【実例】いじめを内容証明郵便で止める方法|各所に改善を求める流れ - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2026.02.02

【実例】いじめを内容証明郵便で止める方法|各所に改善を求める流れ

【実例】いじめを内容証明郵便で止める方法|各所に改善を求める流れ
行政書士が解説/全国対応

学校でのいじめが発覚したものの、学校が十分に対応しない・加害者側が否定する・教育委員会に相談しても動きが鈍いこのようなケースは決して珍しくありません。そのような状況で有効なのが、内容証明郵便による「いじめ改善要求書」です。
本記事では、行政書士の立場から、いじめの種類、相談先、改善しない場合の具体的対処法、実際の解決事例、損害賠償・刑事告訴までを詳しく解説します。

いじめは絶対に許されない行為です
いじめられる側に原因は決してありません

いじめの主な種類と特徴

文部科学省の定義では、いじめとは「児童生徒が一定の人間関係のある者から心理的又は物理的な攻撃を受け、精神的な苦痛を感じているもの」とされています。重要なのは、被害者本人が苦痛を感じているかどうかであり、加害者の意図(冗談のつもり等)や軽重(一度きり・些細に見える行為等)だけで「いじめではない」と判断しない点です。

実務ポイント:いじめは単発でも成立し得ますが、現場では複数の類型が同時に起き、継続・反復で深刻化します。「暴力がない=軽い」とは限りません。

実務上、いじめは主に次の類型に整理できます。見落としを防ぐため、各類型の「典型例」を短くまとめます。

身体的いじめ

暴行や物理的威圧が中心。軽く見える行為でも反復で深刻化します。

  • 殴る・蹴る・突き飛ばす・物を投げる
  • 腕を引っ張る/通路でわざとぶつかる
  • 物理的に囲む/行動を妨げる
  • 衣服を引っ張る/上履きを隠す等の反復
言葉によるいじめ

目に見えにくいが精神的負担が大きい。大人のいない場面で継続しがちです。

  • 暴言・侮辱・人格否定
  • 脅迫的発言(例:言うこと聞け等)
  • 容姿いじり・差別的発言
  • 「死ね」「消えろ」等の発言
無視・仲間外れ

静かに進行し第三者が気づきにくい類型。孤立が長期化しやすいです。

  • 集団での排除/意図的な孤立化
  • 席替えで孤立させる/話に入れない
  • 係・班活動で役割を与えない
  • グループLINEから外す(併発しやすい)
SNS・ネットいじめ

証拠が残りやすい一方で、短時間で拡散し被害が拡大しやすい特徴があります。

  • 誹謗中傷/晒し/なりすまし
  • 裏アカ投稿/スクショ拡散
  • グループからの排除
  • 匿名アプリでの攻撃等
金銭・物品に関するいじめ

金銭が絡むと犯罪性が問題になることも。記録(写真・金額)を必ず残します。

  • 金銭要求/奢らせる/課金強要
  • 持ち物の破壊・隠匿・窃取
  • 文房具を意図的に壊す
  • 制服・体操服を汚す等
見落とし防止の観点

行為だけでなく「生活への影響」も同時に確認すると整理が速いです。

  • 欠席・遅刻・早退の増加
  • 腹痛・頭痛・不眠・不安等の症状
  • 成績低下/食欲低下/無気力
  • 不登校・転校検討に至ることも

「子ども同士の些細なトラブル」として放置されがちですが、継続性・反復性があれば、学校の安全配慮義務監督上の責任が問題となる可能性があります。

いじめの相談先と初動対応

いじめの初期相談先として担任・教育委員会・警察を示したイメージ画像
いじめは初動の対応が大切です

いじめを把握した初期段階での対応は、その後の結果を大きく左右します。感情的に動くのではなく、証拠を確保し、段階的に対応することが重要です。特に「学校に言えば何とかなるだろう」と期待して動いたものの、学校側が“様子見”に終始し、被害が長期化してしまうケースは少なくありません。初動で大切なのは、①被害を止めるための働きかけ(相談・要求)と、②将来の紛争に備えた証拠化(記録・資料化)を同時に進めることです。

初動の結論:「誰に」「何を」「いつ伝えたか」を残しながら動くことが、学校・教育委員会・加害者側の対応を変える最短ルートです。口頭のやり取りだけだと、後から“言った・言わない”になりやすく、対応が先送りされがちです。

主な相談先

学校(担任→学年主任→校長)

最初の窓口。面談は記録し、要点をメール等で確認するのが有効。

教育委員会

学校が動かない・説明が曖昧な場合の上位機関。相談内容を整理して伝える。

警察

暴行・傷害・脅迫・恐喝など犯罪性がある場合。証拠の提示が重要。

相談先は一つに限定する必要はありません。実務的には、学校に段階を踏んで要求しつつ、状況に応じて教育委員会・警察へ並行相談する方が、対応が早くなることが多いです。特に、暴力や金銭要求がある場合は「学校内の問題」に留まらないため、早期に外部機関へ相談する判断も重要です。

初動対応の流れ

  1. まずは被害の全体像を整理
    いつから/誰に/どこで/何をされたか(言動・SNS・物損・金銭要求)を時系列にまとめます。子どもの記憶は揺れやすいので、早い段階で「出来事のメモ」を作るのが有効です。
  2. 証拠を確保(保存→バックアップ)
    LINE・SNSのスクショは日時が分かる形で保存し、できればクラウドや外部メディアへ二重保存します。物損は写真(破損箇所が分かる角度)を撮り、レシートや購入履歴があれば合わせて保管します。
  3. 学校へ相談(記録を残す形で)
    口頭面談だけで終わらせず、面談後に「本日の確認事項」としてメール等で要点を送っておくと、後から争いになりにくくなります(例:調査予定、加害者への指導、席替え・見守り体制、再発防止策、回答期限)。
  4. 学校の対応が曖昧なら段階を上げる
    担任で止まる場合は学年主任、次に校長へ。責任者が上がるほど、学校は“組織対応”になりやすく、記録・回答が出やすくなります。
  5. 改善が見られない場合は教育委員会へ
    「学校にいつ何を相談し、どう回答され、何が未実施なのか」を整理して伝えると、教育委員会側も動きやすくなります。ここで内容が整理されていないと、単なる苦情扱いになりやすい点に注意が必要です。

初期段階で必ず行うべきこと(証拠化チェックリスト)

  • 面談内容を日時・発言者・内容ごとにメモ(可能なら面談後に要点をメールで送る)
  • LINE・SNS・メールのスクリーンショットを保存(日時が分かる画面、相手アカウント情報も含める)
  • 被害状況を日記形式で記録(出来事・場所・時間・周囲の反応・帰宅後の様子まで)
  • 可能であれば早期に医療機関を受診(不眠・腹痛・頭痛・不安・抑うつ等がある場合)
  • 物損・金銭被害は写真+金額の裏付け(破損写真、購入履歴、レシート、通帳記録等)
後から「言った・言わない」の争いになることが非常に多いため、証拠の蓄積は最優先事項です。特に学校側は「把握していない」「確認できない」と説明することがありますが、記録が揃っていれば、事実確認と対応の前提が崩れにくくなります。
初動のNG例(やりがち注意):①証拠がないまま強い断定をしてしまう(反発・否認を招きやすい)②感情的な文言でSNS投稿や連絡をしてしまう(名誉毀損等のリスク)③学校とのやり取りを口頭だけで済ませる(後から争いになる)④加害者側へ直接対立し、トラブルが拡大する(特に保護者同士の衝突)。必要に応じて、行政書士等を介して文書で整理して進めるのが安全です。

次章では、学校や教育委員会に相談しても改善しない場合に、内容証明郵便(いじめ改善要求書)を用いて「正式に」「証拠として残る形」で対応を促す方法を具体的に解説します。特に、教育委員会が動かない/学校が回答を出さないケースでは、文書の出し方と期限設定が重要になります。

行政書士によるいじめ改善サポート

当事務所では、学校・教育委員会・加害者・加害者の親に対する 内容証明郵便によるいじめ改善要求書の作成および送付を全国対応でサポートしています。

※本記事の無断転載・複製・AI学習利用を禁止します。

いじめが改善しない場合|内容証明郵便(いじめ改善要求書)という選択

学校へ相談しても「様子を見る」「双方に注意した」で終わる、加害者側が否認する、教育委員会へ相談しても動きが遅い――このような場合、内容証明郵便で「いじめ改善要求書」を送付することで、事実関係と要請事項を正式な文書として残し、学校・加害者側の対応を前へ進めることができます。内容証明郵便は「送った内容」と「送った日」を郵便局が証明する制度であり、後から『そんな話は聞いていない』『そのような要求はされていない』という主張をされにくくなる点が最大の強みです。

内容証明郵便が効く理由:①学校側が“組織対応”に切り替えざるを得ない(校長・管理職・事務局が関与しやすい)②要請事項と期限が明確になり先送りを防げる③紛争化した際に「事前に是正を求めた証拠」として機能する――この3点です。

内容証明郵便は「誰に」送るべきか

学校(校長宛)

安全配慮・調査・再発防止の実施を求める。回答期限を設定し、文書回答を要求するのが実務的に有効です。

加害者の親(監督者)

いじめ行為の中止・再発防止・接触停止を求める。学校を通じた指導だけで止まらない場合に検討します。

教育委員会(同報)

学校が動かない・回答が曖昧な場合に、上位機関へ状況を共有し是正を促す。学校宛の内容証明に同報する形も有効です。

実務上は、学校(校長)宛てを主軸にしつつ、状況に応じて加害者の親教育委員会を組み合わせます。暴行・恐喝等の犯罪性がある場合は、内容証明と並行して警察相談も視野に入れます(証拠の提示が重要です)。

内容証明郵便に書くべき「核心」

①事実関係(時系列)

いつから/どこで/誰が/何をしたか。主観ではなく“出来事”として整理します。

②被害の影響

不登校、欠席、体調不良、不眠、不安等。診断書があれば客観性が大きく上がります。

③要請事項+期限

何をしてほしいかを箇条書きで明確化。回答期限を設定し、文書回答を求めます。

注意:内容証明は“圧をかける手紙”ではありません。感情的・攻撃的な表現、断定しすぎる表現、相手を社会的に貶める表現は、反発や紛争の長期化を招きます。行政書士としては、事実の整理と適法な要請に徹し、必要な範囲で法的リスクを示す構成が安全です。

学校宛て(校長宛)に入れる「要請事項」テンプレ

  • 事実調査の実施(関係生徒・教員への聴取、記録化、必要に応じ第三者の関与)
  • 被害生徒の安全確保(見守り体制、席・班の調整、登下校・休み時間の配慮)
  • 加害行為の中止と再発防止策(具体策の提示、教員間の情報共有)
  • 保護者への説明・連絡体制(窓口、頻度、緊急時対応)
  • 文書による回答(調査結果・措置内容・実施時期を明記)
  • 回答期限の設定(例:到達後〇日以内)

加害者の親宛てに入れる「要請事項」テンプレ

  • いじめ行為の中止(直接接触、SNS接触、からかい・排除等一切を含む)
  • 再発防止の具体策(家庭内での指導、学校との連携、必要に応じ誓約)
  • SNS投稿・拡散の停止(削除・再投稿禁止を含む)
  • 被害者側への接触禁止(本人・保護者・第三者経由も含める)
  • 文書での回答(認識・対応・再発防止策)
教育委員会を絡めるコツ:教育委員会へは「学校にいつ何を求め、何が未実施か」を簡潔に示すと、単なる苦情ではなく“是正要請”として扱われやすくなります。学校宛の内容証明を同報(写し送付)する形も有効です。

送付までの流れ(行政書士サポートの実務手順)

  1. ヒアリング・証拠整理
    出来事を時系列で整理し、スクショ・写真・学校とのやり取り・出欠状況・医療記録等を確認します。
  2. 文書構成の設計
    学校向け/加害者親向け/教育委員会同報の要否を整理し、要請事項・期限・回答方法(文書回答)を設計します。
  3. 内容証明郵便原稿の作成
    感情的表現を避け、事実と要請を明確化。誹謗中傷・脅迫に当たらないよう法的観点でチェックします。
  4. 発送(内容証明+配達証明推奨)
    到達日が重要なため、配達証明も付けると「いつ届いたか」まで明確になります。
  5. 回答の受領・次手の判断
    学校からの回答書面や面談結果を踏まえ、改善が見られない場合は追加書面、教育委員会対応、弁護士相談、警察相談など次の一手を検討します。
よくある失敗:①期限や要求が曖昧で“様子見”に戻される②学校宛てが担任止まりで組織対応にならない③加害者側に直接強い断定をして反発を招く④SNSで拡散して名誉毀損等の別リスクが生じる。内容証明は「冷静に、しかし逃げ道を塞ぐ設計」が重要です。

次章では、当事務所が実際に対応し、学校から文書回答を得て改善につながった事例や、診断書が決定打になった事例など、具体的な改善事例を紹介します。内容証明郵便は“送ること”が目的ではなく、改善を引き出すための設計こそが成果を左右します。

当事務所が対応したいじめ改善事例(文書化で「動く」状態をつくる)

内容証明郵便は、単に「強く言う」ためのものではなく、事実関係を整理し、学校・加害者側が“組織として動かざるを得ない状態”を作るための手段です。当事務所では、学校・教育委員会・加害者の親へ向けた文書設計を行い、回答期限と要請事項を明確にすることで、改善へつなげるサポートを行っています。ここでは、実務で効果が出やすい代表的なパターンを紹介します(個人情報保護のため、内容は特定されない範囲で一部抽象化しています)。

この章の要点

①学校の回答は「公印付き文書」で残す ②診断書で被害の客観性を固める ③内容証明は期限と要請事項の設計が肝

狙い

“口頭ベースの先送り”を止め、記録と責任の所在を明確化して、再発防止策を具体化すること

成果の形

学校からの正式回答(公印付き)/見守り体制・席替え等の具体策/加害側の接触停止・再発防止

① 学校からの正式な回答書面を獲得(公印付きで“公式記録”に)

学校からの回答書面 イメージ
内容証明郵便送付後、学校から文書による回答がなされた事例(画像は実物を一部編集しております)

保護者が担任へ相談しても「注意した」「様子を見る」といった口頭対応に留まり、具体策や期限が示されないケースがあります。当事務所では、出来事の時系列、学校側に求める措置(見守り体制・席配置・指導内容・再発防止策・連絡体制)、回答期限を整理し、校長宛てに内容証明郵便を送付しました。その結果、学校側が調査と対応を進め、再発防止策を明記した回答書面が交付されました。

ポイント:学校の文書には「公印(学校長印等)」をもらう
学校から受領する回答書面・報告書・指導計画などは、可能な限り公印(公文書としての押印)がある形で受け取ってください。公印があると、後日「それは正式文書ではない」「担当者の私見だ」といった言い逃れが起きにくくなり、教育委員会・弁護士・警察へ相談する際にも証拠としての説得力が上がります。逆に、メールや口頭説明のみだと記録が散逸しやすく、引継ぎ(担任変更・管理職変更)で対応が後退することがあります。
よくある落とし穴:「口頭では対応すると言った」「電話で説明を受けた」だけで安心してしまい、その後うやむやになるケースです。重要な点は文書化し、できれば公印付きで残すのが安全です。

② 診断書が決定打になった事例(“被害の客観性”が交渉力を変える)

診断書 イメージ
診断書は精神的苦痛・体調不良の客観的証拠となります(画像は実物を一部編集しております)

いじめ被害では、外傷がなくても、不眠・食欲低下・腹痛・頭痛・不安・抑うつなどの症状が出ることがあります。この場合、学校側が「家庭の問題では」「思春期だから」などと捉え、因果関係が曖昧にされるケースも見受けられます。そこで有効なのが、医療機関(小児科・心療内科・精神科等)を受診し、必要に応じて診断書を取得しておくことです。

診断書が強い理由

「被害の存在」を第三者(医師)が裏付けるため、学校・加害側の“軽視”が通りにくくなる

何が書かれると有利?

症状(不眠・不安等)/受診日/通院見込み/生活への支障(登校困難等)が明示されると整理しやすい

紛争化した場合にも有効

教育委員会対応、弁護士相談、損害賠償(慰謝料・治療費)検討の際に、因果関係の資料になる

診断書は「今すぐ請求するため」だけではありません。
診断書の価値は、損害賠償以前に、学校の対応を“本気モード”に切り替える点にもあります。早期に取得しておけば、後から「いつから症状があったのか」を証明しやすくなり、記録としての連続性も担保できます(後日になってからの受診は、因果関係を争われやすいことがあります)。

③ 内容証明郵便の見本(構成が成果を左右する)

内容証明郵便 見本
いじめ改善要求書の構成例(イメージ)

内容証明郵便は、長文で感情をぶつけるほど効果が出るものではありません。成果を分けるのは、①事実の整理(時系列)②被害の影響(登校状況・診断書等)③要請事項(具体策)④期限と回答方法(文書回答)を、読み手(学校・管理職・教育委員会・加害者の親)が理解しやすい形に落とし込めているかです。当事務所では、相手方が“動ける形”に要請を設計し、必要に応じて教育委員会への同報(写し送付)も含め、改善へつなげます。

注意:事実の裏付けが弱いまま断定すると、相手方が防御姿勢になり、調査や是正が遅れることがあります。証拠・記録・診断書・学校文書(公印付き)を組み合わせ、冷静に組み立てることが重要です。

次章では、いじめによる損害(治療費・慰謝料等)について、損害賠償を求める場合(弁護士対応)の考え方と、内容証明郵便が前段階としてどのように機能するかを解説します。

いじめで損害賠償を求める場合(慰謝料・治療費など)

いじめによって精神的苦痛や治療費、通院交通費、不登校に伴う学習機会の喪失などの損害が生じた場合、加害者本人加害者の親(監督義務者)に対して損害賠償請求を行うことが検討されます。特に未成年者によるいじめでは、民法上、加害者本人だけでなく、親権者等の監督義務が問題となるケースが多く見られます。

押さえるべき基本:損害賠償は「感情論」ではなく、①違法な行為(いじめ)②損害の発生(精神的苦痛・治療費等)③行為と損害の因果関係、の3点を証拠で積み上げていく手続です。

この段階では、弁護士への依頼が必要となりますが、実務上、いきなり訴訟に進むケースは多くありません。まずは事実関係と証拠を整理し、任意交渉や示談を目指すのが一般的であり、その前段階の準備資料として、内容証明郵便が重要な役割を果たします。

請求の対象になり得るもの

慰謝料(精神的苦痛)、治療費・通院交通費、カウンセリング費用、不登校による付随損害など

証拠として重要な資料

診断書、通院記録、学校の公印付き文書、内容証明郵便、LINE・SNSのスクショ、被害メモ

内容証明の役割

事前に是正を求めた証拠として、交渉・訴訟の土台になる。請求額算定の前提整理にも有効

注意:証拠が不十分なまま高額な慰謝料を請求すると、相手方が全面的に争う姿勢に転じ、紛争が長期化するおそれがあります。診断書や学校の正式文書(公印付き)を整えたうえで、段階的に進めることが重要です。

行政書士は、損害賠償請求そのもの(交渉・訴訟)を代理することはできませんが、事前段階での事実整理・文書化・証拠構築を行うことで、弁護士へのスムーズな引継ぎをサポートします。次章では、いじめが刑事事件として扱われる場合について解説します。

いじめで刑事告訴を検討する場合(警察・検察の関与)

子供であっても暴力被害がある場合は警察に相談する重要性を伝えるイメージ画像
子供でも暴力があれば警察にいきましょう

いじめの内容が、暴行、傷害、脅迫、恐喝、強要、窃盗など刑法に該当する行為に及ぶ場合、被害者側として刑事告訴を検討することになります。学校内の出来事であっても、「教育上の問題」にとどまらず、犯罪として扱われる可能性がある点は重要です。

刑事事件になる典型例:殴る・蹴るなどで怪我を負わせた/金銭を要求・奪取した/脅し文句で従わせた/SNSで脅迫的投稿を行った等

刑事告訴において最も重視されるのは、客観的証拠です。感情的な訴えだけでは受理されにくく、被害の内容・日時・場所・加害者・証拠が整理されているかが判断を左右します。そのため、学校対応や民事対応と並行して、証拠の整理が極めて重要になります。

告訴に有効な証拠

診断書(怪我・精神的症状)、写真、LINE・SNS記録、金銭のやり取り、学校の公印付き文書

行政書士の役割

告訴状の文案作成、事実関係の整理、証拠の並び替えなど「書面」のサポート

弁護士の役割

代理人としての対応、検察対応、示談交渉、刑事手続全般の戦略立案

注意:刑事告訴は強い手段であり、学校・加害者側との関係が決定的に悪化する可能性があります。そのため、「被害を止めたい」「再発を防ぎたい」という目的とのバランスを考え、段階的に検討することが重要です。

実務上は、まず内容証明郵便で是正を求め、それでも改善が見られない、または被害が深刻な場合に、刑事告訴を検討する流れが多くなります。行政書士・弁護士それぞれの役割を理解し、状況に応じて適切な専門家を選択することが、被害回復への近道となります。

よくある質問(FAQ)

Q1 学校に内容証明郵便を送っても問題ありませんか?

法的に問題はありません。内容証明郵便は、学校に対して「正式に是正を求めた事実」を残すための手段です。感情的な表現や脅迫的な文言を避け、事実関係と要請事項を整理した内容であれば、正当な権利行使として扱われます。実務上も、内容証明をきっかけに学校が組織対応へ切り替わるケースは少なくありません。

Q2 教育委員会にも同時に送るべきですか?

学校の対応が遅い、説明が曖昧、再発防止策が示されない場合には有効です。学校宛ての内容証明郵便を主とし、その写しを教育委員会へ同報(共有)することで、学校単独ではなく上位機関を含めた対応を促す効果が期待できます。

Q3 加害者の親に送ることはできますか?

可能です。未成年者によるいじめの場合、親は監督義務者として責任を問われる立場にあります。学校の指導だけでは改善しない場合に、いじめ行為の中止、再発防止、被害者への接触禁止などを求める目的で送付するケースがあります。

Q4 匿名で送れますか?

原則としてできません。内容証明郵便は「誰が誰に対して意思表示をしたか」を証明する制度であるため、差出人の表示が必要です。ただし、代理人(行政書士等)名義で送付することで、当事者同士の直接的な対立を避ける配慮は可能です。

Q5 証拠が少なくても対応できますか?

整理の仕方次第で対応可能な場合があります。明確な証拠が揃っていなくても、被害の経緯を時系列で整理し、学校とのやり取り、被害状況の記録、生活への影響などをまとめることで、内容証明郵便として意味のある形に整えることができます。

Q6 診断書は必須ですか?

必須ではありませんが、非常に有力な資料です。診断書があることで、いじめと心身の不調との因果関係が客観的に示され、学校や加害者側の対応が変わることがあります。将来的に損害賠償や刑事手続きを検討する場合にも重要な証拠となります。

Q7 内容証明の費用はどのくらいですか?

事案の内容や文書量、送付先(学校のみ/加害者親・教育委員会を含むか)によって異なります。一般に、事実関係の整理や文書作成を含めて個別見積りとなりますが、初期相談の段階で目安を確認しておくと安心です。

Q8 送付後に不利益はありませんか?

適切な内容であれば、不利益を受けるものではありません。内容証明郵便は違法な行為ではなく、被害を受けた側が是正を求める正当な手段です。ただし、感情的・断定的な表現は避け、法的に整理された文面で送ることが重要です。

Q9 再発した場合はどうなりますか?

再発が確認された場合、追加の内容証明郵便、教育委員会への本格的な申入れ、弁護士を通じた損害賠償請求、事案によっては警察への相談など、次の段階の対応を検討します。初回の文書や証拠が、その後の対応の基礎になります。

Q10 行政書士に依頼するメリットは?

感情論に流されず、事実と要請事項を法的に整理した文書を作成できる点です。学校・教育委員会・加害者側が「対応せざるを得ない」形に整えることで、無用な対立を避けつつ、改善につなげる可能性を高めます。

行政書士によるいじめ改善サポート

当事務所では、学校・教育委員会・加害者・加害者の親に対する 内容証明郵便によるいじめ改善要求書の作成および送付を全国対応でサポートしています。

※本記事の無断転載・複製・AI学習利用を禁止します。

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