2024.03.18
相続の対策は大阪の相続専門の行政書士へご相談ください
相続の対策として、自分の死後の財産を誰にどのように相続させるかお悩みの方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか。そのようなお悩みは遺言書や生前贈与、家族信託等の利用することで解決することができる場合があります。今回は、こういった対策の中でも遺言書に焦点を当てて解説させていただきます。
相続の対策は遺言書を作成することで解決
相続対策と聞いて一番最初に思い浮かぶのは、遺言書ではないでしょうか。遺言書を作成しておくことで自分が死亡した後の遺産相続について決めておくことができます。
遺言書には3種類の遺言があり、通常利用される遺言はその中でも2種類です。まずは、これら2種類の遺言ついて簡単に説明させていただきます。
自筆証書遺言
全文を自筆して、署名と押印をして作成する遺言です。記載する財産については別紙で財産目録等を作成しそれを添付(署名押印は必要です。)することで、効力を有します。自筆証書遺言のメリットは、「費用があまりかからない。」「法務局の保管制度を利用できる。」「保管制度を利用すると検認の必要が無い。」が挙げられ、デメリットには、「紛失・改竄の可能性がある。」「検認手続が不要である。」が挙げられます。
公正証書遺言
公証役場の公証人によって作成される遺言です。 遺言者は遺言内容を公証人に伝えて、公証人がそれを筆記する形で作られ、作られた公正証書の原本が公証役場で保管されるので、偽造や変造のおそれがないです。公正証書遺言のメリットは「遺言書内容の実現がほぼ確実である。」「紛失・改竄がない。」「検認手続が不要である。」が挙げられ、デメリットは「費用がかかる」「作成まで時間がかかる」「公証役場に出向く必要がある。(出張作成もできますが)」が挙げられます。
何を優先にして、遺言書を作成するのかは作成される方、個人によって異なるかと思いますので、作成方法に良い悪いはありません。ただし、我々行政書士に依頼される方のほとんどが公正証書遺言を作成されています。
相続対策をお勧めするケース
1.相続人が大勢(4人以上)いる
相続人が複数人いる場合には、遺言書を作成した方がよいでしょう。理由は、このようなケースで遺言をすることなく亡くなった場合には、相続人全員で遺産分割協議を行わなければいけないからです。遺産分割協議とは、亡くなった方の遺産についてどのように相続するかを相続人全員で話し合い決めることです。遺産分割協議で重要なことは、相続人全員でしなければいけないという点です。そのため、特定の相続人を除いて行った遺産分割協議は無効です。つまり、相続人が複数人いる場合には、それらの相続人が全員で遺産分割協議を行う必要があり、これがなかなか高いハードルであると言えます。特に、兄妹相続で代襲が生じている場合には、会う機会がない伯父や叔母又は甥や姪と遺産の話し合いが必要となりますので揉めやすい傾向にあります。
2.兄妹相続である
相続人が大勢いなくとも兄弟間の相続の場合には、遺言書を作成しておくことをお勧めします。兄妹相続のケースは、配偶者と兄弟姉妹が相続人となるケースと兄弟姉妹どうしが相続人となるケースが考えられます。いずれのケースにおいても、日常的に出会う機会が少ない両者間での協議となることが予想されますので、十分な話し合いをすることができず、揉めごとに発展するケースが多いように感じられます。
上記のようなケースにより紛争が発生することを事前に防止するためにも、遺言書を作成しておくことをお勧めします。遺言書を作成しておくことで、生前に遺言者が遺産の帰属を決めることができる(相続人間での遺産分割協議の必要が無くなる)ので、死後に遺産の帰属について揉めるリスクが軽減されると考えられます。
ただし、注意点もあります。遺言書を作成する場合には、遺留分に気を付けなければいけません。遺留分とは相続人が法律上認められている最低限の相続権であり、遺言により相続人の遺留分を侵害してしまった場合には、遺留分を侵害している相続人や遺贈者に対して、遺留分侵害額請求権を行使される可能性があります。
遺言以外の相続対策方法
ここまでは、遺言による相続対策について記述しましたが、以下では、遺言以外の方法による相続対策について述べさせていただきます。
生前贈与をしておく
生前贈与とは、読んで字のごとく生前に自己の財産を贈与しておくことです。生前贈与をしておくことで、相続開始時点の遺産が減るため、遺産の分割方法を巡って相続人同士が揉める可能性は低くなると言えるでしょう。また、生前贈与は、今回は詳しく触れていませんが相続税の節税対策にも繋がります。生前贈与は、年間110万円までであれば、贈与税がかかりませんので、うまく活用することにより生前対策の効果は大きいでしょう。
任意後見契約をしておく
「任意後見」という言葉は、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。任意後見制度とは、被後見人(後見を受ける人)の認知機能が低下し認知症となる前に、後見人(後見する人)を指定し、自分の財産の管理をしてもらうことを約束する制度のことです。任意後見制度を利用するためには、公証役場や裁判所での手続きをする必要があるので、利用するには一定の手間はかかりますが、万一、認知症となった場合に、自分の財産の管理を任せることができるので、財産を守るという点では、相続対策として有効であると考えられます。
家族信託契約をしておく
家族信託とは、契約能力があるうちに信頼できる家族や友人に自己が認知症や死亡した場合に備えて財産を託して、その財産について管理や処分行為を任せるものです。家族信託は前記の後見制度と異なり、公証役場や裁判所での手続きは不要です。家族信託制度を利用することで、自分が認知症等になった後であっても、認知症が発症する前の意思により、受託者(家族信託を委託された人)によって受益者の権利が守られます。また、家族信託では遺言によって定められない、二次相続以降も含めて遺産の承継者を決めるので、次世代まで見据えて相続の対策をすることができます。
(こんなこともできる家族信託)
1 遺産分割トラブルの防止
遺言により、不動産の帰属を共有しなければ、相続人から遺留分侵害額請求権がされる場合があるケースにおいて、生前に家族信託契約(不動産の処分権を相続人の1人のみに委ねる契約等)をしておくことで、相続人間での争いが防止できると考えられます。
2 遺留分を巡るトラブルの対策
遺産に収益可能な不動産があるケースで、生前に家族信託契約を締結し、同不動産の管理や処分を相続人の1人にしておき、同不動産の収益を法定相続分に応じて分配することで遺留分を巡る相続人間での争いが防止できます。
相続の対策は相続専門の当事務所にお任せください
当事務所は、大阪市に事務所を構える相続や遺言専門の行政書士事務所です。上記の内容をご覧いただき、「自分も遺言や後見又は信託等により準備をしておいた方がいいかも」と感じられた方は、是非一度ご相談ください。
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