考えられます。過去に離婚を経験した方にとって、再婚のハードルが高く感じられることも少なくありません。

一方で、法律婚に比べて事実婚は法的な保護が不十分な部分もあります。そのため、後々のトラブルを防ぐためにも「事実婚契約書」を作成することが重要になります。

本記事では、バツイチが事実婚を選択する理由や、契約書を作成するメリット、そして相手の同意を得るためのポイントについて詳しく解説します。

バツイチが事実婚を検討する理由は？

再度離婚しないかどうかの不安

一度離婚を経験すると、「また同じことを繰り返したくない」という思いが強くなります。特に、再婚して再び離婚する（いわゆる「バツニ」になる）ことへの不安は大きいでしょう。

• 社会的な視線が気になる
  バツイチの時点では周囲から理解されることもありますが、バツニ、バツサンとなると、「結婚に向いていないのでは？」「また離婚？」といったネガティブな噂や偏見にさらされることもあります。
• 職場や親族の反応が気になる
  再婚後に離婚をすれば、職場や親族の間で話題になることもあります。「次こそは幸せになれると思ったのに」といった言葉をかけられることを恐れ、再婚に踏み切れない人もいます。

結婚を経験して息苦しさを感じた

法律婚は、婚姻届を提出することで夫婦関係が成立し、法律上の権利義務が発生します。しかし、一度結婚生活を経験した人の中には、「結婚という形そのものが息苦しい」と感じた人も少なくありません。

なぜ結婚に対する息苦しさがあるのか？

• 夫婦関係の「義務」に縛られる
  婚姻関係では、扶養義務、生活費の負担、財産の共有、親族付き合いなど、多くの義務が発生します。しかし、結婚生活を経験した人の中には、「こうした法的な義務に縛られることがストレスだった」と感じる人もいます。
• パートナーと自由な関係を築きたい
  例えば、「一緒に生活はするけれど、経済的には独立していたい」「自分の姓を変えたくない」といった希望を持つ人もいます。事実婚であれば、こうした自由な関係を築くことができるため、再び法律婚を選びたくないと考える人に適しています。
• 過去の結婚生活での失敗を避けたい
  「以前の結婚で、パートナーと生活リズムや価値観が合わなかった」という経験がある場合、事実婚でまずは柔軟に関係を築きたいと考えるケースもあります。

子供がおり、子供が相手との同居を望まない

バツイチで子供がいる場合、再婚を検討する際には「子供の気持ち」を最優先に考える必要があります。

子供が再婚に抵抗を持つ理由

• 「新しいお父さん・お母さん」を受け入れられない
  離婚後、子供は親のことを大切に思っていても、新しいパートナーが生活に入ることに抵抗を感じるケースがあります。「実の親ではない人と暮らすことに違和感がある」「親と二人の生活が良い」と考える子供も多いでしょう。
• 環境の変化を嫌がる
  例えば、再婚によって引っ越しを伴う場合や、新しい兄弟姉妹ができる場合など、生活環境が大きく変わることを不安に感じる子供もいます。
• 学校や友人関係への影響
  「親が再婚したことを周りに知られたくない」「新しい家族ができることで学校での関係が変わるのが嫌だ」といった理由で、子供が再婚に対してネガティブな感情を持つこともあります。

このように、バツイチの方が事実婚を選択する理由には、心理的な不安、結婚に対する考え方の変化、子供の事情が関わってきます。それぞれの事情に合わせた最適な形を選ぶことが、後悔のないパートナーシップにつながるでしょう。

バツイチが事実婚契約によって得られるメリット

法律婚に近い法的保護による安心

事実婚は、法律婚と異なり法的な位置づけが曖昧であるため、契約を交わすことで初めて一定の権利義務が明確になる点が大きなポイントです。

財産分与の取り決めが可能

事実婚でも、長年連れ添った場合、別れる際に「財産をどう分けるか」が問題になることがあります。契約書を作成しておけば、どの財産が個人のもので、どの財産が共同のものかを事前に明確にできるため、トラブルを防げます。

扶養義務や生活費の負担割合を明確化

一方が働けなくなった場合の扶養義務を契約で取り決めておくことが可能です。例えば、「病気や怪我で働けない期間は一定の生活費を支援する」などの合意を明記しておけば、生活の不安を軽減できます。

医療同意権の確保

事実婚では、法律上の配偶者とは異なり、パートナーが入院や手術をする際に、医師から説明を受けたり、同意書にサインをする権利がないケースがあります。事実婚契約書に「医療行為に関する同意権」を盛り込むことで、パートナーの治療に関わる権限を持つことができます。このように、法律婚と同等に近い権利を確保するための手段として、事実婚契約は非常に重要です。

契約をしているという安心感

バツイチの方の中には、「もう婚姻関係でがんじがらめになるのは嫌だ」と感じている人も多いですが、一方で「曖昧な関係のままでいるのも不安」という気持ちもあります。

事実婚契約を交わすことで、関係が曖昧にならない

法律婚ほど縛られないが、信頼関係を明確にできることが事実婚契約の最大のメリットです。例えば、契約書の中に「互いに誠実に関係を継続すること」「生活費の負担を明確にすること」といった条項を盛り込むことで、お互いに安心感を持てます。「結婚」という制度にこだわらず、現実的な関係を築ける

破綻した場合の対応を明確にできる

事実婚契約の中で関係が破綻した場合の取り決め（財産分与、住居の扱いなど）をあらかじめ決めておけば、いざというときにトラブルを最小限に抑えることができるのもメリットです。バツイチの方は「離婚時に大変な思いをした」というケースも多いため、事前にルールを決めておくことで精神的な安心感を得られます。

このように、事実婚契約は、バツイチの方が新たなパートナーと安心して生活を築くための有効な手段です。関係をより安定させるためにも、専門家に依頼して適切な契約を作成することをおすすめします。

バツイチの事実婚契約では相手の同意を得ることは容易か

難しい場合もある

相手が結婚を強く望んでいる場合、事実婚ではなく正式な入籍を求めるケースがあります。特に、以下のようなケースでは、相手の同意を得ることが難しくなることがあります。

相手が法律婚にこだわりがある場合

社会的信用や周囲からの見られ方を気にする人は、法律上の婚姻関係を結ばないことに抵抗を感じることがあります。親や家族から結婚を強く勧められている場合も、事実婚に対する理解を得るのが難しくなる傾向にあります。

年齢差がある場合（特に相手が若いケース）

年の差があるカップルでは、若い相手が「結婚」を一度も経験していないため、事実婚という選択肢に抵抗を示すことがあります。例えば、人生で一度は結婚式を挙げたい、入籍して正式な夫婦になりたいといった価値観を持つ人も多く、事実婚の提案を受け入れるまでに時間がかかることもあります。

将来の子供に対する考え方の違い

事実婚では、子供が生まれた場合に親権を片方しか持てないなど、法律婚とは異なる点があるため、子供を望む相手にとっては不安要素となることがあります。そのため、将来的に子供ができた場合は入籍するなど、状況に応じた柔軟な話し合いが求められます。

事実婚の話し合いを円滑に進めるには

相手が法律婚を望んでいる場合でも、事実婚のメリットや双方にとっての利点を伝えることで、スムーズに話を進めることが可能です。

お試し感覚の事実婚でもよいと伝える

最初から事実婚しか考えていないと主張するのではなく、一緒に生活をしてみて、お互いに合うかどうか確認しようというスタンスで話を進めると、相手も納得しやすくなります。

「とりあえず籍を入れずに一緒に暮らしてみよう。お互いが納得したら、結婚を考えればいいんじゃない？」 「いきなり籍を入れて、また失敗するのが怖いから、まずは事実婚という形で試してみたい。」

このように、試しにやってみるという感覚を伝えることで、相手の不安を軽減し、事実婚という選択肢を前向きに捉えてもらうことができます。

将来的に法律婚も検討する旨を伝える

相手が法律婚を希望している場合、今すぐに結婚するつもりはないが、将来的には考えてもいいというスタンスを示すことで、話し合いが円滑に進むことがあります。

「今はお互いの気持ちを大切にしたいから、まずは事実婚で様子を見たい。でも、将来的に結婚という選択肢も排除しているわけではないよ。」 「いずれは籍を入れることも考えているけど、まずは生活してみて、自然な流れで決めていきたい。」

このように伝えることで、相手も事実婚が永遠に続くわけではないと理解し、安心するケースが多いです。

バツイチの事実婚契約書の作成はお任せください

特に、バツイチの方が再び安定したパートナーシップを築くためには、事実婚契約書の作成が重要です。当事務所では、専門的な知識をもとに、一人ひとりの事情に合わせた契約書の作成を丁寧にサポートいたします。

また、当事務所のネット口コミ件数は１５０件を超え、総合評価４．９／５と高い評価を獲得しており、多くのお客様から信頼をいただいております。契約書作成に関する不安や疑問があれば、お気軽にご相談ください。

特に、次のようなお悩みをお持ちの方はぜひご相談ください。

• バツイチのため、再婚ではなく事実婚を選びたいが、将来のトラブルが心配
• 事実婚を検討しているが、財産分与や生活費の負担をどう取り決めるべきかわからない
• バツイチの事実婚でも、医療同意権を確保する方法を知りたい
• 事実婚契約書を作成したいが、相手の同意を得る方法に悩んでいる
• 過去に離婚の際にトラブルになったため、事実婚でも事前にルールを決めておきたい
• 事実婚契約書を公正証書にするか迷っており、最適な形を知りたい

バツイチの方が事実婚を選択する際には、法律婚とは異なる法的リスクや課題が伴います。だからこそ、契約書を作成し、安心してパートナーとの関係を築くことが大切です。当事務所では、これまでの豊富な経験をもとに、あなたの状況に合わせた最適な契約書をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

ご依頼後の流れ

事実婚契約書の作成をご希望でしたら、次の流れによりご申込いただけます。

１．ご連絡
まずは、次のお問い合わせフォーム、メール又はお電話等でお申込みください。お申込みの時点では、契約書を作成するために必要な「事件の概要や経緯、希望」等をお伺いさせていただきます。行政書士は、依頼を受けた業務や内容について守秘義務が課されていますので、安心してご相談いただくことができます。

お問い合わせフォーム→こちら Tel:050-3173-4720

２．お見積書とご契約
前記１によりお伺いした内容を元に、お見積書と契約書を作成させていただきます。内容にご了承いただけた場合には、契約とお振込みをいただきます。お振込みは、契約後５日以内の事前払いとさせていただいておりますので、ご了承ください。

３．事実婚契約書の案文作成
当事務所によって、事実婚契約書の案文を作成し、チャットやメールによってお送りさせていただきます。内容を、お二人で確認いただきながら、内容や表現の変更や修正を重ねて、最終的にお二人が合意された契約書を完成させます。なお、変更や修正においては、追加費用をいただいておりませんので、最後まで安心してサポートをご利用いただけます。

お問い合わせ

基本料金

作成する書面の複雑さや難易度によって金額が異なる場合があります。

業務内容	料金	概要
婚前契約書	39,000円	婚前の契約書を作成させていただきます。
事実婚契約書	39,000円	事実婚状態の契約書を作成させていただきます。
公正証書のサポート	30,000円～	上記の契約について公正証書として作成する場合にはこちらの料金が加算されます。なお、上記全ての契約で公正証書の作成が可能なわけではありませんので、ご了承ください。

ご依頼いただくメリット

• 迅速な対応が可能
  お客様にとってスピーディな対応は非常に重要です。当事務所では、お急ぎの場合でも、最短で契約後５日以内に対応いたします。例えば、別居に伴う婚姻費用の分担等を定める契約書や誓約書の作成が急を要する場合でも、可能な限り迅速に対応するため、安心してご依頼いただけます。ご依頼内容に応じて、契約内容や条件をしっかりと確認し、短期間で法的に有効な書類を仕上げます。
• 全国対応が可能
  当事務所は大阪市に拠点を構えていますが、対応エリアは全国です。契約書や誓約書の作成は、オンラインや郵送を活用することで、全国どこからでもご依頼を承っております。これまでにも、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県などの近畿圏を中心に、東京都、北海道、広島県など遠方のお客様からも多くの依頼をいただいています。地理的な制約を受けずに、どの地域からでもご相談・ご依頼いただける体制を整えておりますので、距離を気にせずご依頼ください。
• 専門的なサポート
  当事務所の行政書士は、法的文書作成のプロとして、豊富な知識と経験を持っています。特に、行政書士の中でも専門分野が細分化されている現代において、当事務所は夫婦やカップル、同性間の契約書作成を専門業務の一つとしております。たとえば、婚姻費用分担や住宅ローンの取り決めなど、夫婦関係やパートナーシップに関連する複雑な契約に対して、専門的な知識を活かした適切なサポートを提供します。

当事務所の強みは、お客様一人ひとりの状況に応じたオーダーメイドのサポートを提供できることです。標準的な契約書作成だけでなく、複雑な事情や特別な条件を考慮した書類作成にも柔軟に対応しますので、安心してお任せください。

お客様の声

下記は、ご依頼いただいたお客様からのお声です。概ね高い評価をいただいておりますが、すべての口コミが良い評価ではなく、改善すべき点もあります。具体的には、相談のしやすさなどに関する改善点が見られますので、日々その向上に努めています。以下は、お客様からいただいたご感想の一部です。

作成のイメージ

通常は７ページから９ページの契約書や合意書を作成させていただいております。

バツイチが事実婚を選択する際に作成する契約書とは―よくある質問

Ｑ．バツイチの人が事実婚を選ぶ理由は何ですか？
Ａ．過去に婚姻関係を経験した方の中には、法律上の制約に縛られず、柔軟なパートナーシップを求める方が増えています。特に、離婚歴があることで再婚に慎重になるケースも多く、再び婚姻届を提出することに抵抗を感じる方もいます。そのため、事実婚という形を選ぶことで、法的な負担を減らしつつ、新しい関係を築く方が増えています。

Ｑ．事実婚と法律婚の違いは何ですか？
Ａ．法律婚は婚姻届を提出することで成立し、配偶者としての法的権利義務が発生します。一方で、事実婚は届け出をせずに共同生活を送るため、法的な扱いが曖昧になります。例えば、相続権がない、親権の取得に制限があるなどの違いがありますが、契約書を作成することで、一定の権利を確保することが可能です。

Ｑ．事実婚を選ぶバツイチの方にとって契約書は必要ですか？
Ａ．必要です。事実婚には法律婚のような法的枠組みがないため、契約書を作成しておかないと、万が一の別れやトラブル時に不利になる可能性があります。契約書を通じて、財産の取り決め、生活費の分担、医療時の同意権などを明確にすることができます。

Ｑ．事実婚契約書を作るとどんなメリットがありますか？
Ａ．法的保護を強化し、関係の安定性を高めるメリットがあります。例えば、財産の所有権を明確にすることで、万が一の解消時に不当な請求を防げます。また、扶養義務や生活費の負担割合を取り決めることで、将来的な金銭トラブルを避けることが可能です。

Ｑ．事実婚契約書にはどのような内容を盛り込むべきですか？
Ａ．主に以下の内容を記載することをおすすめします。
・財産の管理・分与に関する取り決め
・生活費の負担割合
・医療に関する同意権（病気や手術時の対応）
・別れた際の取り決め（慰謝料・住居の扱い）
・その他、双方の関係を維持するためのルール

契約書を作成することで、お互いの権利と義務が明確になり、安心して生活できます。

Ｑ．事実婚契約を結ぶことで相続権は得られますか？
Ａ．いいえ。事実婚の関係では、法律上の相続権は発生しません。しかし、遺言書を作成しておけば、パートナーに財産を残すことができます。公正証書遺言を作成することで、相続時のトラブルを防ぐことが可能です。

Ｑ．事実婚のパートナーが入院した場合、家族として扱われますか？
Ａ．事実婚では、法律上の「配偶者」として扱われないため、病院によっては医療行為の同意や病状説明を受けられないことがあります。ただし、契約書に「医療行為の同意権」を明記することで、一定の権限を確保することができます。

Ｑ．バツイチで子供がいる場合、事実婚は影響しますか？
Ａ．子供の意向によっては、新しいパートナーとの生活に抵抗を示すことがあります。事実婚を選択することで、入籍による環境の変化を最小限に抑えることができるため、子供の気持ちを尊重しながら新たな関係を築くことが可能です。

Ｑ．事実婚契約を交わすことで、生活費の分担はどう決められますか？
Ａ．契約の中で生活費の負担割合を決めることができます。例えば、「家賃・光熱費は折半」「一方が無収入になった場合の支援」など、お互いが納得できる形でルールを明確にすることで、金銭トラブルを防ぐことができます。

Ｑ．事実婚契約を交わす際、相手の同意を得るのが難しい場合はどうすればよいですか？
Ａ．話し合いをスムーズに進めるには、次のポイントを意識すると良いでしょう。

「まずは事実婚から始めてみよう」と伝える（相手の不安を軽減）
「将来的に法律婚も検討する可能性がある」と話す（事実婚を永続させる意思がないと伝える）
このように、事実婚の柔軟性を伝えることで、相手が前向きに考えやすくなります。

Ｑ．事実婚を選択した場合、世間のイメージはどうですか？
Ａ．近年、事実婚を選択するカップルは増えており、以前より受け入れられやすくなっています。しかし、地域や家族の考え方によっては、未だに「正式な結婚をすべき」という意見も根強いため、状況に応じた対応が必要です。

Ｑ．事実婚を解消する際、契約が役立つケースは？
Ａ．例えば、住居の扱いや財産の分配でトラブルが発生しそうな場合、契約書があれば事前の取り決めに従って解決できます。口約束だけでは相手の主張が食い違う可能性があるため、契約を交わしておくことでスムーズな解決が可能になります。

Ｑ．事実婚契約の作成はどこに依頼できますか？
Ａ．行政書士や弁護士に依頼することで、法的に有効な契約書を作成できます。当事務所では、個別の事情に応じたオーダーメイドの契約書を作成し、トラブルを防ぐためのサポートを提供しています。

Ｑ．事実婚契約を作るタイミングはいつが最適ですか？
Ａ．共同生活を始める前、または生活を共にし始めた直後が理想的です。時間が経過すると、金銭面や関係性の問題が複雑化するため、できるだけ早めに契約を交わすことをおすすめします。

バツイチが事実婚を選択する際に作成する契約書とは－まとめ

最後までご覧いただきありがとうございました。こちらの記事では、バツイチが事実婚を選択する理由や、契約書を作成するメリット、そして相手の同意を得るためのポイントについて詳しく解説させていただきました。下記は本記事を簡潔にまとめた内容でございます。

１．事実婚を選ぶバツイチが増加傾向にある理由
離婚経験のある人が再婚を考える際、戸籍上の結婚を選ばずに事実婚を希望するケースが増加している。結婚に対する価値観の変化が影響しており、法的な婚姻関係にこだわらず、自由な関係を築きたいと考える人が増えている。一方で、法的な保護が不足しやすいため、契約を交わしておくことが重要になる。

２．再婚ではなく事実婚を検討する背景
離婚を経験した人は、再び同じ問題を繰り返すことに対する不安が大きい。特に、離婚回数が増えることで周囲の評価を気にする人が多く、法律上の結婚に慎重になる。また、過去の結婚生活での義務や制約に息苦しさを感じた経験から、より柔軟な関係を求める傾向がある。さらに、子供のいる場合、新しいパートナーとの同居に抵抗を持つ子供の気持ちを考慮し、生活環境の変化を抑えるために事実婚を選ぶこともある。

３．契約を交わすことで得られる安心感
法律婚とは異なり、事実婚には明確な法的枠組みがないため、契約を作成することで権利と義務を明確にできる。例えば、別れる際の財産分与や生活費の負担割合をあらかじめ決めておくことで、後のトラブルを回避できる。また、扶養義務の有無や医療に関する意思決定権についても取り決めを行うことで、法律婚と近い保護を得られる点も大きなメリットである。

４．関係を継続する上での安心感
法的に縛られすぎず、なおかつ曖昧な関係にしないための手段として、契約を結ぶことが有効である。互いにどのようなルールのもとで関係を続けるかを明文化することで、相手との信頼関係を明確にできる。また、万が一関係が破綻した場合の取り決めをしておくことで、不測の事態に備えることができる。

５．事実婚を提案した際の相手の反応と同意を得る方法
事実婚を希望する側と、法律婚を求める相手とで考え方が異なることがある。特に、結婚経験のない人や年齢が若い人は、戸籍上の婚姻関係にこだわる傾向がある。そのため、初めから法律婚を否定するのではなく、まずは事実婚を試すという形を提案することで、スムーズに話が進むことがある。また、将来的には入籍も検討する意思があることを伝えることで、相手が安心しやすくなる。

６．契約書作成の必要性と専門家への相談
事実婚を選択する場合、口約束だけでは法的に弱く、不測の事態に対応しにくい。契約を交わしておけば、生活費の分担や財産の管理、別れた際の取り決めなど、さまざまな事態に備えることができる。適切な契約内容にするためにも、専門家に相談し、個々の事情に合った契約を作成することが望ましい。