行政開示請求とは?手続の流れ・費用・取得できる情報を行政書士が解説 - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2026.06.13

行政開示請求とは?手続の流れ・費用・取得できる情報を行政書士が解説

行政開示請求とは?手続の流れ・費用・取得できる情報を行政書士が解説

行政 開示請求

行政機関や自治体が保有している資料を確認したい場合、「行政開示請求」を利用することで、行政文書や公文書、保有個人情報などの開示を求めることができます。

この記事では、行政開示請求で取得できる情報、手続の流れ、費用、不開示となるケース、行政書士に依頼するメリットについて、行政書士の実務目線でわかりやすく解説します。

行政開示請求とは

行政開示請求とは、国の行政機関、地方自治体、市役所、都道府県、教育委員会、警察などが保有している情報について、開示を求める手続の総称として使われることが多い言葉です。

実務上は、大きく分けて「情報公開請求」と「個人情報開示請求」があります。どちらも行政機関に対して資料の開示を求める制度ですが、対象となる情報や請求できる人、根拠法令・条例が異なります。

情報公開請求との違い

情報公開請求は、行政機関が保有している行政文書や公文書について、原則として誰でも開示を求めることができる制度です。

たとえば、道路、建築、許認可、会議録、行政指導、補助金、契約関係などに関する資料が対象になります。

個人情報開示請求との違い

個人情報開示請求は、行政機関が保有している「自分自身に関する個人情報」の開示を求める手続です。

たとえば、自分に関する相談記録、申請記録、調査記録、行政処分に関する記録などが対象になります。

誰でも利用できる制度なのか

情報公開請求は、原則として誰でも利用できる制度です。一方、保有個人情報の開示請求は、原則として本人または法定代理人など、請求できる人が限定されます。

ただし、国の機関と自治体では根拠となる法令や条例が異なります。実際に請求する際は、請求先の制度を確認することが重要です。

行政開示請求で取得できる情報

行政開示請求で取得できる情報

行政開示請求で取得できる情報は、行政機関が職務上作成・取得し、組織的に保有している文書やデータです。紙の文書だけでなく、電子データが対象となる場合もあります。

行政文書・公文書

行政文書や公文書には、決裁文書、報告書、通知書、照会文書、回答書、会議録、契約書、申請書類などが含まれます。

許認可関係の資料

建築、道路、営業許可、開発許可、福祉、環境、産業廃棄物など、許認可に関する資料が開示請求の対象になります。

調査報告書や議事録

行政機関が作成した調査報告書、会議録、審議会資料、検討資料なども、行政文書として保有されていれば開示請求の対象となります。

開示できない情報

すべての情報が開示されるわけではありません。個人情報、法人の営業秘密、行政運営に支障を及ぼす情報、公共の安全に関する情報などは、不開示または部分開示となります。

対象になりやすい資料 具体例
行政文書 決裁文書、通知書、報告書
公文書 会議録、審議会資料、契約関係資料
許認可資料 建築確認、道路占用、営業許可関係
保有個人情報 本人に関する相談記録、処分記録、申請記録

行政開示請求の手続の流れ

行政開示請求は、取得したい資料を特定し、請求先を確認したうえで、開示請求書を提出する流れで進みます。

  1. 請求先を特定する

    国の機関、都道府県、市区町村、教育委員会、警察など、どの行政機関が資料を保有しているかを確認します。

  2. 開示請求書を作成する

    取得したい文書の名称、内容、時期、担当部署などをできるだけ具体的に記載します。

  3. 行政機関へ提出する

    窓口、郵送、オンライン申請など、請求先が定める方法で提出します。

  4. 開示・不開示の決定を待つ

    行政機関が文書を確認し、開示、部分開示、不開示のいずれかを決定します。

  5. 閲覧または写しの交付を受ける

    開示決定後、窓口で閲覧したり、コピーや郵送で写しを受け取ったりします。

提出から決定までの期間

開示決定までの期間は、法令や条例により異なります。一般的には、請求を受け付けてから一定期間内に開示・不開示の決定がされますが、対象文書が多い場合や第三者意見照会が必要な場合には延長されることがあります。

開示決定後の閲覧・写し交付

開示が認められた場合、行政機関の窓口で閲覧する方法や、写しの交付を受ける方法があります。郵送を希望する場合は、コピー代や郵送料が必要になることがあります。

行政開示請求にかかる費用

行政開示請求の費用は、請求先や制度によって異なります。無料で請求できる場合もあれば、請求手数料、コピー代、郵送費が必要になる場合もあります。

請求手数料

国の行政機関に対する開示請求では、請求手数料が必要になる場合があります。自治体の場合は、条例により無料または有料とされていることがあります。

コピー代・郵送費

文書の写しを受け取る場合、コピー代が必要です。郵送を希望する場合は、郵送料も必要になります。資料の枚数が多い場合、想定より費用がかかることがあります。

自治体ごとの違い

市役所や都道府県によって、請求方法、手数料、決定期間、写しの交付方法が異なる場合があります。そのため、請求前に担当部署や情報公開窓口に確認することが大切です。

行政開示請求が活用されるケース

行政開示請求は、単に資料を集めるだけでなく、事実関係の確認、証拠収集、行政手続の把握、今後の対応方針の検討に役立ちます。

近隣トラブル

騒音、道路、建築、廃棄物、境界問題などの確認に利用されることがあります。

建築確認関係

建築計画概要書、確認申請関係、開発許可資料などを確認したい場合があります。

道路・境界関係

道路台帳、道路区域、境界確定、占用許可などの資料確認に使われます。

行政処分や指導の調査

行政指導、行政処分、指導記録、相談記録などについて、どのような経緯で行政が対応したのかを確認したい場合に活用されることがあります。

相続や空き家調査

相続不動産、空き家、固定資産、道路関係、建築関係の資料を確認するために、行政開示請求が検討されることがあります。

開示請求が認められないケース

行政開示請求をしても、すべての資料がそのまま開示されるわけではありません。法令や条例で不開示情報とされている部分は、黒塗りで部分開示されたり、不開示となったりします。

個人情報保護との関係

第三者の氏名、住所、電話番号、相談内容、病歴、収入、家族関係など、個人の権利利益に関わる情報は原則不開示です。

第三者の権利利益を害する場合

法人や個人事業主の営業秘密、取引情報、技術情報などは、開示により第三者の正当な利益を害するおそれがあるとして不開示となる場合があります。

公益上の理由による不開示

公共の安全、犯罪予防、行政運営、審議・検討・協議に支障を及ぼすおそれがある情報については、不開示とされることがあります。

不開示や部分開示となるかどうかは、請求する文書の内容、請求先の判断、根拠法令・条例によって異なります。過度に「必ず取得できる」と考えないことが重要です。

不開示決定に納得できない場合

行政機関や自治体に開示請求を行った結果、不開示決定や部分開示決定を受けることがあります。 しかし、決定通知書に「不開示」と記載されているからといって、必ずしもその判断をそのまま受け入れなければならないわけではありません。

不開示理由に納得できない場合や、黒塗り部分が多すぎると感じる場合には、審査請求などの不服申立てを検討することができます。

まず確認すべきポイント

不開示決定を受けた場合は、まず決定通知書の内容を確認することが重要です。 特に、どの文書が対象とされたのか、どの部分が不開示とされたのか、どの条文を根拠に不開示とされたのかを確認します。

  • 不開示とされた文書・情報の範囲
  • 不開示理由として引用されている条文
  • 個人情報、法人情報、行政運営情報など、どの類型に該当すると判断されたのか
  • 部分開示が可能であったか
  • 決定通知を受け取った日

特に、審査請求には期間制限があるため、決定通知を受け取った日を記録しておくことが大切です。

審査請求とは

審査請求とは、行政機関の処分に不服がある場合に、その処分の見直しを求める手続です。 開示請求に対する不開示決定や部分開示決定についても、一定の場合には審査請求の対象となります。

審査請求では、単に「納得できない」と主張するだけではなく、 不開示理由が不十分であること、開示しても支障がないこと、少なくとも部分開示が可能であることなどを整理して主張することが重要です。

審査請求の期限

行政不服審査法上、審査請求は、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う必要があります。 そのため、不開示決定通知書を受け取った後は、早めに内容を確認し、対応方針を検討する必要があります。

期間を過ぎてしまうと、審査請求が不適法として扱われる可能性があります。 不開示決定に疑問がある場合は、通知書を保管したうえで、できるだけ早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

情報公開・個人情報保護審査会への諮問

情報公開制度や個人情報開示制度では、審査請求がされた場合、行政機関や自治体が設置する情報公開・個人情報保護審査会に諮問されることがあります。

審査会は、行政機関の判断が適切であったかを第三者的な立場から検討し、答申を行います。 その後、行政機関は審査会の答申を踏まえて、最終的な裁決を行います。

審査請求で主張する内容

審査請求では、次のような観点から主張を整理します。

  • 不開示理由の説明が抽象的で不十分である
  • 開示しても個人や法人の権利利益を害するおそれがない
  • 行政運営に具体的な支障が生じるとはいえない
  • 全部不開示ではなく、部分開示が可能である
  • 公益上、開示の必要性が高い

特に、行政機関が「支障がある」「おそれがある」と説明している場合でも、その内容が具体的でなければ、不開示理由として十分かどうかが問題になります。

裁判による争い

審査請求で解決しない場合や、行政の判断を法的に争う必要がある場合には、取消訴訟などの裁判手続が問題となることがあります。

取消訴訟には出訴期間があり、原則として処分があったことを知った日から6か月以内に提起する必要があります。 裁判対応については、弁護士に相談する必要があります。

行政書士に相談する意義

行政書士は、開示請求書や審査請求書など、官公署に提出する書類の作成をサポートすることができます。 不開示決定に納得できない場合には、決定通知書の内容を確認し、不開示理由の整理、反論の方向性、審査請求書の文案作成などを検討します。

ただし、裁判手続や相手方との法的紛争代理については、弁護士の業務範囲となります。 当事務所では、行政書士として対応可能な範囲で、書類作成を中心にサポートいたします。

行政開示請求を行政書士に依頼するメリット

行政開示請求は自分で行うこともできます。しかし、どの資料を、どの機関に、どのような表現で請求するかによって、取得できる資料の範囲が変わることがあります。

取得したい文書を正確に特定できる

行政文書は、正式名称がわからないことも少なくありません。行政書士に相談することで、取得したい情報の目的から逆算し、請求すべき資料を整理しやすくなります。

請求書作成をサポートできる

開示請求書では、「何を知りたいか」ではなく、「どの文書の開示を求めるか」をできるだけ具体的に記載することが重要です。行政書士は、行政手続に関する書類作成の専門家として、請求書作成をサポートできます。

取得資料の整理・分析に役立つ

開示された資料は、枚数が多かったり、専門用語が多かったりすることがあります。行政書士に相談することで、取得資料を整理し、次にどのような手続が必要かを検討しやすくなります。

他の手続につなげやすい

行政開示請求で取得した資料は、相続手続、許認可手続、内容証明、契約書作成、行政手続の確認など、他の業務に活用できる場合があります。

なお、相手方との紛争交渉、損害賠償請求、裁判対応などは弁護士の業務となります。行政書士に依頼できる範囲を確認しながら進めることが大切です。

行政開示請求に関するよくある質問

行政開示請求は誰でもできますか?

情報公開請求は、原則として誰でも利用できる制度です。ただし、保有個人情報の開示請求は、本人や代理人など請求できる人が限定されます。

市役所の資料も開示請求できますか?

市役所が保有している行政文書については、各自治体の情報公開条例に基づき開示請求できる場合があります。

警察が持っている資料も開示請求できますか?

警察が保有する文書も対象になる場合がありますが、捜査、公共の安全、個人情報に関する部分は不開示となることがあります。

行政開示請求には費用がかかりますか?

請求手数料、コピー代、郵送費がかかる場合があります。自治体によって取扱いが異なるため、事前確認が必要です。

開示請求をすれば必ず資料を取得できますか?

必ず取得できるわけではありません。個人情報、営業秘密、行政運営に支障がある情報などは、不開示または部分開示となります。

黒塗りで開示されることはありますか?

あります。不開示情報に該当する部分だけを黒塗りにして、それ以外の部分を開示する「部分開示」となることがあります。

開示請求書には何を書けばよいですか?

請求者の情報、請求する文書の名称、内容、時期、担当部署などを記載します。文書を特定しやすいよう、できるだけ具体的に書くことが重要です。

開示決定までどのくらいかかりますか?

請求先の法令や条例により異なります。対象文書が多い場合や第三者への確認が必要な場合は、期間が延長されることがあります。

不開示決定に不服がある場合はどうすればよいですか?

審査請求を検討することがあります。ただし、期間制限があるため、不開示決定通知を受け取ったら早めに確認することが大切です。

行政書士に行政開示請求を依頼できますか?

行政書士は、行政機関に提出する書類の作成や手続の相談に対応できる場合があります。ただし、紛争交渉や裁判対応は弁護士の業務となります。

まとめ

行政開示請求は、行政機関や自治体が保有している行政文書、公文書、保有個人情報などを確認するための重要な制度です。

情報公開請求と個人情報開示請求では、対象となる情報や請求できる人が異なります。また、開示される情報には限界があり、個人情報や第三者の利益に関わる部分は不開示または部分開示となることがあります。

請求先や文書の特定に迷う場合、行政書士に相談することで、開示請求書の作成や取得資料の整理を進めやすくなります。

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