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2022.03.29

相続分は譲渡できるのか?

相続分は譲渡できるのか?

相続分とは、相続人が法律で定められた相続できる割合(法定相続分)をさします。この相続分を第三者に譲ることはできるのでしょうか?

結論は相続分は第三者に譲渡することできます。

これを相続分の譲渡と言い、譲渡の対象者は相続人に限られず、赤の他人でも譲り受けることが可能です。

また、相続分の譲渡はその全部を譲渡することも可能ですし、一部の財産を譲渡することも可能です。

相続分が譲渡できる根拠

相続分の譲渡は法律上認められているのでしょうか?実は、法律上に相続分の譲渡を直接認めた条文はありません。

しかし、民法905条1項に「共同相続人の1人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したとき」と定められていることから、相続分の譲渡は当然に認められているものと判断することができます。

相続分を譲渡するメリット

①譲渡の対価としてお金をすぐに得ることができる

遺言書がない相続は、遺産分割において相続人全員で遺産分割協議を行わなければいけません。つまり、遺産分割で相続財産を取得して利用できるまでに2,3か月ほどかかります。

しかし、相続分を譲渡した場合、譲渡する代わりに現金を払う約束を譲受人としておくと、相続分の譲渡後にすぐにお金を手にすることができます。

支払いなどで急ぎで現金が必要な場合などには相続分を譲渡するのも良いかもしれません。

②遺産分割協議に参加しなくてよい

前述したように、遺言書が無い相続は相続人間で遺産分割協議を行い、遺産の相続を決めなければなりません。しかし、相続分を譲渡すると譲渡人は今後の遺産分割協議に参加する義務がなくなるので、煩わしい相続トラブルから離脱することができます。

特に、相続人間の関係性が原因で、遺産分割協議に参加したくないと考える方は相続分を譲渡して代償金を受け取るのもよいでしょう。

相続分を譲渡するデメリット

①遺産分割協議でトラブルになることがある

相続分を譲渡することのデメリットとして考えられるのは、他人に相続分を譲渡した場合に遺産分割協議の際にトラブルになる可能性があることです。

ただし、共同相続人以外の第三者に相続分を譲渡した場合、共同相続人は譲渡を知ってから1か月以内に相続分の取戻しをすることができます。

たとえば、妻と子供2人が相続人になるケースで子供の1人が友達に相続分を譲渡した場合は残った妻と子供はその相続分を取戻すことができるということです。

民法905条(相続分の取戻権)

  1. 共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
  2. 前項の権利は、1箇月以内に行使しなければならない。

相続分譲渡のまとめ

相続分の譲渡は、相続人に限られず誰にでも行えます。ただし、相続人以外の人に譲渡した場合には、共同相続人が譲渡に生じた費用を譲受人に支払うことで相続分を取戻すことができます。

仮に相続人以外の、第三者に相続分を譲渡する場合には、そのことについても触れながら話合いを進めるとよいでしょう。

相続分の譲渡に関する解説は以上です。

相続に関する相談は弁護士、司法書士、行政書士等の専門家にご相談ください。

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