事実婚(内縁)を選ぶとき、多くの方がつまずくのが「相手の親への説明」です。
「籍を入れない=本気じゃないと思われる?」「親に反対されたらどうする?」そんな不安は自然なもの。
この記事では、事実婚 相手の親で検索する方に向けて、誠意が伝わる準備と伝え方、反対されたときの実務的な落としどころ、そして第三者への証明にも使える“事実婚契約書・公正証書”の作成意義を、行政書士の立場でわかりやすく整理します。

「事実婚」と「相手の親」が衝突しやすい理由
事実婚は、当事者同士の価値観としては合理的でも、親世代から見ると「既存の枠」から外れる選択に映りやすいものです。
反対が起きるのは、あなたの人格否定ではなく、理解の前提が違うことが原因であるケースが多いです。
籍がない=責任が曖昧、と思われやすい
相続・介護・子ども・住まいがどうなる?
親戚・近所への説明が難しいと感じる
ポイントは、親の疑問に「気持ち」だけで答えないこと。生活設計(ルール)を示すほど、納得は得やすくなります。
親が気にしているポイントを先読みする
親が本当に気にしているのは、「籍を入れるかどうか」そのものよりも、その選択で子が不利益を被らないかです。
まずは典型的な論点を押さえておくと、説明の精度が上がります。
親がよく抱く7つの疑問
- 本当に一生一緒にいるの?(覚悟・責任の確認)
- 病気や事故のとき、手続きはどうする?(同居・医療・連絡)
- 生活費や家計管理は?(金銭トラブルへの懸念)
- 家やローンは?(名義・負担・別れたとき)
- 子どもを望むならどうする?(認知・養育・教育費)
- 相続は?(内縁には法定相続がない)
- 親戚や周囲にどう説明する?(冠婚葬祭・呼称・場面)
これらは “答えにくい質問” ではなく、答えを用意しておくべき質問です。
特に「相続」「住まい」「子ども」は反対の引き金になりやすい論点です。
誠意が伝わる“説明”の型:言い方・順番・NG
最初に伝えるべきは「結論」+「理由」
親への説明は、遠回りほど誤解が増えます。とくに「なぜ籍を入れないのか」だけを長く話すと、親は“不安”を補完するために想像でストーリーを作ってしまうことがあります。
その結果、「責任から逃げたいのでは?」「いつでも別れられるつもりでは?」と誤解されやすくなります。
そこでおすすめなのが、最初に結論を置き、そのあとに理由と覚悟、そして安心材料(具体策)を提示する型です。説明は“言い方”以上に、“順番”が重要です。
- 結論:「私たちは事実婚という形で生活を共にしていきます」
- 理由:「姓・仕事・過去の事情・価値観など、私たちに必要な選択だから」
- 覚悟:「責任を曖昧にしないために、生活のルールを文書化します」
- 安心材料:「公正証書(事実婚契約)も検討し、第三者にも説明できる形にします」
会話の設計:最初の3分で“安心”を作る
親との話し合いは、最初の数分で空気が決まります。おすすめは、次のような流れです。
先に「覚悟」と「準備」を見せることで、親の質問も感情的になりにくくなります。
- 感謝:「今日は時間をいただいてありがとうございます」
- 前提の共有:「突然の話で驚かせたらすみません」
- 結論:「私たちは事実婚で生活を共にします」
- 安心材料:「生活のルールは文書化し、公正証書化も検討しています」
- 質問の受け止め:「心配な点を教えてください。整理してお答えします」
親が聞きがちな質問への“短い回答例”
親は「論破」ではなく、「安心したい」だけのことが多いです。長く説明するより、短く答えて、必要なら資料(メモ)で補う方が伝わります。
- Q:なんで籍を入れないの?
→「私たちの事情(姓・仕事等)でこの形が必要です。ただ、責任は軽くしないので、生活設計は文書で残します」 - Q:本当に続くの?
→「続ける前提で、揉めないためのルールを先に決めています。家計や住まい、将来の方針も話し合っています」 - Q:もし別れたらどうするの?
→「そこが一番揉めやすいので、精算ルール(財産・住居)も契約に入れるつもりです」 - Q:相続はどうするの?
→「内縁は原則として法定相続がないので、その点は別途対策が必要だと理解しています。必要に応じて制度も検討します」
言葉の選び方:避けたい表現(NG)
親が反発するのは、内容よりも「言い方」であることが少なくありません。
とくに親の価値観そのものを否定する言い回しは、関係をこじらせます。
- 「籍ってただの紙だし」→ 親は「軽い」「責任がない」と受け取りやすい
- 「親が口出すことじゃない」→ 対立構造が固定され、以後の相談もしづらくなる
- 「そのうち考える」→ “将来設計がない”と誤解されやすい
- 「世間体とか古い」→ 親の不安を見下した印象になりやすい
- 「反対ならもういい」→ 話し合いの入口が閉じ、決裂に向かいやすい
言い換え例:角を立てずに“芯”を伝える
親の不安を受け止めつつ、こちらの意思を明確にする言い換えを用意しておくと、その場で感情的になりにくくなります。
- 「籍が紙だから」ではなく → 「形式より、責任の持ち方を具体化します」
- 「口出ししないで」ではなく → 「心配な点を整理して教えてください。対策を示します」
- 「そのうち」ではなく → 「この順番で整えます(家計→住居→書面→必要なら公正証書)」
誠意が伝わる一言テンプレ(“親の言語”に合わせる)
「形式を変えるぶん、責任は軽くしません。むしろ不安が出ないように、生活のルールや万一のときの取り決めを文書にして、きちんと説明できる形にします。」
さらに効く一文:
「私たちの選択でご心配をかけたくありません。なので、気になる点を教えてください。」
“公正証書”を持ち出すときの自然な言い方
公正証書は強いカードですが、出し方を間違えると「そんなに堅いの?」と構えられることがあります。
あくまで安心材料としての提案として、温度感を低めに伝えるのがコツです。
- 「不安を残したくないので、必要なら第三者に説明できる形(公正証書)も検討しています」
- 「口約束だけにしたくないので、まず契約書を作り、必要なら公正証書化します」
- 「親戚への説明が必要な場面もあるので、整った形にしておきたいです」
“気持ち”ではなく、段取り(手順)を示すのが誠意として届きます。
親が納得しやすいのは、「結論」よりも「不安が減る具体策」です。
反対されたときの現実的な着地:合意形成のコツ
反対は「論破」で解決しません。親にとっては「納得できる安全装置」が必要です。
対立を避けつつ前に進めるには、合意形成の型を持つのが有効です。
合意形成の3ステップ
-
不安の言語化
「何が一番心配?」を丁寧に聞き、論点を特定する(相続?世間体?将来?) -
不安への対策提示
口約束ではなく、ルール化・文書化・第三者手続き(公正証書等)で示す -
小さな合意から積む
いきなり「賛成して」ではなく、「まずは同居の報告」「次に両家顔合わせ」など段階設計
親が納得しない最大の理由は、「あなたを守る手段が見えない」こと。
だからこそ、書面の存在が効きます。相手の親に見せるかどうかは別として、「作成している」「必要なら提示できる」だけでも安心材料になり得ます。
事実婚でも、誠意と安心は“設計”できます
相手の親への説明に不安がある方へ。事実婚契約書/事実婚契約公正証書の作成を、行政書士がサポートします(全国対応)。
事実婚で「親に安心」を作る具体策10選
誠意を示すのは、派手な言葉より具体策です。できるところから整えましょう。
「パートナー」「内縁の夫・妻」など場面別に統一
先に自分の親→次に相手の親。段取りが誠意になる
いつから生活共同体か。説明が一気に楽になる
生活費、貯蓄、突発費。揉める芽を先に潰す
賃貸・持家・ローン。負担割合と退出時の精算を決める
緊急連絡先、医療の連絡先、親への共有範囲
希望があるなら、認知や養育費の考え方まで
内縁は原則法定相続なし。遺言・保険等の検討
親戚への紹介、香典・席次など場面を想定
第三者にも説明できる“証明”を用意する
特に「10. 書面化」は、親への誠意と自分たちの安心を同時に作れます。
第三者への証明に強い:事実婚契約書と公正証書の作成意義
「誠意=書面」になりやすい理由
事実婚は、当事者の気持ちが強くても、外側(親・親戚・金融機関・勤務先など)からは
「本当に共同生活なのか?」が見えにくいことがあります。
そこで、当事者同士の約束を文章にし、必要に応じて公証役場で公正証書化することで、
「責任を軽くしていない」というメッセージが伝わりやすくなります。
事実婚契約書(私文書)と公正証書の違い
- 契約書(私文書):当事者で作る。内容を柔軟に設計でき、作成のハードルが低い
- 公正証書:公証人が関与し、作成日・当事者・内容が公的に整った形になり、説明しやすい
相手の親に示す「公正証書の作成意義」
親への説明としては、次の3点が刺さりやすいです。
- 第三者に説明できる形に整える(口約束ではない)
- 万一のトラブルに備える(別れたとき、住居費、財産精算など)
- 責任を“軽くしない”意思表示(籍に代わる安全装置)
契約書に入れる条項例(親にも説明しやすい)
「何を書けばいいかわからない」という方のために、親への説明にもつながる代表的な条項をまとめます。
重要なのは、誰が読んでも生活設計がイメージできることです。
基本条項(生活のルール)
- 同居開始日・住所(生活共同体の起点)
- 家計分担(生活費、家賃、光熱費、通信費、貯蓄)
- 高額支出の事前協議(車、家電、旅行など)
- 家事・介護等の役割分担(努力義務として書くのも有効)
トラブル予防条項(別れたとき・精算)
- 共有財産の範囲(共同貯蓄、家具家電など)
- 別居・解消時の退去期限や引越費用の考え方
- 連絡方法・話し合い手順(感情で壊さない設計)
将来条項(親が安心しやすい)
- 子どもを望む場合の方針(認知、養育費、教育費)
- 病気・入院時の連絡(誰に連絡するか、同意の範囲)
- 親族行事への対応(冠婚葬祭での呼称・出席)
書面は「縛るため」ではなく、説明のために作る。相手の親にとっては、それが誠意になります。
よくある失敗例と回避策
事実婚について相手の親と話す場面では、内容そのものより「進め方」で失敗してしまうケースが少なくありません。
ここでは、実務上よく見かける失敗パターンと、その回避策を整理します。
失敗1:親に「説得」を仕掛けてしまう
親は議論に勝ちたいわけではなく、子どもが将来困らないかを心配しているだけ、というケースが大半です。
そのため、論理武装して「正しさ」を説明し続けるほど、親は置いていかれた感覚になります。
この失敗は、親を“反対派”として扱ってしまうことで起こります。
本来は「不安を持つ当事者」として向き合う必要があります。
説得や正論ではなく、安心材料の提示に切り替えましょう。
「家計はこう分けます」「住まいはこう考えています」「揉めないために書面を用意します」
といった具体策が、親の感情を落ち着かせます。
失敗2:「結婚しない理由」を相手のせいにする
「相手が籍を入れたくないと言っている」「相手の事情で難しい」などの説明は、相手の親にとっては自分の子どもが軽く扱われているように聞こえがちです。
無意識でも“責任の所在”を相手側に寄せてしまうと、親は防衛的になり、話し合いが一気にこじれます。
「私たち二人で話し合い、この形を選びました」と、必ず“共同決定”として語ること。
理由を説明する場合も、「二人にとって必要だった」と主語を揃えることが重要です。
失敗3:準備ゼロで挨拶に行く
「まずは気持ちを伝えれば分かってもらえるだろう」と考えて、具体的な準備をせずに挨拶に行ってしまうケースも多く見られます。
しかし親は、ほぼ確実に質問を投げかけます。
その際に答えが曖昧だと、『考えが浅い=反対すべき』という判断につながりやすくなります。
少なくとも次の3点については、完璧でなくても「方向性」を用意しておきましょう。
- 家計:生活費の分担、貯蓄の考え方
- 住まい:同居開始時期、名義や負担の考え方
- 将来:子ども・相続・万一のときの方針
「まだ決めていません」ではなく、「この順番で整えます」と言えるだけでも印象は大きく変わります。
失敗4:書面を“武器”として見せようとする
契約書や公正証書は強力な安心材料ですが、出し方を誤ると逆効果になることがあります。
たとえば、最初から細かい条文を突きつけると、親は「信用されていない」「監視されている」と感じてしまうことがあります。
書面はあくまで安心のための裏付けであり、相手を黙らせるための道具ではありません。
まずは口頭で方向性を伝え、「すでに文書で整理している」「必要であれば見ていただける形にしている」という存在の共有に留めるのが適切です。
実際に見せるかどうかは、親の反応を見て判断しましょう。
失敗5:一度の話し合いで結論を出そうとする
親にとって事実婚は、価値観を揺さぶられるテーマです。
一度の説明で即座に納得してもらえる方が、むしろ少数派です。
「今日は報告と方向性の共有」「次回は具体策の説明」など、段階的な合意形成を前提にしましょう。
親が考える時間を持てるようにすること自体が、誠意になります。
行政書士ができるサポート(全国対応)
事実婚は、当事者の価値観を尊重しつつ、外部への説明(親・親戚・職場など)に耐える設計が重要です。
当事務所では、事実婚契約書および事実婚契約公正証書の作成サポートを行い、“誠意が伝わる形”に整えるお手伝いをします(全国対応)。
-
ヒアリング(状況整理)
親の懸念点、同居状況、家計、住居、将来設計(子ども・相続)などを整理します。 -
条項設計(揉めやすい点の先回り)
争点になりやすい箇所を中心に、文章で誤解が出ない設計にします。 -
契約書ドラフト作成
当事者が読み合わせしやすく、親にも説明しやすい表現へ整えます。 -
公正証書化のサポート
公証役場提出用の体裁整理、必要資料の整理、段取りの助言などを行います(※公証人手数料は別途)。
事実婚でも、誠意と安心は“設計”できます
相手の親への説明に不安がある方へ。事実婚契約書/事実婚契約公正証書の作成を、行政書士がサポートします(全国対応)。
よくある質問(FAQ)
Q1. 事実婚を相手の親に反対されたら、どうすればいい?
まず「反対の理由(不安の中身)」を特定することが大切です。世間体、将来、相続、住まいなど論点が違えば対策も変わります。
説得ではなく、家計・住居・将来の方針を整理し、必要に応じて契約書や公正証書など“安心材料”を提示するのが実務的です。
Q2. 親に「籍を入れない=無責任」と言われたら?
否定から入らず、「形式を変えるぶん責任は軽くしない」ことを、具体策で示すのが有効です。
生活設計(同居・家計・住居)を説明し、ルールを文書化する姿勢が誠意として伝わりやすいです。
Q3. 事実婚契約書は本当に意味がある?
「揉めないための設計図」として意味があります。特に、家計分担、住居、別れたときの精算などは口約束だと争点化しやすい領域です。
書面があるだけで、説明のしやすさと当事者の安心が大きく変わります。
Q4. 公正証書にすると、何が良いの?
公証人が関与することで、作成日・当事者・内容が整った形になり、第三者に説明しやすくなります。
「責任を曖昧にしない」というメッセージにもなり、相手の親への誠意として機能することがあります。
Q5. 親に契約書(公正証書)を見せるべき?
必須ではありません。見せ方を誤ると“堅すぎる”印象になる場合もあるため、まずは「作成している」「必要なら提示できる」程度でも十分です。
親の不安が強いときは、要点だけ説明し、詳細の提示は状況を見て判断すると安全です。
Q6. 事実婚だと相続はどうなる?
原則として、内縁の配偶者には法定相続権がありません。相続を意識するなら、遺言や保険など別の制度設計が必要になることがあります。
「親が心配する論点」でもあるため、早めに方向性を決めておくのがおすすめです。
Q7. 行政書士に依頼すると、どこまで対応してもらえる?
事実婚契約書の条項設計、文案作成、公正証書化に向けた段取り整理・提出用の体裁整備などをサポートできます(全国対応)。
相続など他分野が絡む場合は、必要に応じて追加の手当(遺言など)も含めて全体設計をご提案します。
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