夫婦の間で問題が起きた時に、今後の夫婦関係を修復する目的で話し合った内容を、和解書を作成し、互いがいつでも確認できる状態にしておくことはとても重要です。和解書は、離婚協議書や離婚給付等契約公正証書の内容のように定形的な記載がされた書面ではありません。そのため、夫婦の間で問題となったことや、今後の修復方法などについて夫婦の合意によって自由に作成することができます。
こちらの記事では、夫婦間で起こった紛争について和解書を作成して解決することを述べさせていただきます。
夫婦で作成する和解書について
和解書を作成する原因
夫婦間で和解書を作成することに至った原因はさまざまですが、主には次のようなことが挙げられるでしょう。和解書は、離婚協議書などと違って記載する条項に定形があるわけではありません。そのため、下記以外の理由であっても、夫婦間で紛争が生じた場合には和解書を作成することがあります。
- 不倫による関係再構築
- DVによる関係再構築
- 借金やギャンブルによる関係再構築
和解書に記載する内容
和解書には、不倫や暴力、借金などの事実があったことを相互に確認する内容をまずは記載します。その後の内容には、これらの問題をどのように解決するかや、相手に与えた損害についてお金を支払う内容を記載したりなどします。和解書を作成するポイントは、再び問題にならないようにする約束や予防について双方が分かりやすいように簡潔に記載し、作成することが重要です。
【和解書に記載することの例】
- 作成の原因となった事実の確認
- 謝罪の規定や謝罪方法について
- 慰謝料の支払の有無
- 慰謝料の支払方法
- 解決金の支払の有無
- 解決金の支払方法
- 今後の防止策について 等
夫婦で和解書を作成する方法
和解書を作成する手順は以下のとおりです。
1.話し合い
和解書は、調停や裁判を利用しない手続になります。そのため、和解書に記載する内容は、夫婦で合意した内容でなければいけません。まずは、和解書を作成する原因になった事実を互いに確認し、今後どのようにしていくかや和解の内容を話し合いましょう。
2.記載内容の決定
上記で話し合った内容に基づき、和解書を作成します。和解内容をまとめたメモを事前に作成しておけば和解書の作成もスムーズかと思います。
3.和解書への署名
和解書は、作成するに至った原因を互いに確認し、相互に和解することを証する書面になります。そのため、和解書には夫婦双方が署名と捺印をして、各1通を保有しておきましょう。
和解はなぜ書面で行うべきなのか?
夫婦間の約束は、口頭であっても有効です。しかし、口頭の約束の場合、将来に解決したはずの問題が再燃してしまう場合があります。後で、和解内容を夫婦で確認できるようにしておくためにも書面に残しておくべきでしょう。解決したはずの問題が、何年後かに掘り返されると対応するのにかなりの労力が必要になるでしょう。
夫婦で和解できない場合
全てのケースにおいて、夫婦関係が修復できるとは限りません。中には、夫婦で和解できないケースもあるでしょう。このような場合には、離婚協議書や離婚給付等契約公正証書を作成し、離婚の内容を定めることになるでしょう。これらの書面では、「養育費、親権、面会交流、財産分与、慰謝料」等の内容を定めます。夫婦の離婚の原因が、不倫や暴力、借金などである場合には、相手に対して慰謝料を請求することができます。
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夫婦で和解書を作成しておくメリット
夫婦間で起きた紛争について、和解書を作成するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。後で互いに思いを引きずらないためにも、問題は一回で区切りを付けておくことが大切と筆者は考えます。
1.問題の早期解決
夫婦間で起きた問題をほっておくと、互いの関係がさらに悪化してしまうことがあります。和解書を作成しておくことで、互いに問題について区切りがつき、夫婦関係の再構築がスムーズです。
2.証拠書類となる
もし、夫婦間の問題が不倫である場合には、不倫をした者は相手方に対し慰謝料を支払わなければいけない場合があります。このような場合に、不倫がされたことが記載された和解書があると、万一、将来夫婦で争いが生じた場合に、和解書が証拠書類となる場合があります。
デメリットもあります
夫婦で決めた約束は、双方が当然に守る義務はあります。しかし、法律によって夫婦の契約は自由に双方が取り消せることが記載されています。そのため、和解によって決めた内容であっても、相手によって取消が認められる可能性があるのです。しかし、契約時に夫婦が破綻に瀕する状態であった場合には、その契約は有効となるとされています。ここの判断の境が曖昧ですので、夫婦間で契約をする際には一番注意しなくてはいけないでしょう。
夫婦の和解書は公正証書にできる?
夫婦間の契約を公正証書にすることは、夫婦の取消権の問題などの理由に作成が難しいです。公証人によって作成いただけないケースは多いです。しかし、内容によって公正証書として作成できる場合もあります。例えば、別居中の婚姻費用の支払いに関する契約は公正証書として作成できるケースが多いです。また、別居を前提とした慰謝料の支払いについても公正証書の作成が認められます。
公正証書によって作成することで、信用があり証拠力の高い公文書を作成することができ、金銭的な支払契約について強制執行ができる機能がありますので、できる限り積極的に利用することをお勧めします。
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夫婦の和解書で浮気相手に支払を求めることはできる?
夫婦間で作成した和解書で、浮気相手が慰謝料を支払う内容を記載したとしてもあまり意味はありません。浮気相手に慰謝料を請求することはできますが、和解書に浮気相手が慰謝料を支払うことについての承諾がないからです。この場合には、夫婦間の和解書では「浮気相手に慰謝料を請求することについて積極的に協力することを約束する。」にとどめ、浮気相手との契約で、慰謝料を支払うことを承諾させる必要があります。
浮気相手との支払の合意ができた場合には、公正証書によって作成することをお勧めします。公正証書によって作成することで、もし浮気相手が慰謝料の支払いを履行しなかった場合に、裁判の手続を経ずして、預金や給与の差押をすることができます。慰謝料の金額は高額になるケースがありますので、一括で支払えないこともあります。このような場合に慰謝料を分割払いで支払う契約を公正証書ですることで安心してお金の支払を受けることができるでしょう。
浮気相手への請求は内容証明の利用も検討できる!
夫(妻)の不倫が発覚すると、浮気相手に対しても慰謝料を請求することができます。慰謝料は口頭で連絡し一括で支払ってもらえる場合には、簡単ですが、現実にはなかなか難しいでしょう。まずは、浮気相手に対し、慰謝料を請求することを文書によって伝えましょう。文書は内容証明によって送ることで、送った内容や日付を後で証明することが出来き、内容証明という重々しい文書により、ケースによっては慰謝料をすぐに支払ってもらえる場合があります。
夫婦間の和解書や示談書の作成サポートについて
不倫による夫婦関係の再構築は難しいと言えます。しかし、誠意を見せて謝罪することによって解決するケースも当然あります。このまま、不倫後の夫婦関係の再構築をせずにほっておくと、婚姻の継続がさらに難しくなってしまいます。このようなことにならないためにも、夫婦の和解はスムーズに行うことが重要でしょう。
問題をほっておくことで解決できることもありますが、夫婦関係の不倫問題等ではこれが難しいでしょう。このような場合には、夫婦問題に詳しい専門家に早期に相談することも必要になるでしょう。相談することによって何らかのヒントが得られる可能性もあります。
ご自身で夫婦の問題を解決するために、ネットや書籍で調べることは精神的な負担や労力がとても大きいかと思います。もし、相手の不倫や借金、DVなどでお悩みでしたら、当事務所で、和解書や示談書又はこれらの公正証書の作成をサポートさせていただけますので、お気軽にお問い合わせください。
ご依頼後の流れ
和解書や示談書の作成をご希望でしたら、次の流れによりご申込いただけます。
1.ご連絡
まずは、次のお問い合わせフォーム、メール又はお電話等でお申込みください。お申込みの時点では、和解書や示談書を作成するために必要な「事件の概要や経緯、希望」等をお伺いさせていただきます。行政書士は、依頼を受けた業務や内容について守秘義務が課されていますので、安心してご相談いただくことができます。
お問い合わせフォーム→こちら Mail:info@okura-lawjimusho.com Tel:050-3173-4720 |
2.お見積書とご契約
前記1によりお伺いした内容を元に、お見積書と契約書を作成させていただきます。内容にご了承いただけた場合には、契約とお振込みをいただきます。お振込みは、契約後5日以内の事前払いとさせていただいておりますので、ご了承ください。
3.和解書の案文作成
当事務所によって、和解書の案文を作成し、チャットやメールによってお送りさせていただきます。内容を、ご夫婦で確認いただきながら、内容や表現の変更や修正を重ねて、最終的にお二人が合意された和解書を完成させます。不倫相手の示談書等についても同様に作成させていただきます。なお、変更や修正においては、追加費用をいただいておりませんので、最後まで安心してサポートをご利用いただけます。
お問い合わせ
料金
業務内容 | 料金 | 概要 |
和解書 | 30,000円 | 夫婦間で作成する書面です。 |
示談書 | 35,000円 | 夫婦間や浮気相手との間で作成する書面です。 |
離婚協議書 | 30,000円 | 離婚に伴う契約書を作成させていただきます。 |
公正証書のサポート | 30,000円~ | 上記の契約について公正証書として作成する場合にはこちらの料金が加算されます。なお、上記全ての契約で公正証書の作成が可能なわけではありませんので、ご了承ください。 |
お客様の声
当事務所は大阪市鶴見区にある事務所ですが、夫婦間の契約書や和解書、示談書、合意書の作成サポートは、大阪市を中心に大阪府、京都府、兵庫県、奈良県のほか、全国の都道府県でもご利用いただいております。ご依頼をお考えでしたら、いつでもお気軽にお申し付けください。
以下は、全国からご利用いただいたお客様のご感想です。
作成のイメージ
通常は7ページから9ページの契約書や合意書を作成させていただいております。これら以外にも、離婚協議書や離婚公正証書についても同様にサポートさせていただけます。
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