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2024.04.25

相続は他人でもできるのか?考えられる方法について

相続は他人でもできるのか?考えられる方法について

「相続は他人でもできるのか?」というようなご質問をいただくことがあります。結論として相続は、相続人に認められる権利ですので、友人や知人など他人にはできません。しかし、遺言書によって遺贈することや、その他の方法により、他人に対し財産を譲り渡すことが可能です。この記事では、相続以外の方法により他人に対して財産を譲り渡せる方法等について述べさせていただきます。

相続以外で他人に財産を譲るには?

ご友人や知人に自分の財産を相続させる方法は、主に下記の4つの方法が考えられます。

詳細を次に記載致します。

遺言書を作成しておく

遺言書による方法

亡くなった方の財産は、法定相続人に相続されます。法定相続人は民法によって定められている配偶者や子供又は父母などのことです。しかし、亡くなった方が生前に遺言書を作成しておけば、法定相続人以外の友人や知人等の他人に自分の財産を譲ることができます。これを法律用語で「遺贈」といいます。遺言書では「相続」と「遺贈」を的確に使い分ける必要があり、次のような例は、不適切であり「相続させる。」ではなく「遺贈する。」と記載すべきでしょう。

遺言者の有する預貯金(○○銀行、○○支店、普通預金、1234567)を遺言者の友人佐藤隆に相続させる。
第964条(包括遺贈及び特定遺贈)
遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。

養子にする

養子の画像

ご友人や知人等の他人を自分の養子にしておくことで、養子は嫡出子(婚姻中の夫婦の間に生まれた子供)の身分となり、養親の実子と同じ相続権を得ます。その結果、亡くなった方の財産を配偶者がいる場合は2分の1、配偶者がいない場合には全部(ただし、実子やその他の養子がいれば等分割合)を相続することができます。トピックでは「相続以外の方法」を挙げさせていただきましたが、こちらは養子縁組をする方法により相続人の身分を有することとなりますので、相続の例外的なケースとして記載させていただきました。

養子にするための手続は?

養子縁組をするには、以下の要件を満たす必要があります。

【要件】
・養親が20歳に達していること
・養子となる方が、養親となる方の嫡出子、養子ではないこと
・養子となる方が養親となる方の尊属、年長者ではないこと
・後見人が被後見人を養子とする場合は、家庭裁判所の許可を得ていること
・配偶者のある方が未成年者を養子とする場合は、配偶者とともに縁組をすること
・養子、または養親となる方に配偶者がいる場合は、配偶者の同意を得ていること
・養子となる方が15歳未満であるときは、法定代理人が縁組の承諾をすること

【届出人や場所】
届出人:養親と養子となる方(15歳未満の場合は法定代理人)
届出場所:養親となる方又は養子となる方の本籍地または所在地の市区町村役所

【必要な物】
・養子縁組届(証人として成人2名による署名が必要です。)
・本人確認書類(マイナンパーカード、運転免許証等)
・下記⑴⑵の場合、家庭裁判所の許可書の謄本
⑴養子となる方が直系尊属以外の未成年者の場合)
⑵後見人が被後見人を養子とする場合
・配偶者の同意書(養子または養親となる方に配偶者がいる場合)

第809条(嫡出子の身分の取得)
養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。

死因贈与契約をする

死因贈与契約をする

死因贈与契約とは、自分が死んだ後に財産を譲る契約をすることです。死因贈与契約と遺言書の違いは、死因贈与契約は当事者間の契約により効果が発生するのに対し、遺言書は単独行為として遺言者が単独ですることができます。死因贈与による方法も、遺言書の遺贈による方法も、贈与者の最終意思を尊重する観点から、民法の遺贈の規定に準じて、契約後であっても贈与者の一方的な意思で撤回(遺言書で別の人に遺贈する旨を定めるなど)することができるとされています。

しかし、例外もあり、死因贈与契約が受遺者による負担付の契約である場合で、既に受遺者による負担が継続又は完了している場合には、遺贈者は自由に遺贈の撤回ができなくなりますので利用する場合には注意が必要です。

生前贈与しておく

生前贈与は、「他人に相続させる」趣旨とは異なりますが、その内容は自分が生きているときに財産を贈与することです。生前贈与は、基本的に誰に対してでもできますので、自己の財産をどのように処分するかを自分の意思に従って決めることができます。

※)生前贈与を利用する注意としては、負担付贈与契約の場合は未成年は親の同意が必要です。

相続以外で他人に財産を譲るおすすめの方法

他人に相続させるおすすめの方法

上記により相続以外の方法で他人に財産を譲る方法を説明しましたが、私がおすすめする方法は、遺言による方法です。遺言書を作成しそれを公正証書としておくことで、証拠力が高い遺言書を作成することができます。

遺言による方法以外であっても、先述の方法により財産を他人に譲ることはできますが、養子縁組の場合は、一度、養子縁組をしてしまい、その後、事情の変更により離縁をすることとなった場合に養子の合意が必要になります。そのため、万一、そのようなケースで養子との間で合意ができない場合には調停や裁判を利用しなければならず、不都合が生じます。

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>協議離縁の契約を公正証書で行うには?

また、死因贈与契約よる方法がありますが、死因贈与契約の場合には、当事者との合意によって契約しますので、契約後に遺贈の撤回をすると契約者との関係上不都合が生じてしまう場合があります。その点、遺言書は単独行為ですので、作成後に撤回することは可能であり、認知能力があるうちは作成後も自由に財産の帰属を決めることができるので有意義でしょう。

遺言書について

遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。この中でも特に実用されているのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。下記では、この2種類の遺言について説明させていただきます。

【自筆証書遺言】

自筆証書遺言とは、文字どおり、遺言者が自筆で遺言を残す方法です。自筆証書遺言は、遺言書の全文、日付、氏名をすべて自書し、押印して遺言書を作成します。ただし、財産目録は、民法の規定に沿った方法であれば印字の書類でも差し支えありません。

自筆証書遺言を作成するメリットは、遺言者以外誰にも知られることなく、遺言書を作成することができる点でしょう。また、公正証書による遺言は公証人の手数料が数万円かかりますが、自筆証書遺言は紙とペンさえあれば作成できるところもメリットといえるでしょう。

【公正証書遺言】

公正証書遺言とは、遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、その内容を公証人が公正証書に記載することで作成する遺言書のことです。公正証書による遺言は、自筆証書遺言と違い、全文を自筆で作成する必要はありません。

公正証書遺言により遺言するメリットは、公証人(法律の専門家)が形式面を確認していただけますし、場合によっては表現や内容についてアドバイスしていただけます。そのため、自筆証書遺言と比べ遺言書が無効となる可能性が極めて低いといえるでしょう。

公正証書遺言の作成の流れ

公正証書遺言の作成の流れについて解説します。

1.公正証書の案文作成
公正証書遺言書を作成するには、公証人に対し、公正証書案を提示しなくてはいけません。案文の作成は、初めての方にとっては少し難しいと思いますので、一般的に行政書士等の士業や銀行を通じて作成されることが多いです。しかし、必ずしもこれらの士業に依頼する必要はなく、公証役場に数回出向き、直接公証人と打ち合わせをし、作成することもできます。

2.必要書類の準備
案文が完成しましたら、公正証書遺言書の作成に必要な書類を準備しましょう。一般的に必要な物は次の書類になります。

・印鑑登録証明書
・実印
・相続人との関係が分かる戸籍
・受遺者の住民票
・遺言執行者の「住所、氏名、職業、生年月日」が分かる物
・証人の「住所、氏名、職業、生年月日」が分かる物

※)遺言者の財産に不動産がある場合には、登記簿謄本や固定資産納税通知書等が必要となります。

3.公証人との打ち合わせ
上記により作成した案文と必要な書類を持って予約した日に公証役場に行きましょう。この日は打ち合わせをする日ですので、実印は不要です。準備した書類については役場でコピーがされるかと思います。打ち合わせでは、遺言の内容や証人、遺言執行者等について公証人に対し、的確に伝えましょう。

4.公正証書の案文作成と確認
上記の打ち合わせ後に、公証人が遺言公正証書とする原案を作成いただけますので、その内容を確認しましょう。その際に、記載内容や表現に変更があれば、変更いただくことも可能です。

 5.公正証書遺言の作成日時の決定
公正証書とする遺言書案が確定したら、公証人と証人(公正証書を作成するには証人2名以上の立会いが必要です。)の都合を合わせ、公証役場等で公正証書を作成する日時を決めます。

6.公正証書遺言を作成
上記により決めた作成日時に、公証人の指示のもと遺言者と証人2人で公正証書遺言を作成します。公正証書の作成は、内容の読み合わせがされますので概ね30分で終わります。

公正証書遺言書を作成するメリット

メリット1.安全かつ確実な遺言が作成できる
公正証書を作成する公証人は、元々検察官、裁判官であった方がほとんどです。そのため、法律知識と豊富な実務経験を有しており、複雑な事例であっても法律的に見てきちんと整理した内容の遺言書を作成されるので、遺言が無効になることはほとんどありません。

メリット2.遺言書の検認手続がいらない
遺言者の死亡後に、家庭裁判所で遺言書の開封が行われることを検認といいますが、公正証書遺言書の場合には、この手続が不要となります。そのため、遺言者が亡くなった後、遺言執行をスムーズに行うことができます。

メリット3.遺言書の原本が公証役場で保管される
公正証書遺言書を作成するときに、原本、正本、謄本と作成され、そのうち原本は公証役場で保管されます。そのため、遺言書の内容が改竄されたり、遺言書自体が紛失したりする可能性はありません。現在は、突然の災害に備え公正証書で作成した遺言書はデータで管理されています。

メリット4.遺言書を自筆しなくてもよい
自筆証書遺言の場合、自筆で全文を作成する必要があります。しかし、公正証書遺言書は遺言内容をまとめた案文(WordやPDF等)をもとに公証人が遺言書を作成するので、自筆する必要はありません。

遺言書の作成は/専門の行政書士にお任せください

自筆証書や公正証書による遺言書作成は当事務所をお頼りください。

当事務所は、遺言書の作成を主要業務の一つとして扱っています。この記事をご覧いただき友人や知人に対して財産を残しておきたいとお考えでしたら、お気軽にご連絡ください。

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遺言書の作成料金はこちらのページからご確認ください。

お客様の声やセミナー情報

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