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2022.10.02

自筆証書遺言の作成風景

自筆証書遺言の作成風景

上記の写真は遺言者ご本人の作成風景を撮影させていただいたものです。(写真撮影、ホームページへの記載についてご本人様に了承済みです。)

9月の中旬に、遺言書を作成したいとご相談をいただきました。
初めに遺言書について打ち合わせを行うため、ご依頼者様と事務所近くのカフェで待ち合わせをしました。

ご依頼者様は自宅からカフェまで自転車で30分程度かけてこられており、とても健康な印象を受けました。また話を聞いていても遺言書の内容や残したい理由などもしっかりと答えられたので、問題なく遺言書が作成できると判断することができました。

遺言書の作成をサポートする場合、まず遺言者の話し方や健康状態について必ずチェックします。その理由は認知症等の症状がある方は、法律により遺言書を作成できないからです。外見は元気そうな方でも認知症の症状がある場合には遺言書が無効となるケースが多々あります。

カフェでは、遺言書を作りたい理由や財産を残したい相手について1時間程度ヒアリングを行いました。ヒアリングの中で遺言書の内容についてイメージしていくのですが、遺言書の作成をサポートするうえで遺言者にとって、どの遺言書が合っているかを判断することは非常に重要です。

判断の基準の一つとして、遺言者が遺言書を作成した後も、何度も確認し変更したい方なのか、それとも一度作成して亡くなるまで保管しておく方なのかといった点があります。私のこれまでの経験上、前者は高齢者(65歳以上)の中でも、60代から70代の方に多く、後者は、70代後半から80代の方に多い印象を受けます。

なぜ、遺言書の利用を検討する上で、遺言者が遺言書の作成後に変更が多いかどうかの確認をするのかというと、遺言書は一般的なものとして自筆証書遺言書と公正証書遺言書の2つがあり、両者金額が異なるからです。つまり、作成後の変更が多い場合には自筆証書遺言書(金額が安い)、変更が少ない場合には公正証書遺言書(金額が高い)をお勧めしております。

今回のヒアリングの中でご依頼者様は「私は、遺言書を何度も確認して変更したい。」とおっしゃっていたので、自筆証書遺言をお勧めしました。ただし、自筆証書遺言書をお勧めする上で伝えなくてはいけないことがあります。それは、自筆証書遺言書を作成した場合には遺言者の死後、検認手続(家庭裁判所で相続人が遺言書を開封し、内容を確認する手続)が必要なことです。検認手続は、手続を始めてから約3週間程度かかり、面倒なのでできるだけ避けたいところです。(公正証書遺言の場合には検認はいらないので)

そこで、自筆証書遺言書で検認手続がいらない便利な制度があります。それは「自筆証書遺言保管制度」というものです。こちらは自筆で書いた遺言書を遺言書保管所(法務局)に保管することができる制度であり、令和2年の7月から制度が始まりました。この制度では、遺言書保管所に事前に予約し、申請書類と自筆証書遺言書の保管を3,900円(印紙)を持参し、申請すると遺言書を保管することができます。この制度は自筆証書遺言書の作成者にとってはかなり良い制度であり、公正証書遺言書と違い手数料が格段に安いので、私が遺言者様に自筆証書遺言書を勧めるときは必ず保管制度の利用も一緒に勧めます。※1

公正証書遺言書の特徴
自筆証書遺言書保管制度の特徴

※1 行政書士は法務局への申請を代理もしくは法務局に提出する申請書等の作成を代理することはできません。(司法書士業務)

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