ゆうちょ銀行で相続手続き/委任状の書き方と注意点 - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2025.10.10

ゆうちょ銀行で相続手続き/委任状の書き方と注意点

ゆうちょ銀行で相続手続き/委任状の書き方と注意点
目次

    相続手続きでは、代理人に手続きを依頼する際に委任状が必要となる場合があります。委任状とは、本来その手続きを行う権利を持つ人(相続人)が、代わりに手続きをしてもらう人(代理人)にその権限を与えるための書面です。ゆうちょ銀行の相続手続きでも、相続人本人以外の人が窓口で手続きを進める場合には委任状の提出が求められます​。

    例えば、遠方に住む相続人に代わって別のご家族が預金払戻しの手続きをする場合や、専門家(行政書士など)に相続手続きを代行依頼する場合には委任状が必要です。本記事では、ゆうちょ銀行の相続手続きで使用する委任状について、その役割や書き方、提出時の注意点を解説します。正しく委任状を活用すれば、ご本人が窓口に行けない状況でも手続きを進めることが可能です。

    高齢の方やお忙しい方でも安心して相続手続きを完了できるよう、専門家に依頼するメリットも併せて紹介します。

    委任状とは何?ゆうちょ銀行で必要になるケース

    委任状とは何?ゆうちょ銀行で必要になるケース

    委任状とは、自分以外の第三者に特定の手続きを代行してもらうために、その権限を委託する書面です。相続手続きでは、相続人全員の協力が必要なケースもありますが、現実には全員が揃って手続きを行うことが難しい場合があります。そこで、特定の相続人や専門家に代理人となってもらい、手続きを進めることができます。その際に必要となるのが委任状です。

    委任状の役割

    委任状は「私はこの人にこの手続きを任せます」という意思を示す公式な書類です。これによって、本来は相続人本人しかできない銀行手続きでも、代理人が代わりに行えるようになります。

    ゆうちょ銀行に限らず、多くの金融機関が相続手続きの場面で代理人による手続きを認めていますが、委任状の提出を条件としています。

    ゆうちょ銀行で委任状が必要な場合

    ゆうちょ銀行では、相続人以外の人が相続に関する手続きを行う場合に委任状の提出が求められます​。具体的には、相続人の代理として別の親族が窓口に行くケースや、相続手続き専門の行政書士などに手続きを依頼するケースです。逆に、相続人ご本人が直接ゆうちょ銀行に出向いて手続きを行う場合は委任状は不要です。

    代理人になれる人

    委任状によって代理人になれるのは、基本的に相続人の信頼できる人物であれば誰でも可能です。多くの場合、相続人の親族や配偶者、または相続手続きの専門家(行政書士や司法書士等)が代理人に選ばれます。

    ゆうちょ銀行において特別な資格が必要ということはありませんが、代理人は実際の手続きの際に本人確認書類の提示が求められるため、きちんと手続きを任せられる相手を選びましょう。

    ※相続人が未成年の場合は親権者(法定代理人)が代わって委任状を作成します。また、相続人に後見人等の法定代理人がいる場合も同様です。

    なお、相続人のうち一人を代表して手続きを任せる場合、他の相続人全員からその代表者宛ての委任状をもらう形となります。例えば、相続人が兄弟3人で長男が代表して手続きを行う場合、次男と三男の2名が長男宛てに委任状を作成し、長男は2通の委任状を持参して窓口で手続きを行います。(なお、手続自体は相続人が単独で可能ですが、払戻等は相続人全員の委任が必要となります。)

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    ゆうちょ銀行で相続手続き/委任状の入手方法と書き方

    ゆうちょ銀行の委任状の入手方法と書き方

    ゆうちょ銀行の相続手続きで使用する委任状は、所定の形式に沿って作成する必要があります。

    形式に則ったものであれば自作も可能ですが、ゆうちょ銀行が用意している書式を使うと確実です​。

    委任状用紙の入手

    ゆうちょ銀行では、窓口で委任状の用紙を受け取ることができます。また、ゆうちょ銀行公式サイトから委任状のPDFをダウンロードすることも可能です​。ダウンロードした様式をA4用紙に印刷すれば、自宅で事前に記入して用意できます。いずれの場合も無料で入手できますので、必要な枚数を準備しましょう。

    注意点

    委任状は通常の手続用と相続用の2種類があります。ネットでダウンロードする場合には「ゆうちょ銀行 委任状 相続用」などと検索してから取得することをお勧めします。

    ゆうちょ銀行の委任状(相続用)ダウンロードはこちら
    ゆうちょ銀行の委任状(相続払戻用)ダウンロードはこちら

    委任状に記載すべき項目

    委任状には、委任者(手続きを委任する相続人)の氏名・住所・連絡先そして代理をお願いする代理人の氏名・住所を記入します。また、委任する手続きの具体的内容も下記チェックリスト形式で記入します。なお、ゆうちょ銀行の委任状の書式はよく変更がされますので、上記内容(令和7年時点)と異なっている場合がありますこと予めご了承ください。

    ☐相続手続に関する書類の提出
    ☐相続手続完了後の書類等の受領
    ☐相続手続による払戻金の受領(払戻証書の換金、通常貯金への入金)
    ☐相続手続に関する不備返却書類の受領
    ☐相続手続に関する電話連絡
    ☐上記項目のすべて

    さらに、委任状には作成日の日付と、委任者の署名押印欄がありますので、忘れずに署名し、印鑑を押します。ゆうちょ銀行では代表相続人の実印を用いますので、印鑑証明書を添付しておきましょう。

    任せたい項目にチェックを入れ、項目にない依頼内容がある場合は余白に具体的に書き足します。すべてを任せたい場合は「上記項目のすべて」にチェックすることで一括して委任することも可能です​。

    なお、委任者・代理人それぞれの氏名や住所は、公的証明書類に記載されている表記と完全に一致させることが望ましいです。たとえば「株式会社」や「~番地」等の表記ゆれがあると、確認に時間がかかる場合がありますので注意しましょう。

    委任状の見本

    委任状の書式上のポイント

    ゆうちょ銀行指定の委任状書式には注意書きがあり、「委任者がすべて自筆で記入し、押印すること」、「文字が消えるボールペンの使用不可」などのルールが明示されています。

    用紙の余白部分などに訂正があると、無効と判断される場合もあるため、丁寧に記入することが大切です。記入例をよく確認し、項目の記入漏れや誤記入がないよう十分注意しましょう。

    また、委任状の作成年日は、実際に提出する直前の日付を記入するのが無難です。作成日から長期間が経過していると、窓口で再度意思確認を求められることがあります。

    私自身の経験ですが、以前、委任状を用いて手続を行った際、委任者様が分かりにくそうな箇所を私が代筆したところ、担当者から「委任者がすべて自筆で記入するよう定められています」と指摘され、その日のうちに手続が完了できなくなりそうになったことがありました。幸い、私は事前に別の払戻用委任状(本来はネット上で印刷できない書式)も持参していたため、そちらを使用して無事に当日中に手続を終えることができました。

    このように、ゆうちょ銀行の担当者によっては委任状の「本人自筆要件」を厳格に確認する場合があります。少しでも代筆や訂正が見られると受理を拒まれる可能性があるため、記入は必ず委任者本人が行い、訂正のないよう慎重に作成することが重要です。

    ゆうちょ銀行で相続手続き/委任状提出時の注意点

    ゆうちょ銀行で相続手続き/委任状提出時の注意点

    委任状を準備したら、実際に代理人がゆうちょ銀行窓口で手続きを行う際の注意点も確認しておきましょう。

    委任状が正しく作成されていても、提出時に不備や手続き上の確認事項があります。

    委任状は必ず委任者本人が自筆

    前述のとおり、委任状は委任者本人が全て自書する必要があります​。パソコンで作成した文書に署名捺印だけして提出するのは不可です。なお、委任状はコピーではなく原本を提出します。

    メールやFAXで事前提出した場合でも、正式手続きでは原本が必要となるため注意してください。ゆうちょ銀行では委任状の内容について厳格に確認します。第三者が代筆した形跡があると受け付けてもらえない可能性がありますので注意しましょう。

    代理人が持参すべきもの

    代理人として手続きを行う方は、本人確認書類(運転免許証など)と代理人自身の印鑑を持参します​。ゆうちょ銀行では、代理人が手続きを行う際に窓口で委任状と併せてそれらを確認します。また、必要に応じてゆうちょ銀行から委任者本人へ電話連絡が入り、委任の意思を確認される場合があります​。

    委任者と連絡が取れないと手続きを進められませんので、手続き中は委任者が連絡に出られるようにしておきましょう。なお、委任状によって代理人が払戻金を受け取る場合であっても、その預金の権利は相続人にあります。代理人に送金させる場合は、相続人間できちんと分配するよう信頼関係を保つことも大切です。

    なお、一度委任状を提出した後で「やはり自分で手続きしたい」といった場合は、早めにゆうちょ銀行に申し出てください。相続手続きが完了する前であれば、委任状を撤回し、ご本人が改めて手続きを行うこともできます。

    ゆうちょ銀行の相続を専門家に依頼するメリットと注意点

    委任状を活用すれば、相続人ご本人が窓口に行けない場合でも手続きを進めることが可能です。特に、相続人が高齢で移動が困難な場合や、多忙で平日に時間を取れない場合には、専門家に依頼することで大きなメリットがあります。

    遠隔地からでも手続き可能

    行政書士などの専門家に委任することで、相続人が遠方に住んでいてもゆうちょ銀行の手続きを進めることができます。例えば、ご実家のある地域のゆうちょ銀行での手続きを、離れた都市に住む相続人に代わって専門家が行うことも可能です。郵送やオンラインだけでは完結しないゆうちょ銀行の相続手続きでも、委任状があれば代理人が代わりに出向いて対応できます。

    手続きの手間とストレスを軽減

    相続手続きには戸籍収集や書類作成など多岐にわたる作業が伴います。専門家に依頼すれば、委任状さえ用意すれば煩雑な書類準備から金融機関とのやり取りまで代行してもらえます。特にゆうちょ銀行は手続きの流れが独特で、何度か足を運ぶ必要がありますが、その負担を大幅に減らすことができます​。書類の不備による差し戻しも防げるため、結果的にスムーズかつ確実に手続きを完了できるでしょう。

    安心感と確実性

    初めて相続手続きを経験する方にとって、委任状の書き方や銀行対応は不安がつきものです。経験豊富な専門家に任せることで、誤りのない委任状を作成し、銀行とのやり取りも適切に進めてもらえます。特にゆうちょ銀行のように手続きが煩雑なケースでは、プロのサポートによって安心感が得られます。「自分だけでは不安…」という場合は、無理をせず専門家への依頼を検討すると良いでしょう。

    ケース例

    長男のAさんは、他の相続人と遠方に住むためご自身でゆうちょ銀行の相続手続きを行うのが難しい状況でした。そこでAさんは行政書士に依頼することにし、相続確認表の作成や残高証明書の請求など一連の手続きを委任しました。

    Aさんは委任状を用意するだけで、あとの煩雑な手続きはすべて行政書士が代行。何度も郵便局に足を運ぶ必要もなく、短期間で相続手続きが完了しました。このように、委任状を活用して専門家に任せることで、ご自身の負担を大幅に軽減できるケースもあります。委任状を正しく活用し、必要に応じて専門家の手を借りることで、ゆうちょ銀行の相続手続きも円滑に進めることができます。以上、ゆうちょ銀行の相続手続きにおける委任状の書き方とポイントを解説しました。

    委任状を正しく活用することで、ご自身が動けない場合でも相続手続きを進めることが可能です。当事務所では、戸籍収集から書類作成、銀行への提出代行までトータルでサポートいたします。なお、ゆうちょ銀行以外の金融機関の相続手続きについてもご相談いただけます。

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    ゆうちょ銀行の相続手続きでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください

    ゆうちょ銀行の相続手続きでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください

    経験豊富な行政書士が丁寧にサポートいたします。電話やメールでのご相談も承っております。初回のご相談は無料ですので、お一人で悩まずにぜひご連絡ください。お待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。相続手続きでお悩みの方は、お気軽に専門家へご相談ください。ぜひ一度ご相談いただければ幸いです。よろしくお願いします。

    手続きの流れ

    1.ご連絡・ご相談
    まずは、お問い合わせフォームやお電話にて、ゆうちょ銀行の相続手続きに関するご依頼の概要やお悩みについてご連絡ください。お客様の相続状況やご希望をしっかり把握するため、いくつかのご質問をさせていただきます。相続に関わる情報や個人情報はデリケートな内容ですが、行政書士には厳格な守秘義務が課せられていますので、どうぞご安心ください。初めての方でも気軽にご相談いただけるよう、丁寧に対応いたします。

    2.お見積りとご契約
    ご相談内容をもとに、ゆうちょ銀行の相続手続きに適したサポート内容や必要な手続きをご提案いたします。費用や手続きにかかる期間、必要書類についても詳しくご説明しますので、ご不明な点があればこの段階でお気軽にお尋ねください。お見積りは通常、口頭でお伝えしますが、ご希望があれば書面(PDF)でもお送りします。お見積り内容にご納得いただけましたら、ご契約書を取り交わし、事前振込みをお願いしております。通常、契約締結後5日以内にお振込みをお願いしていますが、柔軟な対応も可能ですのでご相談ください。

    3.業務着手と追加情報の確認
    ご入金確認後、ゆうちょ銀行の相続手続きサポート業務に着手いたします。必要な情報を詳しくお伺いするため、追加の質問や書類の確認リストをお送りいたします。この段階での情報提供が迅速かつ正確であると、全体の手続きもスムーズに進行します。お客様のご負担を最小限にしつつ、必要な情報をしっかりと把握することで、確実なサポートを行います。

    4.手続きの遂行
    ご依頼内容に基づき、ゆうちょ銀行の相続手続きが迅速かつ確実に進むようサポートします。進行状況は随時ご報告いたしますので、手続きの進捗が気になる場合もご安心いただけます。取得する戸籍関係書類や手続きにかかる期間は案件ごとに異なりますが、可能な限り短期間での対応を心がけます。お急ぎの際は、事前にその旨をお伝えいただければ、対応可能な範囲でスケジュールを調整いたします。

    5.業務完了および書類のご郵送
    手続きが完了しましたら、速やかにご連絡を差し上げます。取得した戸籍謄本や必要な相続関連書類は、適切に梱包して指定のご住所へ郵送いたします。郵送時には追跡番号をお知らせし、確実にお手元に届くよう対応いたします。また、書類の確認方法や、今後のゆうちょ銀行での相続手続きに関するご質問にも丁寧にお答えいたします。

    以上が、ゆうちょ銀行の相続手続きサポートの流れとなります。初めての方でも安心してお任せいただけるよう、誠心誠意対応いたしますので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。

    料金

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    お客様の声

    2024年6月現在、当事務所には150件以上の口コミが寄せられており、その全体評価は「4.9/5」と非常に高いスコアを獲得しています。このスコアは、お客様からの信頼と満足の証であり、当事務所が提供するサービスに対する高い評価を示しています。ただし、すべての口コミが満足というわけではなく、一部には改善が必要とされる点もあります。特に、お客様からは相談しやすさや対応のスピードに関するフィードバックをいただいており、それらを踏まえて日々のサービス改善に取り組んでいます。

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