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公正証書の作り方は?作成の流れについて解説

公正証書、作り方内容証明・契約書等

公正証書とは何かをご存知でしょうか。皆さん、一度は耳にしたことがある言葉ではないかと思います。こちらのページでは、公正証書とは何か、どのように作成するのかについて解説いたします。

公正証書とは

公正証書とは簡単に言えば、公証人が作成する公的文書のことを指します。公正証書は誰にでも作成できるわけではなく、公証人のみ作成することができます。

そもそも公証人とは、公証役場で事実や権利に関する証明や認証を行う公務員のことをいいます。公証人は法務関係の職に長年勤めた者の中から公募に応じた者を法務大臣が任命して就職します。そのため基本的に年配の方が多く、そのほとんどが元々裁判官や検察官などの法律に関する職に長年ついていた方です。

藤川さん
藤川さん

公証人には法律のエリートが就職するんですね。そんな場所に行くなんてなんだか敷居が高いですね…

田中先生
田中先生

普段からよく行く場所ではありませんからね。ただ最初はそう思うかもしれませんが、慣れればなんてことありませんよ。

藤川さん
藤川さん

そうなんですね。でも日常で公正証書を作成する機会なんてなかなかないですよね。どういう時に公正証書を作るのでしょうか?

田中先生
田中先生

いい質問ですね。それではどういった書類を公正証書にできるのか、またはすべきなのかを見ていきましょう。

公正証書にできる書面とできない書面

公正証書にできる書面

公正証書はどんな書面であっても作成できるわけではありません。公正証書にできる書面とは本人(個人・法人)の権利義務に関する事項を定める内容でなければいけません。例えば、権利義務に関する事項の例として「不動産の売買、抵当権の設定、金銭の貸し借り、遺言書の作成、離婚の際の慰謝料や養育費等」が挙げられます。

【上記の例のような権利義務に関する事項を公正証書として作成する場合】

  • 不動産売買契約公正証書
  • 抵当権設定契約公正証書
  • 金銭消費貸借公正証書
  • 遺言公正証書
  • 離婚給付契約公正証書

公正証書は公証人にのみ作成権限があります。(公証人法第1条)しかし、上記で挙げたような契約は必ずしも公正証書によって作成される必要はありません。通常の契約書によって定めても有効です。しかし、契約の中には公正証書の作成が義務付けられているものもあります。

公正証書の作成を義務付けされているケース

下記であげる契約は公正証書によって作成することが義務付けられています。

1.任意後見契約

任意後見は、本人(被後見人)の財産の管理や法律行為を本人に代わって行うための契約です。この任意後見契約を行う場合には、公正証書による契約書の作成が義務づけられています。(任意後見契約法3条)

2.保証意思の確認

企業の経営者等が金融機関から融資を受ける場合には、保証人(連帯保証人)を定める必要があります。この保証人が個人である場合には、融資を受ける契約日の前1か月以内に保証人の保証する意思を確認するために公正証書を作成しなくてはいけません。この制度は令和2年の民法の改正によって定められた比較的に新しい制度です。(民法465条の6)

3.マンションの管理規約

マンションの管理規約は、原則としてマンションの区分所有者が集まる総会によって決定されます。しかし、マンションを最初に所有した者(分譲業者等)であれば事前にマンションの管理規約を定めておくことができます。このように事前に管理規約を定める場合には公正証書によって作成することが義務付けられています。(区分所有法32条)

任意後見は、本人(被後見人)の財産の管理や法律行為を本人に代わって行うための契約です。この任意後見契約を行う場合には、公正証書による契約書の作成が義務づけられています。(任意後見契約法3条)

公正証書にできない書面

公正証書にできない書面とはどういったものでしょうか?ここでは3パターンに分けて見てみましょう。

1.公序良俗に違反するもの

公序良俗とは、社会一般の秩序や道徳のことをいいます。たとえ当事者が、納得した契約であったとしても公序良俗に違反する場合には無効となります。

2.当事者に制限行為能力者がいる場合

制限行為能力者とは、未成年や成年後見人(認知症等)などの判断能力を欠いているもしくは、不十分な者のことです。これらのものは、原則として本人のみで契約の締結などの法律行為はできません。

3.当事者の意思能力が無い場合

意思能力とは、自分の行った行為に対して結果を判断できる能力のことです。意思能力を欠く者の例としては幼児や泥酔者、重度の精神障害がある者等が挙げられます。なお、幼児でなくても未成年者であれば、上記の制限行為能力者に該当し本人のみで法律行為を行うことは原則できません。

公正証書と契約書の違い

公正証書と契約書の違いは、契約書は誰にでも作成することができますが、公正証書は公証人によってのみ作成されます。さらに、公正証書は、強制執行認諾文言を記載することで、裁判手続を経ずして、強制執行(預貯金の差し押さえ等)を行うことができます。なお、公正証書による強制執行は金銭の支払いがない場合にのみ行うことができます。

さらに、公正証書は契約書と違い、以下のような契約内容以外の事項(本旨外要件)が定められます。

本旨外要件の記載例
  • 証書番号
  • 嘱託人(依頼人)の住所、氏名、年齢、職業等
  • 代理人がいる場合にはその住所、氏名、年齢、職業等
  • 立会人がいる場合にはその住所、氏名、年齢、職業等
  • 本人であることの確認をした旨

公正証書の強み

公正証書は法的に事実を証明するために裁判などで有力な証拠となります。通常の契約書の場合、当事者のどちらかが内容の改竄を行った場合、どちらの主張を信じるかの判断を第三者が行うのは難しいです。しかし、書面が公正証書として作成されていた場合、契約当事者間に法律の専門家である公証人が関与することにより非常に信用度の高い書面(公正証書)が作成されます。

公正証書の作成手順

一般的な公正証書の作成手順は以下の通りです。

1.近くの公証役場に連絡し出向く

まずは、近くの公正証書に連絡をいれて、公正証書の作成をしたい旨を伝えます。その後、予約した日に公証役場に出向き必要に応じて書類を提出します。特に遺言公正証書では「財産の特定に必要な書類」として固定資産税評価証明書や登記簿謄本、通帳の見開きコピー等を提出します。

【公証人に提出する物の例】

  • 戸籍謄本
  • 印鑑登録証明書
  • 固定資産税評価証明書、登記簿謄本等
2.公証人に公正証書にしたい内容について伝える

公証人に公正証書にしたい内容を供述し、公正証書の案を作成してもらいます。その後、FAXやメール等の手段によって公正証書の内容を確認し、変更や修正が無ければ作成の当日に、実印と印鑑登録証明書をもって公証役場に当事者が出向きます。公正証書の作成は、公証人の出張により行うことも可能です。しかし、出張による作成は、公証人の手数料が高額になるケースが多いです。例えば、遺言公正証書の作成を公証人の出張で病棟で行う場合には、目的価額による手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料、旅費、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要になります。

以上の手続きを経て、基本的に公正証書は作成されます。公正証書の作成には約2~3週間程度かかるので、ある程度内容を決めた上で相談することをおすすめします。

公正証書の質問!こんな場合には?

こんな場合は?離婚給付契約公正証書を作るのに別居中の旦那に会いたくない

離婚給付契約公正証書のように当事者同士が直接会うことを拒絶するようなケースでは代理人によって、公正証書の確認・署名・押印を行うこともできます。ただし、この際には委任状が必要です。

こんな場合は?遺言者の手が不自由で署名と押印ができない

公証人が本旨外の事項として署名できない理由を記載して、公証人が代書します。なお、遺言者の代理で公証役場で手続を行う場合には、公証人に事前に遺言者が自署できない旨を伝えておかなくてはいけません。

公正証書の作成はお任せください

その契約書や遺言書は、公正証書にしなくても大丈夫ですか?
特に契約書記載の目的価格が高額になると、公正証書にしておくべきではないでしょうか?
トラブルが発生した後に「公正証書にしておけば…」そんなことが起きないようにもあなたの大切な契約は公正証書によって作成することをお勧めします。書面を公正証書で作成しておくことで、少しの不安が大きな安心に変わります。

公正証書の作成手続をお1人で行うことが不安な方はどうぞお気軽にご連絡お待ちしております。

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