古物商として古美術品を扱うことは、伝統と革新が交じり合うとても魅力的なビジネスです。古美術品は単なる商品ではなく、歴史や文化を反映した貴重な宝物です。そのため、古美術品を扱う古物商は、文化の伝承者としての大切な役割を果たしています。
こちらの記事では、このような古美術品を扱った古物商について、古物商許可の申請や費用、流れ、ビジネスの運営方法、古物営業法などの法的な注意点などを詳しく解説していきます。
古美術品と古物商の関係
古物商の定義と概要
古物商とは、中古品や骨董品を取り扱い商売を行う者を意味します。
日本では、古物営業法に基づいて営業許可を取得した事業者を指します。古美術品を専門に扱う古物商は、「美術商」や「画廊」とも呼ばれます。
古物商が取り扱う古美術品の種類や特徴
古物商が取り扱う古美術品は多岐にわたります。主な種類としては以下のようなものがあります。
- 絵画:油彩画、水彩画、日本画など
- 彫刻:ブロンズ像、木彫、石彫など
- 工芸品:陶磁器、漆器、金工品など
- 書道作品:掛け軸など
- 版画:木版画、銅版画、リトグラフなど
- 写真:芸術写真、ヴィンテージ
これらの古美術品は、その希少性や歴史的価値、作者の知名度、保存状態などによって価格が大きく変動します。例えば、2023年3月にニューヨークのクリスティーズで行われたオークションで、280万ドル(約3億6000万円)で落札されました。この価格は、浮世絵としても葛飾北斎作品としても史上最高です。
古美術品を扱うために古物商許可を取るには
古美術品を扱うために古物商許可を取得するには、営業所を管轄する警察署を経由して都道府県公安委員会に申請する必要があります。
下記の書類を準備した上、適切な手順で進めましょう。
古物商許可で主に必要な書類(個人)
こちらは、個人で古物商許可を取得する場合の必要書類です。法人申請の場合には下記の書類に加えて法人の登記簿謄本、定款、役員全員の下記2から5の書類が必要となります。
- 申請書
- 住民票(本籍地入り)
- 身分証明書(後見と破産の項目)
- 略歴書
- 誓約書(個人、管理者)
- URLの使用証明書
- 賃貸物件契約書(又は使用承諾書)
古物商許可取得の流れ
- 必要書類の準備
古物商許可を申請するためには、前記の書類を準備する必要があります。まずはこれらの書類を準備しましょう。 - 申請書の作成
次に、古物商許可申請書を作成します。この申請書には「申請者の個人情報、営業所の所在地、取り扱う古物の種類」などを記入します。古美術品を扱う場合には、「美術品類」を主な区分として申請しましょう。 - 管轄の警察署への申請書類の提出
作成した申請書と必要書類を、営業所を管轄する警察署に提出します。申請前は事前連絡をしておきましょう。 - 警察による審査
申請後は、営業所や申請者の身分の調査が行われます。この審査では、申請者が古物商としての適性を持っているかどうか、営業所の設備や管理体制が適切であるかどうかが確認されます。 - 許可証の交付
審査が無事に通過すると、都道府県公安委員会から古物商許可証が交付されます。許可証が交付されることで、正式に古物商としての営業が可能となります。
これらのステップを経て、古物商として古美術品を取り扱うための許可を取得することができます。
古物商許可の取得費用
申請手数料:19,000円
行政書士に依頼する場合の費用:一般的に4 万円から5万円程度
古物商許可の注意点
- 申請書類の正確な記入と必要書類の漏れがないことを確認
- 営業所の要件を満たしていること
- 欠格事由(後見、破産、犯罪歴など)に該当しないこと
初めての方は、古物商許可の申請を行政書士に依頼することをお勧めします。行政書士に依頼することで、手続きが簡素化され、複雑な申請手続きから解放されて事業準備に専念できます。さらに、信頼できる行政書士事務所では、万が一許可が下りなかった場合の返金保証を提供していることもあり、安心して依頼できるメリットがあります。
ただし、行政書士を選ぶ際は、古物商許可専門の経験豊富な行政書士を選び、料金体系が明確で、できれば返金保証のある事務所を選ぶことが重要です。
【関連記事】 >古物商許可を個人事業主として取得する方法 >古物商を副業で取得するための手続ガイド |
古美術品のビジネス運営の方法
古美術品を古物商で扱う上で、仕入れ先や価格設定、販売場所を決めることはとても重要です。
下記でどのような方法を検討することができるかを説明させていただきました。
仕入れ先の確保
古美術品のビジネスを成功させるためには、信頼できる仕入れ先を確保することが重要です。主に以下の方法で仕入れを行います。
個人からの買取
古美術品を所有する個人から直接買い取る方法です。信頼関係を築くことで、希少な作品を入手できる可能性があります。
オークションハウスからの購入
世界中のオークションハウスで行われるオークションに参加し、希少価値の高い古美術品を購入します。事前に下調べを行った上で、予算内で購入できるよう計画することが重要です。
他の古物商や美術商からの仕入れ
同業者とのネットワークを活用して、古美術品を仕入れることも一つの方法です。協力関係を築くことで、相互に有益な取引が可能になります。
適正な価格設定
古美術品の価格設定は、作品の状態、希少性、作者の知名度を総合的に評価し、保存状態や修復の有無、作品の歴史的背景、作者の名声を踏まえた上で、同様の作品の過去の取引価格や市場トレンドを分析して適正価格を決定します。さらに、専門家による鑑定書や証明書があることで信頼性が高まり、それに応じて価格も上がることがあります。
販売方法
古美術品の販売方法は下記のとおり多岐にわたります。
実店舗での展示販売
実際に作品を手に取って見ることができる実店舗での販売は作品のリアルを伝えることができ有効です。
オンラインでの販売
インタネットを利用したオンラインギャラリは、全国の顧客がアクセスできる利点があります。ただし、実物が見れないので、高解像度の画像や詳細な説明を掲載することが重要です。
オクションへの出品
専門的なオクション(例ヤフオク等)に作品を出品し、高値での販売を目指します。オクションでの競り合いによって、作品の価値が一層高まることがあります。
【関連記事】 >メルカリで古物商を始める方法は?許可取得からURLの届出まで >古物商許可とヤフオクの使用URLについて |
法的規制への配慮
古美術品を扱う古物商は、以下の法的規制を配慮する必要があります。
古物営業法:古物商許可の取得、取引記録の保管、盗品等の売買防止が義務付けられています。
輸出入規制:特定の古美術品を国外へ持ち出す場合には、文化庁の許可が必要です。
古美術品ビジネスの運営は、法的規制や倫理的配慮を守りながら、適切な価格設定と販売方法を採用することが求められます。信頼性の高い仕入れ先の確保と、専門家の知識を活用した運営が、成功の鍵となります。
古美術品の売買には古物商許可が必須です-よくある質問
Q.古物商許可を取得するための基本的な条件は何ですか?
古物商許可を取得するには、住民票や身分証明書、申請書などの必要書類を揃え、警察署を通じて都道府県公安委員会に申請する必要があります。
Q.古物商許可を取得するための基本的な条件は何ですか?
古物商許可を取得するには、住民票や身分証明書、申請書などの必要書類を揃え、警察署を通じて都道府県公安委員会に申請する必要があります。
Q.古物商許可を取得するための費用はどのくらいですか?
申請手数料は19,000円です。行政書士に依頼する場合は、追加で4万円から5万円程度の費用がかかります。
Q.古物商として古美術品を扱う際の注意点は何ですか?
古物商許可を取得し、古物営業法を遵守することが重要です。また、作品の状態や希少性、作者の知名度を考慮して価格を設定することが重要です。
Q.古美術品の仕入れ先はどこから確保できますか?
個人からの買取、オークションハウスからの購入、他の古物商や美術商からの仕入れなどがあります。
Q.古美術品の価格設定のポイントは何ですか?
作品の状態、希少性、作者の知名度、保存状態、修復の有無、過去の取引価格や市場トレンドを考慮して適正価格を設定します。
Q.古物商許可を申請する手続きはどのように進めればよいですか?
必要書類を準備し、申請書を作成して警察署に提出します。審査が通過すると許可証が交付されます。
古美術品販売の古物商許可は
当事務所による代行サービスでは、古物商許可の取得に関する専門知識と豊富な経験を持ち、大阪、兵庫、奈良、京都などでの申請において確固たる実績を有しています。私たちのサービスは、お客様がスムーズに古物商許可を取得できるよう、手続き全般をお手伝いいたします。また、当サービスでは不許可の場合に備えて返金保証を提供しております。ただし、虚偽の情報提供による不許可の場合は返金保証外となりますので、正確な情報をご提供いただくようお願いいたします。安心してご利用いただけるよう、お客様のニーズに合わせた丁寧なサポートを心掛けております。
さらに、私たちのサービスは口コミで評価され、150件を超える口コミ数と総合評価4.9/5を誇っております。多くのお客様から高い評価をいただいていることからも、信頼と実績のあるサービスであることをご確認いただけます。どうぞ安心して、古物商許可の取得をお任せください。
手続きの流れ
- 問い合わせ
電話やメール(お問い合わせフォーム)で古物商許可を取得したい旨をお伝えください。急ぎの場合にはその旨も併せてお伝えください。 - 打ち合わせや契約
電話等でご依頼内容を確認し、御見積書や契約書を作成します。契約書の内容に承諾いただけましたら、電子又は郵送による方法でご契約いただきます。お支払は契約締結後5日以内にお振込みによる方法でお願いします。 - 申請書類の作成
お支払後、速やかに業務に取り掛かります。申請書の作成や必要書類の取得は概ね1週間程です。 - 警察署での打ち合わせと代理申請
必要な書類が全て揃いましたら、警察署との打ち合わせの上、申請を行います。申請は当事務所が代理で行いますので、ご依頼者様に同行いただく必要はありません。 - 許可証の取得
申請後概ね40日前後で許可証が発行されます。許可証の取得はご本人様のみの対応となりますので、ご協力をお願いします。
料金
サービス | 料金 | 概要 |
古物商許可(個人) | 40,000円(税込) | 古物商許可を個人で取得される方の代行料金です。 |
古物商許可(法人) | 50,000円(税込) | 古物商許可を法人で取得される方の代行料金です。 |
⑴書類作成のみ ⑵URL使用承諾書の取得 等 |
25,000円~ | 【全国対応】書類作成やURL使用承諾書を取得します。 |
実費 | ||
警察署手数料 | 19,000円(税込) | |
書類取得(個人) | 2,000円~ | |
書類取得(法人) | 3,000円~ |
※)法人申請で役員が複数名いる場合には、添付書類の手数料として1名あたり5,000円がかかります。(役員2名分までの添付書類取得料金は法人の料金に含まれています。)
ご利用いただくメリット
- 申請までの期間が早い
当代行サービスでは、迅速な対応を心掛けており、古物商許可の申請手続きを最短5日で完了させることが可能です。(書類の取得が必要な場合を除く。)この短期間での申請は、お客様が迅速にビジネスを始められるよう支援します。 - 丸投げで対応可能
当サービスでは、お客様に代わって古物商許可に必要な全ての書類作成や取得手続きを丸投げで行います。申請に必要な書類の作成はもちろん、関連する書類の収集などを含めサポートします。 - 相談は回数に限らず無料
古物商許可の取得に関する相談は、回数に制限を設けずに無料で受け付けています。申請手続きの進行状況や書類の準備、法律に関する疑問など、いつでも気軽にご質問ください。
お問い合わせ
お客様の声
当事務所は口コミで評価され、150件を超える口コミ数と総合評価4.9/5を誇っております。こちらからご確認いただけます。
古美術品の売買には古物商許可が必須です-まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました。こちらの記事では、古美術品の売買の際に必要となる古物商許可について必要な書類、手続の流れ、費用等を含め詳細を解説させていただきました。
- 古美術品と古物商の関係
- 古物商の定義と概要
- 古物商が取り扱う古美術品の種類や特徴
- 古美術品を扱うために古物商許可を取るには
- 古物商許可で主に必要な書類(個人)
- 古物商許可取得の流れ
- 古物商許可の取得費用
- 古物商許可の注意点
- 古美術品のビジネス運営の方法
- 仕入れ先の確保
- 適正な価格設定
- 販売方法
- 法的規制への配慮
- 古美術品の売買には古物商許可が必須です-よくある質問
- 古美術品販売の古物商許可は
- 手続きの流れ
- 料金
- ご利用いただくメリット
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