遺言書とエンディングノートの違い|相続トラブルを防ぐ書き方と使い分け - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2026.01.21

遺言書とエンディングノートの違い|相続トラブルを防ぐ書き方と使い分け

遺言書とエンディングノートの違い|相続トラブルを防ぐ書き方と使い分け
遺言書とエンディングノートの使い分け|生駒中心(奈良市・東大阪市・大阪市ほか)


将来の備えを考えて遺言書やエンディングノートを調べたものの何をどこまで書けばよいのか分からず手が止まってしまう方は少なくありません。大切なのは役割の違いを押さえて必要なことを無理なく整理することです。遺言書は民法で定められた遺言事項を残すための法的文書でありエンディングノートは生活情報や希望を自由にまとめて家族へ引き継ぐためのメモです。両方をうまく組み合わせれば相続の争いを防ぐだけでなく葬儀や医療の希望や各種口座やデジタル資産の管理まで家族の迷いと作業負担を大きく減らすことにつながります。

この記事のゴール:遺言書で決めることとエンディングノートで伝えることを整理し公正証書遺言(遺言公正証書)も含めてあなたに合う進め方を具体化します。
遺言書とエンディングノートのイメージ
※遺言書とエンディングノートの違い

1.遺言書とエンディングノート|まず結論「法的効力の有無」が最大の違い

「遺言書 エンディングノート」の違いはシンプルです。遺言書は法律上の効果を生む文書で、 エンディングノートは家族へのメッセージ・引継ぎのための自由なメモです。

遺言書

民法で定められた方式に従い作成。書ける内容(遺言事項)も原則として法律で決まる。相続や身分関係に法的効果が出る。

エンディングノート

形式自由。遺言書で書けない(または書きにくい)生活情報・希望・連絡先・デジタル情報などを残す。

ベストな答え

遺言書で「財産の帰属」を決め、エンディングノートで「実務の手掛かり」を渡すのが最もトラブルが少ない。

注意:エンディングノートは便利ですが、それ自体に遺言としての効力はありません。 「ノートに書いたから大丈夫」と思い込み、相続で揉めてしまうケースは少なくありません。

2.遺言書で書けること(遺言事項)|民法で決まっている範囲

遺言書は「最後の手紙」ではなく、法律上の効果を生む“ルールブック”です。 そのため、好きなことを何でも書けるわけではありません。遺言書で中心となるのは、 民法で認められた「遺言事項」(遺言で定められる事項)です。 実務では、遺言事項の中でも財産の帰属手続きを進める人の指定が特に重要になります。

なお、遺言事項に当たらない内容(例:葬儀の希望、介護の希望、家族へのメッセージ等)を書いても、 それ自体が“無意味”というわけではありませんが、相続の場面で法的に強制できるのは遺言事項です。 「家族に伝えたいこと」と「法律で決めるべきこと」を分けて整理すると、遺言書は一気に作りやすくなります。

2-1.財産の帰属(誰に何を相続させるか)

遺言書の中心は、財産を「誰に」「どのように」承継させるかです。 ここが曖昧だと、相続人全員での遺産分割協議が必要になり、意見が割れて長期化することがあります。 逆に、遺言で分け方が明確になっていれば、“話し合い”が“手続き”に変わり、争いの芽を小さくできます

  • 不動産(自宅・土地)を「妻に相続させる」
  • 預貯金を「子Aに◯◯円、子Bに◯◯円」
  • 株式・投資信託などの金融資産を「特定の相続人へ」
実務メモ: 不動産や預貯金は「どれのことか」が分かる書き方が重要です。 たとえば不動産なら登記簿どおりに特定し、預貯金なら金融機関名・支店名など、 後で第三者が読んでも迷わない情報を意識すると、相続手続きが止まりにくくなります。

2-2.遺言執行者の指定(手続きを“前に進める人”を決める)

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために手続きを行う担当者です。 相続では「誰が何をするか」が決まらないと、金融機関への手続きや書類収集が進まず、 相続人の負担・ストレスが増えやすいのが実情です。 遺言執行者を定めておくことで、窓口が一本化され、手続きの停滞を防ぎやすくなります。

たとえば、次のような場面で役に立ちます。

  • 預貯金の解約・名義変更など、金融機関での相続手続き
  • 不動産の名義変更(相続登記)に向けた書類の取りまとめ
  • 相続関係書類(戸籍等)の収集や、相続人への連絡調整
注意: 遺言執行者を指定しない場合でも手続きは可能ですが、相続人が複数いると 「誰が集める?」「誰が連絡する?」で止まりやすくなります。 特に、相続人間に温度差があるケースでは、遺言執行者の指定が“実務上の保険”になります。

2-3.身分関係に関する事項(ケースによるが、刺さると大きい)

遺言は財産だけでなく、身分関係に関する一部の事項も定められます。 ただし、ご家庭の状況により必要性は大きく変わります。 「うちは関係ない」と思っていても、家族構成や事情によっては検討すべき事項が出てきます。

  • 認知(婚外子等について、法律上の親子関係を確定させる)
  • 未成年後見人の指定(親が亡くなった後、未成年の子を誰が支えるかを定める)

身分関係の遺言事項は、条件が当てはまると非常に重要になります。 不安がある場合は、事情を整理したうえで、適切な方式(自筆か公正証書か)も含めて検討するのがおすすめです。

ポイント: 遺言書は「遺言事項(法的に効くこと)」を書いて、相続の結論を決める文書です。 一方、口座の暗証番号や株のログイン情報など、具体的なアクセス情報は遺言書に通常は書きません。 遺言書には「株式は妻へ」などの帰属を書き、実際に手続きするための 「証券会社名」「IDの保管場所」などは、エンディングノート(または別紙の管理)で引き継ぐと、 “相続は決まったのに手続きが進まない”を防げます。

3.エンディングノートで書くべきこと|遺言書では書きにくい“生活の情報”

エンディングノートの強みは、自由に、具体的に、生活に密着した情報を残せる点です。 遺言書では「株を妻へ」と書けても、実際の手続きでは「どこの証券会社か」「ログイン方法は何か」が分からず家族が困ります。 そこでエンディングノートに、次のような“実務情報”を整理しておくのが有効です。

3-1.金融・契約・デジタル資産の情報(家族が一番困るところ)

  • 銀行口座・証券口座・保険:金融機関名、支店、口座の有無、担当窓口
  • 株・投資:証券会社名、取引の有無、IDやパスワードの保管場所(※ノートに直書きせず、保管場所だけ書く運用も可)
  • サブスク:携帯、ネット回線、動画配信、クラウド、通販サイト等の契約一覧
  • ポイント・電子マネー:残高の有無、主なサービス名

3-2.医療・介護・緊急連絡先

  • かかりつけ医、服薬情報、アレルギー、既往歴(差し支えない範囲で)
  • 延命治療の希望、臓器提供の意思(希望がある場合)
  • 緊急連絡先、親族関係、友人・勤務先・自治会など

3-3.葬儀・お墓・相続後の段取り(希望や思い)

  • 葬儀の希望(家族葬、宗教形式、連絡してほしい人)
  • お墓・納骨の希望、菩提寺の有無
  • 遺品整理の方針(残したい物、処分してよい物)
セキュリティ注意:エンディングノートにID・パスワードを“そのまま”書くと紛失・盗難リスクがあります。 実務では、「保管場所(例:金庫・貸金庫・封筒)だけを記す」、または 「別紙にして封印し、保管場所をノートに書く」などの運用がよく使われます。

遺言書・遺言公正証書の作成サポート|まずは状況整理から

「遺言書を作るべき?」「エンディングノートに何を書けば?」の段階でも大丈夫です。 揉めやすいポイントを先に潰し、通る形に整えることを重視してご提案します。

※ご相談内容により、必要書類や進め方が異なります。初回は「家族構成・財産の種類・希望」を簡単に伺います。

4.よくある落とし穴|「書いたのに無効」「残したのに伝わらない」を防ぐ

遺言書の不備で頭を抱える相続人
※遺言書に不備があった場合の相続人の反応イメージ

遺言書やエンディングノートは、「書いた」という事実だけでは十分とは言えません。 実務では、形式・内容・保管方法のいずれかに問題があり、 「結局使えなかった」「かえって家族が混乱した」というケースが少なくありません。 ここでは、行政書士として相談を受けることが特に多い落とし穴を整理します。

4-1.自筆証書遺言の方式ミス(無効になる典型例)

自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、方式ミスによる無効リスクが常につきまといます。 実務では、「内容はもっともなのに、形式不備で使えない」という相談が後を絶ちません。

  • 全文・日付・氏名を自書していない(パソコン作成・日付が曖昧など)
  • 訂正方法が誤っている(二重線・押印・署名の欠落など)
  • 複数枚あるのに、ページの一体性が確認できない

インターネット上の雛形を参考にすること自体は悪くありませんが、 ご自身の財産・家族関係に合っていないまま使われているケースも多く見受けられます。 「書き直せばいい」と思って放置され、そのまま相続が発生してしまう点も要注意です。

注意: 自筆証書遺言は、作成時点では問題が見えにくく、 相続発生後に初めて“使えない”と分かるのが最大のリスクです。

4-2.財産の特定が曖昧(争い・手続き停止の原因)

遺言書で非常に多いのが、財産の書き方が抽象的すぎるケースです。 たとえば「自宅を妻に相続させる」とだけ書かれていると、 次のような問題が生じることがあります。

  • 自宅以外にも不動産があり、どれを指すのか分からない
  • 共有名義で、単独で相続できない
  • 預貯金が複数の金融機関に分かれている

この場合、遺言があっても金融機関や法務局で手続きが止まり、 結局は相続人全員での協議や追加書類が必要になります。 遺言書では、「第三者が見ても特定できる表現」を意識することが重要です。

実務ポイント: 不動産は登記簿、預貯金は金融機関名・支店名などを基準に、 「相続人が迷わず説明できるか」を基準に記載内容をチェックします。

4-3.エンディングノートが“見つからない・更新されていない”

エンディングノートは内容が自由な分、運用を誤ると効果がゼロになります。 実務では、次のようなケースがよくあります。

  • どこに保管しているか誰も知らず、相続後に発見されない
  • 古い情報のままで、口座や契約内容が実態と合っていない
  • IDやパスワードを書いたが、管理が甘くセキュリティ上の不安が残る

エンディングノートは「書いたら終わり」ではなく、 見つけてもらい、使ってもらう前提で設計する必要があります。 具体的には、保管場所を家族に伝える、年1回の見直し日を決める、 パスワードは「保管場所のみ記載する」などの工夫が有効です。

実務のコツ: 「遺言書は法的な柱」「エンディングノートは実務の地図」です。 どちらか一方だけだと、 ①相続が揉める/②手続きが進まない/③家族が疲弊する のいずれかが起きやすくなります。 両方を役割分担させて整えることが、結果的に家族を一番守ります。

5.自筆証書遺言と公正証書遺言の違い|おすすめの選び方

遺言書には複数の方式がありますが、相談が多いのは自筆証書遺言公正証書遺言(遺言公正証書)です。 どちらが正解というより、目的と状況で選びます。

自筆証書遺言

自分で作成。費用を抑えやすい一方、方式ミス・表現の曖昧さ・紛失リスクが課題。内容と保管の設計が重要。

公正証書遺言

公証役場で作成。方式面の安全性が高く、原本保管も安心。相続で揉めそう/不動産や再婚など事情がある場合に有力。

選び方の目安

争いの芽がある、財産が複雑、確実に通したい → 公正証書遺言。まず整えたい、状況がシンプル → 自筆+専門家チェック。

補足:公正証書遺言は「作った後が強い」方式です。相続開始後の手続きが止まりにくく、家族の負担軽減にも直結します。

6.遺言書×エンディングノートのセット運用|家族が助かる最短ルート

「遺言書 エンディングノート」を同時に整えるなら、次の手順が最短です。 先にノートで情報を棚卸しし、その上で遺言書に落とし込むと、漏れや矛盾が減ります。

  1. 財産の棚卸し(ノートに一覧化)

    不動産、預貯金、保険、株、借入、保証など「ある・ない」を見える化。家族が探せるヒントも残す。

  2. 誰に何を渡すか(遺言事項を整理)

    不公平感が出そうなポイント、特別受益・寄与なども含めて、現実的な着地点を検討する。

  3. 方式を決める(自筆 or 公正証書)

    確実性・費用・事情(家族関係、財産の複雑さ)で選択。迷う場合は公正証書遺言が無難になりやすい。

  4. ノートを「更新できる形」にする

    年1回の見直し日を決め、契約や口座が増えたら追記。保管場所と共有範囲を決める。

コツ:エンディングノートは「更新前提」、遺言書は「効力前提」。 役割が違うからこそ、セット運用が強いのです。

7.行政書士に依頼できること|遺言書・遺言公正証書の作成サポート

遺言は、家族関係・財産・想いが絡むため、テンプレだけでは整いにくい分野です。 行政書士としては、単に文章を作るだけでなく、争いを生みにくい設計方式ミスの回避手続きが進む書き方を重視してサポートします。

7-1.サポート内容の例

  • 財産の棚卸し支援(不動産・預貯金・保険・株などの整理)
  • 遺言事項の整理(誰に何を、どう書くと誤解が出ないか)
  • 自筆証書遺言の文案チェック・表現整備(方式・特定・整合性)
  • 公正証書遺言の作成支援(案文作成、公証役場との調整、必要書類の整理)
  • エンディングノートの設計(デジタル情報・保管方法・更新ルール)

7-2.対応エリア(キーワード)

生駒市を中心に、奈良県内および近隣地域のご相談に対応します。相続・遺言は「動けるうちに」整えるほど、 家族の負担が小さくなります。

  • 生駒市(生駒/東生駒/白庭台/学研北生駒 など)
  • 奈良市
  • 東大阪市
  • 大阪市
  • そのほか近隣エリアも状況により対応(まずはご相談ください)

よくある質問(FAQ)|遺言書 エンディングノート

Q1.エンディングノートを書けば、遺言書は不要ですか?

原則として不要にはなりません。エンディングノートは便利ですが、遺言としての法的効力はありません。 財産の帰属(誰に相続させるか)を確実に決めたい場合は、遺言書の作成をおすすめします。

Q2.遺言書には、株のログインIDやパスワードも書けますか?

書くこと自体は可能でも、紛失・盗難のリスクや、公開・閲覧の問題が生じやすく、通常は推奨しません。 「株は妻に相続させる」等は遺言書で決め、ID・パスワードなどのアクセス情報はエンディングノートで “保管場所”を伝える運用が現実的です。

Q3.自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらが安心ですか?

一般に「確実性」の観点では公正証書遺言が安心になりやすいです。方式面の安全性や原本保管の点で強みがあります。 一方で、状況が比較的シンプルなら自筆証書遺言+専門家チェックで整える選択肢もあります。

Q4.遺言書があれば、相続でもう揉めませんか?

遺言書は揉め事を減らす強力な手段ですが、内容が曖昧だったり、遺留分など別の論点があったりすると争いは起こり得ます。 「通る遺言」にするには、家族関係や財産状況を踏まえた設計が重要です。

Q5.エンディングノートはどこまで書けば十分ですか?

まずは「口座・保険・証券・借入」「連絡先」「葬儀・医療の希望」の3点から始めると進めやすいです。 重要なのは“完璧さ”よりも、家族が困る点を先に潰すことと、更新できる仕組みにすることです。

Q6.公正証書遺言を作るとき、家族に内容は知られますか?

作成時に証人が必要になるなど、手続き上の関係者は生じますが、内容を誰にどこまで共有するかは状況で調整します。 事情がある場合は、進め方を含めて個別に検討します。

Q7.生駒市以外(奈良市・東大阪市・大阪市)でも依頼できますか?

はい。生駒市を中心に、奈良市・東大阪市・大阪市など近隣エリアのご相談にも対応しています。 公証役場の選定や日程調整も含め、状況に合わせて進めますので、まずはご相談ください。

Q8.遺言書は一度作ったら、もう変更できませんか?

変更できます。家族構成や財産状況が変わることは珍しくありませんので、定期的な見直しが大切です。 エンディングノートは更新前提、遺言書は必要に応じて作り直す、という考え方が実務的です。

関連キーワード(検索・内部リンク用)

記事の回遊や内部リンク設計で使いやすいように、関連するキーワードをまとめます(地域キーワード含む)。

遺言・相続の基本

  • 遺言書
  • エンディングノート
  • 遺言書 エンディングノート 違い
  • 遺言事項
  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 遺言公正証書
  • 遺言執行者
  • 相続 手続き
  • 遺留分

実務・デジタル資産

  • デジタル遺産
  • 証券口座 ログインID
  • パスワード 管理
  • サブスク 解約
  • ネット銀行 口座
  • 終活 ノート

専門家・地域(生駒中心)

  • 行政書士 遺言書
  • 行政書士 公正証書遺言
  • 生駒市 遺言書
  • 奈良市 遺言書
  • 東大阪市 遺言書
  • 大阪市 遺言書
  • 生駒 遺言公正証書

遺言書・遺言公正証書の作成サポート|まずは状況整理から

「遺言書を作るべき?」「エンディングノートに何を書けば?」の段階でも大丈夫です。 揉めやすいポイントを先に潰し、通る形に整えることを重視してご提案します。

※ご相談内容により、必要書類や進め方が異なります。初回は「家族構成・財産の種類・希望」を簡単に伺います。

その他の関連記事