配偶者が異性とキスをしていたことが発覚した場合、「キスだけでも不倫になるのか」「慰謝料請求はできるのか」「離婚せずに再発防止の約束を残せるのか」と悩まれる方は少なくありません。
結論からいえば、キスだけで直ちに不貞行為と評価されるとは限りませんが、夫婦関係を壊す重大な問題として、誓約書や夫婦間合意書を作成し、今後の接触禁止や再発防止のルールを定めることは検討できます。
この記事では、不倫とキスの関係、慰謝料請求の考え方、夫婦間合意書で定めるべき内容、作成時の注意点について、行政書士の実務視点から解説します。
目次
不倫でキスだけの場合の結論
配偶者が異性とキスをしていた場合でも、それだけで直ちに「法律上の不貞行為」と断定できるわけではありません。
一般的に、不貞行為とは、配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つことを指すと考えられています。
そのため、キスだけの場合、慰謝料請求が認められるかどうかは、キスの状況、継続性、相手との関係、夫婦関係に与えた影響、証拠の有無などを踏まえて判断されることになります。
離婚を選ばずに婚姻関係を継続する場合は、再発防止のために夫婦間合意書や誓約書を作成する方法があります。
実務上も、「肉体関係までは確認できていないが、キスや親密なLINEが発覚した」「相手とはもう会わないと約束させたい」「離婚はしないが次に同じことがあれば条件を決めておきたい」という相談は少なくありません。
このような場合、感情的に口約束だけで終わらせるのではなく、今後の連絡禁止、再発防止、違反時の対応、夫婦生活のルールなどを文書化しておくことが重要です。
不倫・不貞行為とは何か
不倫という言葉は日常的によく使われますが、法律上の用語としては「不貞行為」という言葉が問題になります。
不倫は広い意味で、配偶者以外の異性と親密な関係になることを指すことがあります。
一方、不貞行為は、離婚原因や慰謝料請求の場面で問題となる法律上の概念です。
一般的に、不貞行為とは、夫婦の貞操義務に反して、配偶者以外の異性と自由な意思で性的関係を持つことをいいます。
そのため、食事、LINE、手をつなぐ、キスをするなどの行為は、直ちに不貞行為そのものと評価されるとは限りません。
もっとも、キスや親密なやり取りが何度も繰り返されている場合、ホテルの出入りがある場合、性的関係を推認させるメッセージがある場合などは、単なる軽い接触とは評価されにくくなります。
日常的な表現。肉体関係に限らず、配偶者以外との親密な関係全般を指すことがあります。
法律上問題となる概念。一般的には配偶者以外との性的関係が中心になります。
不貞行為とまではいえなくても、婚姻関係を傷つける行為として合意書の対象になることがあります。
つまり、「キスだけだから何の問題もない」とはいえません。
法律上の慰謝料請求が難しい場合でも、夫婦間の信頼回復や再発防止のために、文書で取り決めを残す意味はあります。
キスだけで慰謝料請求できるのか

キスだけで慰謝料請求が認められるかどうかは、ケースによって異なります。
肉体関係の証拠がない場合、典型的な不貞慰謝料として高額な請求をすることは容易ではありません。
ただし、キスの態様が悪質であったり、継続的な交際関係があったり、夫婦関係に大きな精神的苦痛を与えていた場合には、不法行為として慰謝料請求が問題になる余地もあります。
たとえば、次のような事情がある場合は、単なる一時的な出来事とは見られにくくなります。
- キスをした場面の写真や動画がある
- 親密なLINEやSNSのやり取りがある
- 複数回にわたり会っていた形跡がある
- ホテルや相手方宅への出入りがある
- 配偶者が関係を認めている
- 相手が既婚者であることを知っていた
- 発覚後も連絡や接触を続けている
無理な追及や過度な連絡は、逆にトラブルを大きくする可能性があります。
一方で、証拠が「キスをしたらしい」という伝聞だけである場合や、本人が否定している場合は、慰謝料請求の見通しは慎重に考える必要があります。
また、夫婦間で解決するのか、不倫相手にも請求するのかによって、対応方法は変わります。
離婚を前提としない場合は、慰謝料請求よりも、まず配偶者との間で再発防止の約束を明確にすることが現実的な解決になることもあります。
その際に利用されるのが、夫婦間合意書や不倫再発防止の誓約書です。
夫婦間合意書とは
夫婦間合意書とは、夫婦の間で決めた約束事を文書にしたものです。
不倫やキス、浮気、モラハラ、生活費、別居、家事育児の分担など、夫婦生活に関するさまざまな事項を定めることができます。
不倫やキスが発覚した場面では、夫婦間合意書により、今後の異性との連絡、接触、再発防止、違反時の対応などを明確にしておくことがあります。
口約束だけの場合、後日「そのような約束はしていない」「そこまでの意味ではなかった」と言われることがあります。
そのため、夫婦関係を継続する場合でも、重要な約束は文書化しておくことが実務上有効です。
むしろ、離婚を避け、婚姻関係を継続するために作成されることも多い書類です。
たとえば、次のような内容を定めることがあります。
- 不倫相手との連絡をしないこと
- 二人きりで会わないこと
- SNSやマッチングアプリを利用しないこと
- 再発した場合の慰謝料や違約金
- 夫婦間での報告ルール
- 生活費や家計管理のルール
- モラハラや暴言をしないこと
- 別居する場合の費用負担
ただし、内容が過度に制限的であったり、公序良俗に反する内容であったりすると、後日問題になる可能性があります。
そのため、感情的な文面にするのではなく、実際に守れる内容を冷静に整理することが大切です。
夫婦間合意書が利用される主なケース
夫婦間合意書は、不倫やキスの問題だけでなく、夫婦関係を継続するうえでルールを明確にしたい場面で利用されます。
特に、離婚までは考えていないものの、同じ問題を繰り返したくない場合に作成されることがあります。
不倫・浮気の再発防止
もっとも多いのは、不倫や浮気の再発防止を目的とするケースです。
肉体関係の有無が明確でない場合でも、キス、親密な連絡、二人きりの外出、マッチングアプリの利用などが発覚した場合に、今後の行動ルールを定めます。
モラハラ改善のための合意
暴言、無視、人格否定、生活費を渡さないなどのモラハラが問題となる場合にも、夫婦間合意書が利用されます。
この場合は、禁止行為、改善すべき行動、再発時の対応などを定めることがあります。
生活費・別居費用の取り決め
別居を開始する前後では、生活費や婚姻費用の支払いについてトラブルになることがあります。
夫婦間合意書で、毎月の支払額、支払日、振込先、子どもの費用負担などを定めることで、後日の争いを防ぎやすくなります。
家事・育児分担のルール
夫婦関係の不満が家事や育児の偏りにある場合、分担内容を文書化することもあります。
法的強制力を過度に期待するものではありませんが、話し合いの内容を明確にする意味があります。
離婚を回避するための約束
不倫やモラハラが発覚した後でも、すぐに離婚を選ばない夫婦は少なくありません。
その場合、同じことを繰り返さないための条件を整理し、婚姻関係を継続する前提として合意書を作成することがあります。
夫婦間合意書の法的効力
夫婦間合意書は、夫婦双方が内容を理解し、自由な意思で合意して作成したものであれば、契約書として一定の法的意味を持つ場合があります。
ただし、書けばどのような内容でも有効になるわけではありません。
たとえば、不倫相手との連絡禁止、再発防止、生活費の支払い、違反時の金銭支払いなどは、内容が具体的で合理的であれば、後日の証拠として役立つ可能性があります。
一方で、次のような内容は問題になる可能性があります。
- 配偶者の行動を過度に監視する内容
- 外出や人間関係を全面的に禁止する内容
- あまりに高額な違約金を定める内容
- 脅迫や強要に近い状況で署名させた内容
- 子どもの福祉に反する内容
- 公序良俗に反する内容
強い口調で迫ったり、相手を長時間拘束して署名させたりすると、後日「自由な意思による合意ではない」と争われる可能性があります。
また、夫婦間の契約については、民法上の規定との関係も問題になります。
そのため、特に金銭の支払い、違約金、別居費用、離婚時の条件などを定める場合は、文面を慎重に作成する必要があります。
夫婦間合意書に記載するべき内容

不倫やキスの再発防止を目的として夫婦間合意書を作成する場合は、感情的な非難ではなく、具体的なルールを記載することが重要です。
「もうしないこと」とだけ書いても、何をしてはいけないのかが曖昧になりやすいためです。
実務上は、次のような事項を整理して記載します。
- 合意書を作成する日付
- 夫婦双方の氏名・住所
- 問題となった行為の概要
- 配偶者が認める事実の範囲
- 今後禁止する行為
- 相手方との連絡・接触禁止
- SNSやマッチングアプリの利用制限
- 再発した場合の対応
- 慰謝料や違約金に関する取り決め
- 夫婦関係を継続するためのルール
- 秘密保持に関する事項
- 署名押印
問題となった行為の記載
キスや親密な関係が発覚した場合、どこまで記載するかは慎重に検討します。
詳細を書きすぎると感情的な文書になりやすく、逆に簡単すぎると後日何を前提に合意したのか分かりにくくなります。
禁止行為の記載
「不倫をしない」とだけ書くのではなく、連絡しない、会わない、二人きりで外出しない、SNSでつながらないなど、具体的に記載することが大切です。
違反時の対応
違反時に慰謝料や違約金を定める場合は、金額の妥当性が重要です。
あまりに高額な金額を定めると、後日争われる可能性があります。
夫婦関係を継続するために、今後のルールを明確にする文書として作成することが重要です。
夫婦間合意書と公正証書との違い
夫婦間合意書と公正証書は、どちらも合意内容を文書化する点では共通しています。
しかし、作成方法や実効性には違いがあります。
夫婦間合意書は、夫婦が自分たちで作成し、署名押印することで作成できます。
一方、公正証書は、公証役場で公証人が作成する公文書です。
特に金銭支払いについて強制執行認諾文言を入れる場合、支払いがされなかったときに裁判を経ずに強制執行を検討できる場合があります。
| 項目 | 夫婦間合意書 | 公正証書 |
|---|---|---|
| 作成場所 | 自宅・事務所などで作成可能 | 公証役場で作成 |
| 作成者 | 夫婦本人または専門家が文案作成 | 公証人が作成 |
| 費用 | 比較的抑えやすい | 公証人手数料等が必要 |
| 証拠としての意味 | 合意内容の証拠になり得る | 公文書として証拠力が高い |
| 強制執行 | 原則として直ちに強制執行はできない | 条件を満たせば強制執行を検討できる場合がある |
| 向いている場面 | 再発防止、夫婦内ルール、連絡禁止など | 慰謝料、生活費、養育費など金銭支払いを重視する場合 |
不倫でキスだけが問題となっている場合、直ちに公正証書まで作成する必要があるかは事案によります。
ただし、慰謝料、違約金、生活費、別居費用など金銭の支払いを具体的に定める場合は、公正証書化を検討する価値があります。
強制執行の対象になりやすいのは、一定の金銭支払いなどに限られます。
そのため、まずは夫婦間合意書として内容を整理し、金銭支払いの重要性が高い場合には、公正証書にするかどうかを検討する流れが現実的です。
夫婦間合意書と離婚協議書との違い
夫婦間合意書と離婚協議書は、どちらも夫婦間の合意内容を文書化するものですが、作成する目的が異なります。
夫婦間合意書は、婚姻関係を継続する前提で作成されることが多い書類です。
一方、離婚協議書は、離婚することを前提として、離婚条件をまとめる書類です。
不倫やキスが発覚した場合でも、すぐに離婚を選ぶとは限りません。
「今回は離婚しないが、次に同じことがあれば離婚も考える」「夫婦関係を修復するためにルールを決めたい」という場合は、離婚協議書ではなく、夫婦間合意書の方が適していることがあります。
| 項目 | 夫婦間合意書 | 離婚協議書 |
|---|---|---|
| 目的 | 婚姻関係を継続するためのルール作り | 離婚条件の整理 |
| 作成時期 | 離婚前・別居前・夫婦関係修復時 | 離婚を決めた後 |
| 主な内容 | 不倫再発防止、連絡禁止、生活費、家事育児分担など | 親権、養育費、財産分与、慰謝料、面会交流など |
| 離婚届との関係 | 離婚届の提出を前提としない | 離婚届の提出を前提とする |
| 利用される場面 | 離婚を回避したい場合 | 離婚条件を明確にしたい場合 |
夫婦間合意書の中に、「再度不倫をした場合は離婚に応じる」という趣旨の条項を入れたいという相談もあります。
ただし、将来の離婚意思をあらかじめ完全に拘束するような内容は、慎重に考える必要があります。
そのため、夫婦間合意書に離婚に関する条項を入れる場合でも、後日の紛争を避けるため、表現や内容を慎重に整える必要があります。
実務上は、「再度同様の行為があった場合には、離婚協議を行う」「慰謝料その他の条件について誠実に協議する」といった形で、過度に断定しすぎない文面にすることがあります。
夫婦間合意書と誓約書との違い
夫婦間合意書と誓約書は似ていますが、厳密には性質が異なります。
誓約書は、一方が相手に対して「今後このようにします」と約束する形式の文書です。
これに対し、夫婦間合意書は、夫婦双方が合意した内容を確認する文書です。
不倫やキスの問題では、配偶者に「もう相手と会わない」「二度と同じことをしない」と約束させるため、誓約書という形が用いられることがあります。
一方で、夫婦関係を継続するために、生活費、連絡ルール、再発防止、夫婦間の約束を総合的に定める場合は、夫婦間合意書の形が適していることがあります。
| 項目 | 誓約書 | 夫婦間合意書 |
|---|---|---|
| 性質 | 一方から相手への約束 | 夫婦双方の合意 |
| 署名者 | 原則として誓約する側 | 夫婦双方 |
| 向いている場面 | 不倫相手と会わない約束、再発防止の約束 | 夫婦生活全体のルール作り |
| 内容の広さ | 特定の約束に限定されやすい | 複数の取り決めをまとめやすい |
| 実務上の使い分け | 謝罪や再発防止を明確にしたい場合 | 夫婦関係を継続する条件を整理したい場合 |
たとえば、配偶者に対して「今後、不倫相手と一切連絡を取らない」と約束させるだけであれば、誓約書でも対応できる場合があります。
しかし、「夫婦としてやり直すために、異性関係、生活費、家事育児、モラハラ防止、別居時の対応までまとめたい」という場合は、夫婦間合意書の方が整理しやすいです。
どの形式が適しているかは、作成目的に応じて判断します。
夫婦間合意書を作成するメリット
夫婦間合意書を作成する最大のメリットは、口約束を明確な文書として残せることです。
不倫やキスが発覚した直後は、相手が謝罪し、「もうしない」と約束することがあります。
しかし、時間が経つと約束の内容が曖昧になり、再び同じ問題が起こることもあります。
文書にしておくことで、夫婦双方が何に合意したのかを後から確認しやすくなります。
また、再発した場合の対応をあらかじめ定めておくことで、感情的な言い争いを避けやすくなります。
約束の内容が明確になる
「もう浮気しない」という抽象的な約束だけでは、何が禁止されているのか分かりにくい場合があります。
夫婦間合意書では、連絡禁止、接触禁止、マッチングアプリの利用禁止、二人きりで会わないことなど、具体的に定めることができます。
再発防止につながりやすい
書面に署名押印することで、口約束よりも心理的な重みが生じます。
配偶者に対し、自分の行為が夫婦関係に重大な影響を与えたことを認識させる意味もあります。
後日の証拠になる可能性がある
合意書があることで、後日トラブルになった際に、「どのような事実を前提に、どのような約束をしたのか」を示しやすくなります。
特に、配偶者が一定の事実を認めている場合、その内容を文書に残しておく意味はあります。
離婚を回避するための条件を整理できる
不倫やキスが発覚しても、子ども、生活、経済的事情、夫婦関係の修復可能性などを考え、すぐに離婚しない選択をする方もいます。
その場合、何も決めずに元の生活に戻るのではなく、婚姻関係を続けるための条件を整理することが重要です。
感情的な話し合いを整理しやすい
夫婦間の問題は、話し合いが感情的になりやすいものです。
合意書を作る過程で、何を禁止するのか、何を守ってほしいのか、今後どうしたいのかを整理することができます。
夫婦関係を続けるための条件を確認し、再発防止と信頼回復を目指すための文書として作成することが重要です。
夫婦間合意書を作成するデメリット
夫婦間合意書にはメリットがありますが、作成すればすべての問題が解決するわけではありません。
内容や作成方法を誤ると、かえって夫婦関係が悪化したり、後日争いになったりする可能性もあります。
相手が署名を拒否する可能性がある
夫婦間合意書は、相手が内容に合意し、署名押印することで意味を持ちます。
そのため、配偶者が署名を拒否した場合、無理に作成することはできません。
特に、不倫やキスの事実を認めていない場合や、慰謝料・違約金の金額に納得していない場合は、署名に応じないことがあります。
内容が強すぎると無効・取消しが問題になる可能性がある
怒りや不安が大きい状態で作成すると、相手の行動を過度に制限する内容や、高額すぎる違約金を入れてしまうことがあります。
しかし、内容が不合理であったり、作成時に強い圧力があったりすると、後日有効性が争われる可能性があります。
公正証書でなければ強制執行まではできない
夫婦間合意書は、合意内容を証明する資料として役立つことがありますが、通常の私文書である限り、それだけで直ちに強制執行できるわけではありません。
金銭支払いを確実にしたい場合は、公正証書の利用を検討することがあります。
相手への不信感が残る場合がある
合意書を作成しても、気持ちの問題がすぐに解決するとは限りません。
書面を作ることによって、かえって相手が「信用されていない」と感じることもあります。
そのため、文書作成の目的を明確にし、再発防止と夫婦関係の修復を目的としていることを伝えることが大切です。
相手を追い詰める内容にするのではなく、現実的に守れる内容にすることが重要です。
夫婦間合意書の作成方法と流れ
夫婦間合意書を作成する際は、いきなり文面を書き始めるのではなく、事実関係、希望内容、証拠、今後の方針を整理することが大切です。
特に、不倫やキスが発覚した直後は感情的になりやすいため、冷静に段階を踏んで進める必要があります。
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事実関係を整理する
キスや不倫がいつ、どこで、誰と、どのように発覚したのかを整理します。証拠がある場合は、LINE、写真、動画、SNS、本人の発言などを保存しておきます。
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夫婦関係をどうしたいのか決める
離婚を考えているのか、離婚せずに関係修復を目指すのかによって、作成する書類の内容は変わります。離婚しない場合は、再発防止のルール作りが中心になります。
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禁止したい行為を具体的に決める
相手と連絡しない、会わない、SNSでつながらない、マッチングアプリを使わないなど、抽象的ではなく具体的な行為として整理します。
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違反時の対応を検討する
再発した場合の慰謝料、違約金、別居、離婚協議などを定めるか検討します。ただし、過大な金額や不合理な条件は避ける必要があります。
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文案を作成する
事実関係と合意内容をもとに、夫婦間合意書の文案を作成します。感情的な表現ではなく、客観的で分かりやすい文面にします。
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内容を確認し署名押印する
夫婦双方が内容を確認し、納得したうえで署名押印します。各自が1通ずつ保管できるよう、同じ内容の書面を2通作成することが一般的です。
作成後は、原本を大切に保管してください。
LINEで写真だけを残すのではなく、署名押印済みの原本を夫婦それぞれが保有しておくことが望ましいです。
夫婦間合意書を作成するときの注意点
夫婦間合意書を作成する際は、内容の強さだけでなく、後日争われにくい文面にすることが重要です。
特に、不倫やキスが発覚した直後は、怒りや不安から厳しい条件を入れたくなることがあります。
しかし、現実的に守れない内容や過度な制約は、かえって問題を複雑にする可能性があります。
証拠の有無を確認する
配偶者がキスや不倫を認めている場合でも、後日否定されることがあります。
そのため、LINE、写真、動画、録音、SNS、本人のメッセージなど、証拠となり得る資料は整理しておくことが重要です。
事実と評価を分けて書く
「最低な裏切り行為をした」などの感情的な表現よりも、「令和○年○月○日、○○氏とキスをしたことを認める」といった客観的な記載の方が、文書としては整理しやすくなります。
禁止事項を曖昧にしない
「怪しいことをしない」「不安にさせない」という表現だけでは、何を禁止しているのか分かりにくくなります。
連絡、面会、SNS、アプリ、外泊、飲み会など、必要に応じて具体的に記載します。
違約金の金額は慎重に決める
再発時の違約金を定める場合、金額が高すぎると後日争いになる可能性があります。
配偶者の収入、行為の内容、夫婦関係への影響などを踏まえ、合理的な範囲で検討することが大切です。
署名押印を無理に求めない
相手を長時間拘束したり、脅すような言動で署名させたりすると、後日「強制された」と主張される可能性があります。
合意書は、自由な意思で作成されていることが重要です。
冷静に内容を確認できる時間を設けることも、後日の紛争予防につながります。
夫婦間合意書に違反された場合はどうなるのか
夫婦間合意書を作成したにもかかわらず、配偶者が約束を破った場合はどうなるのでしょうか。
結論からいえば、合意書に記載された内容や違反の態様によって対応は異なります。
例えば、「不倫相手と連絡をしない」「二人きりで会わない」と定めていたにもかかわらず、再び接触していたことが判明した場合、夫婦関係の継続が難しくなり、離婚協議へ進むケースもあります。
また、合意書に違約金や慰謝料に関する取り決めがある場合には、その条項に基づいて請求が検討されることがあります。
ただし、実際に請求が認められるかどうかは、条項の内容や違反の状況などによって異なります。
まずは証拠を確保する
違反が疑われる場合は、感情的に追及する前に証拠を整理することが重要です。
- LINEやSNSのやり取り
- 写真や動画
- 位置情報
- 録音データ
- 本人の発言
- 第三者の証言
後から削除される可能性もあるため、証拠は保存しておくことが望ましいでしょう。
再協議を行うケースもある
違反があったからといって、必ず離婚になるわけではありません。
夫婦によっては、改めて話し合いを行い、合意内容を見直す場合もあります。
ただし、同じ問題が繰り返されている場合は、夫婦関係そのものの継続が困難になることもあります。
問題が再発した際の対応方針を整理するための意味もあります。
夫婦間合意書が無効になる可能性があるケース
夫婦間合意書は、作成したからといって全ての内容が有効になるわけではありません。
内容や作成経緯によっては、有効性が問題となることがあります。
強要によって作成された場合
相手を脅したり、長時間拘束したりして署名押印させた場合は、自由な意思による合意とはいえない可能性があります。
内容が公序良俗に反する場合
極端な監視義務や過度な行動制限などは、内容によっては問題になる可能性があります。
違約金が過大な場合
不倫再発時の違約金を定めるケースはありますが、あまりにも高額な金額を設定すると、後日争いになることがあります。
内容が曖昧な場合
「怪しい行動をしない」「不安にさせない」などの抽象的な表現だけでは、何が違反なのか判断が難しい場合があります。
署名押印がない場合
必ずしも署名押印がなければ無効というわけではありませんが、後日の証拠という観点からは、署名押印があった方が望ましいでしょう。
作成時には冷静な内容整理が重要です。
夫婦間合意書の費用の目安
夫婦間合意書を作成する場合の費用は、自分で作成するか、専門家へ依頼するかによって異なります。
| 作成方法 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自分で作成 | ほぼ無料 | 費用を抑えられるが内容の検討が必要 |
| 行政書士へ依頼 | 数万円程度から | 文案作成や内容整理の支援を受けられる |
| 公正証書化 | 別途公証人手数料 | 金銭支払条項などを明確化しやすい |
| 弁護士へ依頼 | 事案により異なる | 紛争性の高い案件への対応を検討できる |
実際の費用は、条項数、事実関係の複雑さ、公正証書化の有無などによって変わります。
実務でよくある失敗例
夫婦間合意書の相談では、似たような失敗例が繰り返し見られます。
失敗例① 口約束だけで終わらせる
「もう二度としない」という約束だけで終わり、数か月後に同じ問題が再発するケースがあります。
失敗例② 感情的な文書にしてしまう
怒りのまま作成すると、非難や人格攻撃が中心となり、実際に守るべきルールが曖昧になることがあります。
失敗例③ 違約金だけを重視する
高額な違約金ばかりに目が向き、肝心の再発防止ルールが不十分になることがあります。
失敗例④ 証拠を残していない
後日トラブルになった際に、そもそも何があったのかを立証できないケースがあります。
失敗例⑤ 将来のことを決めていない
再発時の対応を決めていないため、問題が起きるたびに同じ話し合いを繰り返してしまうことがあります。
行政書士へ依頼するメリット
夫婦間合意書は自分で作成することも可能ですが、内容によっては法的な位置付けや表現方法が重要になることがあります。
特に、不倫、キス、モラハラ、生活費、別居、慰謝料などが関係する場合は、何を記載し、何を記載しないかによって文書の実用性が変わることがあります。
行政書士へ依頼することで、事実関係を整理しながら、当事者の意向を文書としてまとめる支援を受けられます。
また、公正証書を検討する場合の準備資料や条項整理について相談できることもあります。
よくある質問
キスだけでも不倫になりますか?
一般的にキスだけで直ちに不貞行為と評価されるとは限りませんが、夫婦関係を損なう行為として問題になることがあります。
キスだけで慰謝料請求できますか?
状況や証拠によって異なります。継続性や悪質性なども考慮されます。
夫婦間合意書は手書きで作れますか?
作成可能です。ただし、内容を明確にし、署名押印を行うことが望ましいでしょう。
公正証書にした方が良いですか?
金銭支払いを重視する場合などは、公正証書を検討することがあります。
夫婦間合意書は離婚しなくても作れますか?
はい。むしろ婚姻関係を継続するために作成されるケースも少なくありません。
違約金条項は必ず入れるべきですか?
必須ではありません。夫婦の状況や作成目的によって異なります。
相手が署名しない場合はどうなりますか?
夫婦間合意書は合意が前提となるため、相手が同意しなければ成立しません。
不倫相手との接触禁止は記載できますか?
一般的には再発防止条項として記載されることがあります。
まとめ
不倫やキスが発覚した場合でも、直ちに離婚しか選択肢がないわけではありません。
夫婦関係を継続したいのであれば、再発防止のためのルールを整理し、文書として残す方法があります。
夫婦間合意書は、単なる誓約書ではなく、夫婦が今後どのように生活していくのかを整理するための重要な文書です。
不倫相手との接触禁止、生活費、モラハラ防止、別居時の対応など、状況に応じた内容を定めることで、後日のトラブル予防につながる可能性があります。
夫婦間合意書の作成でお悩みの方へ
夫婦間合意書は、記載内容によって実用性や将来の紛争予防効果が大きく変わる場合があります。不倫問題、モラハラ、生活費、別居、再発防止条項などでお悩みの場合は、文案作成について行政書士へ相談する方法もあります。大倉行政書士事務所では、奈良県・大阪府を中心に全国対応で各種合意書作成のご相談を承っております。



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