2022.08.01
契約書の袋とじの方法を画像付きで解説!
はじめに契約書を袋とじ(製本)する目的について説明したいと思います。実は契約書が2枚以上になる場合には袋とじは必ずしなければいけないと思っていらっしゃる方がいますが、そうではありません。契約書の袋とじについて、定められた法律は無いのでホッチキスで止めて渡すだけでもいいのです。
では、なぜ袋とじがなされるのでしょうか?
契約書を袋とじする意義
契約書の偽造・改竄を防ぐ
契約書を袋とじして渡すことで、複数の契約書の間に新たな契約書を付け加えられたりなどといったリスクを低減させることができます。
それでは、複数の契約書をホッチキスで止めればいいのでは?と思われた方もいらっしゃいますが、ホッチキスは取り外しが容易なうえ耐久性にも優れません。そのため、一般的に契約書が2枚以上になる場合には左端を2か所あるいは3か所ホッチキスで止めて、その上に製本テープを張るケースが多いです。
これらの結果として、契約書を改竄、偽造されるリスクを減らせるというわけです。
確かにホッチキスだけの契約書では容易に取り外しが可能ですから、書面の改竄がしやすそうですね。
はい。その通りで契約書に製本をしているだけで改竄のリスクは軽減する事が出来ます。
契約の相手方に誠実な印象を与えることができる
みなさんは下記の契約書のどちらを渡されたときに、相手に誠実性を感じますか?
ほとんどの方が「ホッチキスと製本テープ」の契約書の方に誠実性を感じるとお答えされのではないでしょうか。契約書は相手との大切な取引を書面によって証明する大切なものです。金額が大きければ大きいほど、相手方はあなたが本当に信頼できる人物かを注意深く見定めるでしょう。
もし、貴方が提示した契約書が「ホッチキスのみ」で作成されたものだと、相手は貴方に対して不安な気持ちを抱くかもしれません。そのため、重要な契約書に限らず、契約書が複数に渡る場合には、できるだけ製本テープを使用する癖をつけることが大切と言えます。
契印が一つで済む
契約書が複数に渡る場合には、それらの契約書が一連のものであることを証明するために契印をする必要があります。
契印とは、契約書の改竄を防止する目的で、契約書が複数にわたる場合にそのつなぎ目押す印鑑のことです。契印をすることで、契約書の抜き取りや差し替えを防止することができます。
契約書が複数にわたる場合には、本来はそのページのつなぎ目毎にこの契印をする必要がありますが、製本にすることにより、表紙の製本テープの部分にのみと製本テープに契印をすることで、各ページのつなぎ目毎にする契印と同様の効果を実現させることができます。
これにより契印の作業を効率化することができますし、契印の押し忘れによるミスが生じることはありません。
※契約書の最後に記載する、当事者の認印・実印等と記名(署名)は必要です。
契約書の袋とじの方法
1.契約書の作成
まずは、契約書を作成します。契約書の作成例や記載内容については下記関連ページを参照にしてください。
【関連ページ】 ›契約書を記載例付きで解説
2.ホッチキスでとめる
複数枚の契約書をまずは、ホッチキスで左に2か所止めます。製本テープを使用する際は、契約書のずれがないように必ず先にホッチキスを止めるようにしましょう。
3.製本テープを準備する
ホッチキスで止めた後は、製本テープを準備します。製本テープはダイソー等の100円ショップでも購入可能ですし、今後たくさん使う予定の方はネットでまとめ買いするとよいでしょう。A4専用の製本テープ100枚入りですと、ネットだと500円~1000円程度で購入可能です。
4.製本テープを使用①
その後、製本テープを実際に貼っていくのですが、注意点をいくつか挙げておきます。
- 製本テープは片面ずつ剥がして、契約書の裏面とまず貼り付ける(画像2参照)
- 製本テープと契約書(裏面)を貼る際に正面から見て、少し銀色のテープ部分を見えるようにしておく(画像3参照)
5.製本テープを使用②
製本テープの片側を貼り付けたら、続いてもう片側も貼り付けます。貼り付けのポイントはテープをめくる前に折り目をつけておくことです。(画像1参照)折り目をつけることで、もう片側もきれいに貼り付けることができます。
折り目を付けたあと、テープをはがして表紙部分に貼り付けます。(画像3参照)
6.当事者の契印をする
製本が終わった後は、契約書の製本テープ部分に契印をして契約書は完成です。なお、契約書が印紙税の対象の場合には、表紙部分に印紙とそれぞれの当事者の消印をしましょう。
【関連ページ】 ›国税庁「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
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