こちらの記事では、パートナーシップ契約や婚姻契約の説明、これらの契約の違い並びにパートナーシップ契約を結んでおくことの重要性などについて記載させていただいております。
パートナーシップ契約とは

パートナーシップ契約とは、恋人関係にある2人が法律的な手続によらずに、婚姻意思の確認や同居の合意、相互扶助義務の確認等について締結するものです。当事者間でパートナーシップ契約を結ぶことにより、互いに契約内容の履行に従う必要があり、一定の拘束力を見込めます。
婚姻契約は事実婚(※1)の場合に法律婚と同等の夫婦間の法律関係を実現するために締結される契約です。婚姻契約で定める内容はパートナーシップ契約とさほど違いはありません。事実婚による婚姻契約は「事実婚契約」などと呼ばれたりします。
※1)離婚の届出をせずに夫婦同様の生活をしている婚姻状態
パートナーシップ契約と婚姻契約について
パートナーシップ契約も婚姻契約も、契約内容に大きな違いがないことは先述のとおりです。では、どのような違いがあるのでしょうか。
おそらく違いは契約書作成する状況やケースによって使い分けられていると考えます。例えば、同性間の婚姻契約を書面で行う場合に表題(タイトル)を「パートナーシップ契約書」として作成されることが多いです。
一方、異性間の婚姻契約では「婚姻契約書」として作成されていることが多いように感じます。もちろん、同性間の契約であっても婚姻契約書と記載されていることもあり、その逆も同様です。
同性の婚姻について日本の制度を知っておこう
近年、ヨーロッパ各国やアメリカ、カナダ、ブラジルなど、世界の多くの国・地域において同性婚を認める法律が成立し、施行されています。
これらの国々では、性的指向による差別の解消や、家族の多様性を尊重する観点から、婚姻制度を異性間に限定しない方向へと法制度が進展してきました。
一方で、日本においては、同性婚は現在のところ法制度として認められていません。その大きな理由として、日本国憲法第24条の規定が挙げられます。
| 日本国憲法第24条(家族関係における個人の尊厳と両性の平等) 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 |
この「両性」という文言について、政府および長年の立法解釈では「男性と女性」を前提としたものと理解されてきました。
そのため、現行の民法上の婚姻制度は、異性間の婚姻のみを想定して設計されており、同性カップルが法律上の婚姻関係を成立させることはできないとされています。
同性婚をめぐる司法判断の動き
もっとも、近年ではこの解釈や立法不作為の是非をめぐり、司法の場で重要な判断が相次いでいます。
全国各地で提起されたいわゆる「同性婚訴訟」では、同性婚を認めない現行法制度が、憲法第14条(法の下の平等)や第24条に反するかどうかが争われています。
その中で、札幌地方裁判所(令和3年3月17日判決)は、同性婚を認めていない現行法について、「法の下の平等」を定めた憲法第14条に違反する状態にあると判断しました。(参考:同性婚を認めない現行法は違憲)
これは、日本の裁判所が同性婚を認めないことの憲法上の問題点を明確に指摘した、初めての判断として大きな注目を集めました。
パートナーシップ証明書の法的な位置づけ
同性婚が認められない現行法の元ではありますが、各自治体が独自の施策として、同性カップルを対象とした「パートナーシップ証明書」等を発行する制度を導入するケースが増えてきました。
パートナーシップ証明書は、法律上の婚姻と同一の効力を持つものではなく、相続権や法定代理権などが当然に認められるものではありません。また、第三者に対して法的な強制力を有する書面ではありません。
もっとも、証明書を所持していることにより、実務上は一定の配慮がなされる場面もあります。例えば、パートナーが入院した際の面会や付き添い、医療行為に関する説明や同意について、家族に準じた対応を受けられるケースが見られます。
病院や施設の判断に委ねられる部分はあるものの、証明書が「二人の関係性を公的に示す資料」として機能するため、法的拘束力がないことのみを理由に一律に拒否されることは、実務上はあまり多くないと考えられます。
このように、同性婚が認められていない現行制度のもとでも、パートナーシップ制度や任意の契約書、公正証書(※1)などを組み合わせることで、将来の不安や生活上のリスクを軽減する工夫は可能です。
自身の状況に応じて、どのような制度や書面を活用できるのかを事前に知っておくことが重要といえるでしょう。
| ※1)公正証書は、法律のプロである公証人(公務員)が作成する文書で文書の真正性が高いものです。 |
パートナーシップ契約の内容の詳細

パートナーシップ契約(ここでは異性間の契約とします。)ではどのような内容を記載するのでしょうか、主に以下の内容を記載することが多いです。
- 相互の婚姻意思の確認(届出をしない旨を記載)
- 同居や扶助、貞操の義務
- 婚姻費用の分担
- 日常家事の代理権
- 子供に関すること
- 医療行為等の同意権
- 負担付死因贈与の規定
詳細は次のとおりです。
相互の婚姻意思の確認
当事者が、愛情をもって互いに真摯な関係で法律上の届出はしないものの婚姻意思はあることを記載します。少し抽象的な表現ではありますが、定型的な条項が最初に記載されることが一般です。
同居や扶助、貞操の義務
夫婦間の義務である、同居や扶助、貞操を守る義務を記載しておきましょう。併せて、作成する契約と同等の契約を第三者としない内容も付記しておくと安心でしょう。
婚姻費用の分担
婚姻費用とは、同居時の賃料、食費、光熱費等の生活上の費用です。婚姻費用についても婚姻後は、折半する内容を定めておくとよいでしょう。
日常家事の代理権
民法第761条では、婚姻後の日常家事の責任を連帯責任としています。そのため、日常家事の代理権に関する定めについて民法と異なる定めをする場合や、民法と同じ内容を定める場合(こちらは法律婚を想定した条項なので)には、条文に明記しておきましょう。
子供に関すること
一方に連れ子がいる場合等に子供の養育監護等について協力する義務を記載しておくなどしておくと安心です。
医療行為等の同意権
認知症などで、一方に介護が必要となった場合や、手術など医療行為が必要となった場合を想定し、これらの行為をする同意者として自分のパートナーを指定しておくことが重要です。
負担付死因贈与等の規定
法律婚による配偶者には、相続権を有しますが事実婚や同性婚では現在の法律では法定相続人になることはできません。
そのため、いずれかが先に死亡した場合の贈与に関する規定や、その内容を執行する者を定めておいた方がよいでしょう。
互いの財産を遺贈し合うことは遺言書によっても作成することが可能です。しかし、遺言書は遺言者の単独行為ですので作成後に遺言者の意思で自由に撤回することができます。
一方、負担付死因贈与であれば当事者との契約なので原則、単独による撤回は認められません。(認められるとする説もあります。)
【関連記事】
>パートナーシップ契約を公正証書で作成したい
パートナーシップ契約の作成は/専門行政書士にお任せください

次のようなお悩みをお抱えではないでしょうか。もし、該当される場合には契約書を作成していた方が安心かもしれません。
- 同性間の婚姻契約をしておくべきなのか判断できない
- 同性間の婚姻では相続権がないと聞いたので契約書を作成しておきたい
- 同居や同棲後の財産関係について明確にしておきたい
- 互いに医療や介護の同意権を与えておきたい
- 事実婚の状態なので夫婦の取り決めをしておきたい
ご依頼いただいた場合の流れ
1.パートナーシップ契約作成のご連絡
電話やメール等によってパートナーシップ契約書を作成されたい旨をお伝えください。その場で簡単なヒアリングをさせていただきます。
2.御見積のご確認
上記1によりお伺いした内容で御見積書を作成させていただきます。金額やお支払い方法についてご了承いただける場合には、契約させていただきますのでその旨をお伝えください。
基本料金は→こちら
3.契約締結
御見積額などに承諾いただけましたら、当方により委託契約書を作成させていただきます。当事務所は、パートナーシップ契約書の作成を全国で承っていることもあり、契約は基本的に電子契約とさせていただきますので、ご了承ください。
4.お振込みによるお支払い等
当サービスは、事前払い制により対応させていただいております。契約後5日以内に当方が指定させていただく口座にお支払いください。お支払いを確認させていただきましたら、こちらから「質問事項シート(PDF)」をお送りしますので、ご回答をお願いいたします。
5.パートナーシップ契約書の作成着手
上記4により、質問事項へ回答いただけますと、いよいよパートナーシップ契約書の作成に着手させていただきます。同契約書の原案は質問事項へのご回答後、約1週間で作成させていただきます。
6.内容のご確認
上記5で作成したパートナーシップ契約書をご確認いただき、記載内容や表現に間違いがなければその旨をお伝えください。もし、変更や修正を希望する場合にはその旨をお伝えいただきますと、追加料金なしで変更等をさせていただきます。
7.郵送
上記6によりパートナーシップ契約書が完成しましたら、当方により製本し郵送させていただきます。
大まかな手続の流れは以上でございます。
料金やお客様の声
基本料金は→こちら
お客様の声
こちらは、業務完了後にお客様からいただいたお声の一部です。詳細はこちら(大倉行政書士事務所「お客様の声」より)からご確認いただけます。

パートナーとの契約書を依頼しました。特別な事情に関わらず的確なアドバイスをいただき助かりました。また何かあればお願いするとおもいます。

この度は大変お世話になりました。夫婦間合意契約書を作成していただきました。私共夫婦間に入っていただき円満に解決しました。説明も大変わかりやすく、私の無理な要望も聞いていただき感謝しております。依頼の対応もスピーディーで他の事務所さんより安く出来たと思います。

質問に対し丁寧にご対応いただけました。不慣れな私に大変わかりやすく説明くださり、報酬額だけでなく自身が実際に負担する総額なども細かく教えていただき、とても誠実な方だと感じました。

相手の浮気による婚姻契約書をお願いしました。終始丁寧に対応してもらい、良心的なお値段で助かりました。また色々教えてもらえて勉強にもなりました
セミナーや相談会
当事務所では、パートナーシップに関するセミナーや相談会(支部単位)を実施しております。相談は、お気軽にご連絡ください。

各自治体の同性パートナーシップ証明制度について

パートナーシップ制度は平成27年に東京の渋谷区と世田谷区からどんどん普及し、令和6年現在では約400の自治体でパートナーシップ制度が施行されています。下記は、初期に導入した主な自治体です。
| 自治体 | 根拠 | 施行日 |
| 東京都渋谷区 | 渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例 | 平成27年4月1日 |
| 東京都世田谷区 | 世田谷パートナーシップの宣誓の取り扱いに関する要綱 | 平成27年11月1日 |
| 三重県伊賀市 | 伊賀市パートナーシップの宣誓の取り扱いに関する要綱 | 平成28年4月1日 |
| 兵庫県宝塚市 | 宝塚市パートナーシップの宣誓の取り扱いに関する要綱 | 平成28年6月1日 |
| 沖縄県那覇市 | 那覇市パートナーシップ登録の取り扱いに関する要綱 | 平成28年7月8日 |
| 北海道札幌市 | 札幌市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱 | 平成29年6月1日 |
| 福岡県福岡市 | 福岡市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱 | 平成30年4月1日 |
| 大阪府大阪市 | 大阪市パートナーシップの宣誓の証明に関する要綱 | 平成30年7月9日 |
| 東京都中野区 | 中野区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱 | 平成30年8月20日 |
大阪府の同性パートナーシップ宣誓の証明をサポートします

引用:「大阪府パートナーシップ宣誓証明制度」について (https://www.pref.osaka.lg.jp/jinken/sogi_partnership/index.html)
当事務所は大阪市内に事務所がありますので、大阪府にお住まいの方の同性パートナーシップ宣誓をサポートさせていただくことができます。当方により必要な書類の取得であったり官公署とのやり取りを代理でさせていただきます。
大阪府のパートナーシップ宣誓証明制度についてこちらをご参照ください。
よくある質問
Q1.パートナーシップ契約は公正証書とすることができますか?
はい。基本的に作成できます。パートナーシップ契約を公正証書によってすることをお考えの方はこちらをご覧ください。
Q2.パートナーシップ契約書を依頼するのに事務所に伺う必要はありますか?
必ず来ていただく必要はありません。全国対応につきメール、電話、LINE等のやり取りにより契約から作成、郵送まで全て対応させていただきます。



コメント