古物商として本の売買を始めたい方は多くいらっしゃることでしょう。最近では、漫画や雑誌などの出版物を中心に扱う方も増えているようです。
こちらの記事では、古物商として本の売買を開始するための基本的な手順や注意点について詳しくご説明いたします。古物商の許可取得の方法、取り扱う本の種類、また成功するための重要なポイントをお伝えさせていただきます。ぜひ、参考にしていただき、安心して古物商としての第一歩を踏み出していただければ幸いです。
古物商とはなにか
古物商とは、中古品や骨董品を売買、取り寄せなどを行う事業者のことを指します。
日本では、古物営業法に基づいて許可を取得した者が古物商として認められ、本を専門に扱う古物商は「書籍商」とも呼ばれます。
古物商の歴史は古く、江戸時代から続く伝統的な職業です。特に本を取り扱う古物商は、文化の伝承者としての役割も果たしており、単なる商売を超えた社会的な意義を持っています。
古物商で取り扱う本の種類や特徴
古物商が取り扱う本は非常に多岐にわたり、その種類は以下のように広範囲に及びます。
各種の本は、特定の特徴や歴史的背景を持ち、それぞれに独自の価値があるため多様なニーズや興味に応じて取り扱われます。
古書(こしょ)
古書とは、出版から一定期間が経過した本を指します。通常、発行から数10年が経過した書籍を指し、その中には歴史的な価値があるものや、現在では入手困難なものも含まれます。
稀覯本(きこうぼん)
稀覯本は、その希少価値の高さから特に珍しい本を指します。発行部数が非常に少ない、あるいは発行された後すぐに絶版となった書籍がこれに該当します。
初版本(しょっぱん)
初版本とは、ある作品が初めて出版されたときの版を指します。初版は通常、特有の特徴やデザインがあり、作品の最初の印刷物として、高い価値があります。
限定版(げんていばん)
限定版は、発行部数が制限されている特別なバージョンで、一般的に独自の装丁や特典が付属しています。限定版は、特定のイベントやキャンペーンなどの機会に合わせて発行されることが多く、その希少性から入手が難しいです。
署名本(しょめいぼん)
署名本とは、著者が自らのサインを入れた本を指します。著者の署名が入っていることで、その本には個人的な意味や価値が加わります。
和本(わほん)
和本は、日本の伝統的な製本技法を用いた本です。古くからの日本の書物の形態を保っており、しおりの代わりに和式の綴じ方が施されています。
その他
・マンガ:漫画本
・雑誌:定期的に発行される刊行物
これらの本は、その希少性、歴史的価値、保存状態などにより価格が大きく変動します。高価な本の場合、購入価格の何倍、何十倍もの値段になることも珍しくありません。
古物商許可を本(書籍商)で取得する
書籍商として古物商許可を申請する際は、まず営業所を管轄する警察署を通じて都道府県の公安委員会に申請を行います。この申請には、必要な書類を準備して提出する必要があります。また、書籍商の場合、様々な本の種類から具体的にどのような本を取り扱うのかについても詳しく質問されることがあります。
さらに、本の販売方法についても、「店舗型」や「オンライン型」など具体的に説明することが求められます。
古物商許可の申請
古物商許可の申請には、申請費用として「19,000円」がかかります。さらに、申請を行政書士に依頼する場合にはこれら以外に約50,000円程かかります。申請時には、申請書、添付書類及び訂正用の印鑑が要求されますので、事前準備をして出向きましょう。申請の流れは次のとおりです。
古物商許可申請の流れ
古物商許可申請の手続の流れを以下に詳しく説明します。
- 事前確認
古物商の申請にあたっては、まず申請者が個人または法人として申請するかを決定し、欠格事由に該当しないことを確認します。次に、取り扱う古物の品目(13品目)の中から主に扱う古物とそれ以外を決定し、申請する警察署を確認します。また、賃貸物件の場合には営業所として使用できる場所かどうかも確認することが重要です。 - 警察署に事前相談
警察署に事前相談をすることで、スムーズに申請手続きを進めることができます。 - 必要書類の作成と収集
申請に必要な書類を集めます。個人申請の主な書類は次のとおりです。法人申請の場合には追加書類として登記簿謄本や定款が必要となります。さらに、インターネットを使用する場合には疎明書類も必要となります。
【必要書類】
・申請書(4枚程)
・住民票(本籍地入り、マイナンバーなし)
・身分証明書(後見と破産の2項目入り)
・略歴書
・誓約書 - 警察署に申請
申請をする前に警察署に事前連絡をして、申請時に質問があった場合の想定問答を考えておきます。申請書類を確認してもらい、問題がなければ申請手数料「19,000円」を納付します。 - 警察署による審査
古物商許可申請後、約40日間の審査があります。審査に問題がなければ警察署から許可証交付について連絡があるので、警察署で許可証の交付を受けます。交付時には本人確認書類としてマイナンバーカード等を持参します。
以上が古物商許可申請の基本的な流れです。詳細については、地域の警察署や専門の行政書士に相談することをお勧めします。
【関連記事】 >古物商許可を個人事業主として取得する方法 >古物商を副業で取得するための手続ガイド >メルカリで古物商を始める方法は?許可取得からURLの届出まで |
古物商(本・書籍)ビジネスの運営方法や課題について
古物商で本を販売するビジネスの運営方法や課題について、以下のように詳細に説明します。古物商ビジネスを成功させるためには、仕入れ、価格設定、販売方法、在庫管理といった運営方法を適切に行うことが重要です。また、業界全体の動向や市場の変化に対応するために直面する課題についても理解しておく必要があります。
運営方法
古物商ビジネスの運営を成功させるには、4つの重要なことがあります。
仕入れ
仕入れ方法はさまざまですが、一般的には個人からの買取、古本市場、オークションなどを通じて商品を入手します。市場価値の高い商品を仕入れるには、商品のコンディションや希少性を見極めるスキルが必要です。
価格設定
仕入れた本の状態や希少性、需要を詳細に分析し、適切な価格を決定します。また、市場の動向や競合の価格も考慮することが重要です。
販売方法
実店舗での販売に加え、オンラインプラットフォームやSNSを活用することで、より多くの顧客にリーチできます。
在庫管理
限られた営業所のスペースで多数の本を効率的に管理するためのスキルが求められます。
本を古物商で扱う課題
古物商ビジネスには複数の課題が存在します。まず、大手のオンライン書店との競争は激化しています。これらの書店は広範な在庫と安価な価格設定をしており、顧客の集客において強力な競争相手です。また、デジタルメディアの普及による、若年層のの読書習慣が減少しており、本の需要に影響を与えています。
書籍店の動向
全国的に見ると、書籍店の数は減少傾向が続いており、2005年度には18,608店舗あった書籍店が、2024年には1万873店舗にまで減少しています。この約20年で、約8,000店舗が閉店したことになります(一般社団法人日本出版インフラセンター調べ)。このデータから、書籍店の数は約46.95%減少したことがわかります。この減少は、古物商ビジネスが直面する厳しい経済環境や市場の変化を反映しており、業界全体の縮小が進んでいることを示しています。
古物商で本の売買を始めたいなら古物商許可が必要-よくある質問
Q1: 古物商許可とは何ですか?
古物商許可は、古物(中古品や古書など)を売買するために必要な許可です。古物営業法に基づき古物商としての営業を行うには、この許可を取得することが求められます。
Q2: 古物商許可の取得に必要な条件は何ですか?
古物商許可を取得するためには、古物営業法に定められる欠格事由に該当しないことが求められています。なお、古物商の営業スキルや経験は未経験でも取得可能です。
Q3: 古物商許可の申請はどこで行いますか?
古物商許可の申請は、営業所を管轄する警察署で行います。申請書類を提出し、受理後の審査を受けることになります。申請の詳細や必要書類については、管轄の警察署に問い合わせるとよいでしょう。
Q4: 申請から許可が下りるまでの期間はどのくらいですか?
古物商許可の申請から許可が下りるまでの期間は、約40日です。ただし、申請の不備や審査状況等により、さらに時間がかかる場合もあります。
Q5: 古物商許可を取得する際のサポートはありますか?
当事務所では、古物商許可の取得をサポートする代行サービスを提供しています。申請に必要な書類の準備や手続きの代行を行い、スムーズに許可を取得できるようお手伝いします。詳しくは、当事務所にお問い合わせください。
本を販売する古物商の取得代行は
古物商として本を扱う古書店は、単なる商売にとどまらず、文化的な意義を持つビジネスです。デジタル化や読書習慣の変化など、さまざまな課題に直面しながらも、その価値と人気は依然として高いままです。古物証で書籍商として許可を取り扱いたい方は、当事務所の古物商取得代行サービスをご利用いただければと思います。分からないことは気軽にご質問いただけるほか、最短5日で申請を行った実績があり、ネット販売に関する書類作成にも対応しております。
さらに、当事務所は口コミで高く評価されており、現在、150件を超える口コミ数と総合評価4.9/5を誇っております。多くのお客様から高い評価をいただいていることからも、信頼と実績のあるサービスであることをご確認いただけます。どうぞ安心して、古物商許可の取得をお任せください。
手続きの流れ
- 問い合わせ
電話やメール(お問い合わせフォーム)で古物商許可を取得したい旨をお伝えください。急ぎの場合にはその旨も併せてお伝えください。 - 打ち合わせや契約
電話等でご依頼内容を確認し、御見積書や契約書を作成します。契約書の内容に承諾いただけましたら、電子又は郵送による方法でご契約いただきます。お支払は契約締結後5日以内にお振込みによる方法でお願いします。 - 申請書類の作成
お支払後、速やかに業務に取り掛かります。申請書の作成や必要書類の取得は概ね1週間程です。 - 警察署での打ち合わせと代理申請
必要な書類が全て揃いましたら、警察署との打ち合わせの上、申請を行います。申請は当事務所が代理で行いますので、ご依頼者様に同行いただく必要はありません。 - 許可証の取得
申請後概ね40日前後で許可証が発行されます。許可証の取得はご本人様のみの対応となりますので、ご協力をお願いします。
料金
サービス | 料金 | 概要 |
古物商許可(個人) | 40,000円(税込) | 古物商許可を個人で取得される方の代行料金です。 |
古物商許可(法人) | 50,000円(税込) | 古物商許可を法人で取得される方の代行料金です。 |
実費 | ||
警察署手数料 | 19,000円(税込) | |
書類取得(個人) | 2,000円~ | |
書類取得(法人) | 3,000円~ |
※)法人申請で役員が複数名いる場合には、添付書類の手数料として1名あたり5,000円がかかります。(役員2名分までの添付書類取得料金は法人の料金に含まれています。)
ご利用いただくメリット
- 申請までの期間が早い
当代行サービスでは、迅速な対応を心掛けており、古物商許可の申請手続きを最短5日で完了させることが可能です。(書類の取得が必要な場合を除く。)この短期間での申請は、お客様が迅速にビジネスを始められるよう支援します。 - 丸投げで対応可能: 書類の作成や取得を全て代行
当サービスでは、お客様に代わって古物商許可に必要な全ての書類作成や取得手続きを丸投げで行います。申請に必要な書類の作成はもちろん、関連する書類の収集などを含めサポートします。 - 相談は回数に限らず無料
古物商許可の取得に関する相談は、回数に制限を設けずに無料で受け付けています。申請手続きの進行状況や書類の準備、法律に関する疑問など、いつでも気軽にご質問ください。
お問い合わせ
お客様の声
当事務所は口コミで評価され、150件を超える口コミ数と総合評価4.9/5を誇っております。こちらからご確認いただけます。
古物商で本の売買を始めたいなら古物商許可が必要-まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。こちらの記事では、古物商で本の販売を始めたい方に向けて、古物商許可に関する内容や手続の流れ、さらに古物商を運営する上でのポイントなどについて下記の内容を述べさせていただきました。
- 古物商とはなにか
- 古物商が取り扱う本の種類や特徴
- 古書(こしょ)
- 稀覯本(きこうぼん)
- 初版本(しょっぱん)
- 限定版(げんていばん)
- 署名本(しょめいぼん)
- 和本(わほん)
- その他
- 古物商許可を本(書籍商)で取得する
- 古物商許可の申請
- 古物商許可申請の流れ
- 古物商(本・書籍)ビジネスの運営方法や課題について
- 運営方法
- 仕入れ
- 価格設定
- 販売方法
- 在庫管理
- 本を古物商で扱う課題
- 書籍店の動向
- 運営方法
- 古物商で本の売買を始めたいなら古物商許可が必要-よくある質問