2022.04.15
【解説】内容証明とは?書き方や効力について
内容証明とは
まず初めに内容証明の正式名称は「内容証明郵便」(以下「内容証明」という。)です。内容証明は郵便局で一定の手続を行って利用できる手紙の一種です。これを利用すれば、いつ、どのような内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、郵便局が証明します。
内容証明を送付する上で、相手に郵便物が配達された日が重要な意味を持つので、通常「配達証明」を付けて利用されます。
では、内容証明はいつ利用すればよいのでしょうか?
内容証明は、紛争が予想される事案を事前に防止したいときや一定の法律効果の発生の為に利用されます。
内容証明を利用すべきケース
◆債権譲渡を債務者に通知するとき
債権譲渡をする際には、民法上、債務者に対して通知を送るもしくは、債務者の承諾を得る必要があると定められています。この債権者から債務者へ債権譲渡の通知を送るときに内容証明によってされることが多いです。
◆債権を回収したいとき
債権を回収する場合でも、債務者が通知に対して言い逃れができないように、内容証明が利用されます。
◆契約を解除したいとき
契約を解除は口頭によって行うことができますが、契約解除の効果を巡って後に争いが起こる可能性があるので、契約の解除は内容証明によって行われることがあります。
◆時効を中断させるとき
内容証明によって相手方に催告を行い、6か月間は時効を完成しないようできます。
◆クーリングオフをするとき
訪問販売などで購入した商品をクーリングオフしたいときに内容証明によって行うことができます。
内容証明の効力
裁判で証拠になる
契約解除などで、相手方が応じない場合、最終的に裁判で決着をつけることになります。法廷では主張した内容を立証しなければなりません。内容証明を利用すれば、提出先の郵便局に通知した手紙の内容が記録されるので、裁判において証拠になります。
また、内容証明は支払いの督促でも利用できるので、回収努力をしてきたことを証明するための証拠にもなりえます。
行政書士から送ればプレッシャーを与えられる
内容証明に行政書士名・名前が記載されているだけで、相手側にとっては心理的にプレッシャーを与えることができます。
今までは、内容証明郵便は一切送っていなかったのに、急にこのような書面が届くと、相手は「裁判を起こされる」「支払いを逃れられない」という心理になるでしょう。
特に相手方が、企業であったりすると裁判を起こされることによる社会的信用の失墜を恐れて、すぐに支払いに応じてくれるケースが多いです。
内容証明の書き方
内容証明を利用するケースや効力を確認したので、それでは実際に作成しましょう。
⑴通知書を作成する
まず、通知書を作成します。内容証明で出す場合、様式が定められているので以下の要件にあった通知書を作成しなければいけません。
【縦書きの場合】
1行20字以内、1ページ26行以内
【横書きの場合】
1行20字以内、1ページ26行以内
1行13字以内、1ページ40行以内
1行26字以内、1ページ20行以内
【通知書の例】
通知書
当社は、貴殿に対し、後記表示の貸金債権
を有しておりますが、令和○年○月○日に、
後記債権を株式会社○○に譲渡しましたので
、その旨を通知致します。
今後のお支払いやお問い合わせは、後記
表示の株式会社○○にお願い致します。
以上通知致します。
記
(債権の表示)
当社が貴殿に対して令和○年○月○日付金銭
消費貸借契約に基づき貸し付けた金500万
円の貸金債権
(債権譲渡人の表示)
譲受人 株式会社○○
代表取締役 ○○
担当 ○○
住所 大阪市○○区○○丁目○番○号
電話 000-0000‐0000
FAX 000-0000‐0000
振込口座 ○○銀行○○支店
普通 1234567
株式会社○○
以上
⑵内容証明郵便を作成する
内容証明を作成するにあたり、用紙に指定はありません。しかし、郵送用、控え、郵便局の控えの計算3枚の文書を用意する必要があります。
文書が2枚以上の場合は、下記のように綴じ目に契印をしなければなりません。
⑶郵送する
内容証明は、全ての郵便局で利用できるわけではありません。地方郵政局長から指定された集配郵便局で利用することができるので、詳しくは郵便局のホームページにて確認しましょう。
料金
内容証明を利用するには、郵送料(82円)、内容証明料(430円)、書留料(430円)、配達証明料(310円)をつけるのが一般的なので、最低1,252円が必要です。
郵送する文書が2枚以上になる場合は、1枚追加につき260円が別途でかかります。
内容証明の作成でお困りの方はこちら
大倉行政書士事務所は内容証明作成業務も主要業務の1つとしています。内容証明に関してお困りの方はお気軽にご相談ください。内容証明の作成は全国で対応しています。