婚約証明書は、結婚を約束した事実を当事者間で明確に残すための書面です。
婚約そのものは口約束でも成立し得ますが、後日の認識違いや婚約解消・婚約破棄のトラブルに備えるためには、書面として残しておくことが有効です。
婚約証明書とは
婚約証明書とは、男女双方が将来婚姻する意思を有し、互いに婚約した事実を確認するための書面です。一般的には、婚約した日、当事者の氏名、婚姻予定時期、婚約の意思、署名押印などを記載します。
婚約は、法律上、必ずしも書面がなければ成立しないものではありません。しかし、口頭の約束だけでは、後に「婚約したつもりはなかった」「結婚の話はしていたが正式な婚約ではない」など、当事者間で認識の違いが生じることがあります。
そのため、婚約証明書を作成しておくことで、婚約の事実や双方の意思を明確にし、将来の不安やトラブルを予防することができます。
婚約証明書を作成するメリット
婚約日や婚姻予定時期を記録し、双方の認識を整理できます。
結婚に向けた約束を形に残すことで、精神的な安心につながります。
婚約解消や婚約破棄が問題となった場合、資料の一つとなる可能性があります。
婚約証明書の記載例
婚約証明書には、一般的に次のような事項を記載します。
- 婚約者双方の氏名・住所・生年月日
- 婚約した日
- 婚姻予定時期
- 双方が婚姻意思を有していること
- 署名押印

記載例(婚約証明書)
婚約証明書
本証明書は、下記当事者間において、将来婚姻する意思に基づく婚約の意思表示がなされ、その内容につき相互に確認がされたことについて、立会人である行政書士の立会いのもと作成されたことを証するため、本書を作成するものです。
1 婚約者
甲(婚約者)
氏名:○○ ○○
住所:○○県○○市○○町○丁目○番○号
生年月日:平成○年○月○日
乙(婚約者)
氏名:○○ ○○
住所:○○県○○市○○町○丁目○番○号
生年月日:平成○年○月○日
2 婚約の確認
甲および乙は、令和○年○月○日、双方の自由かつ真摯な意思に基づき、将来婚姻することを約して婚約したことを、ここに相互に確認します。
甲および乙は、本婚約の趣旨を尊重し、互いに誠実、信義かつ協力的に行動し、婚姻に向けて必要となる準備、協議、調整その他の事項について、円満かつ誠実に対応するものとします。
また、婚約に伴う具体的な権利義務、婚姻に向けた準備事項、費用負担その他婚約に関連する個別の事項については、別紙「婚約契約書」において定めるものとします。
3 作成および立会い
本証明書は、甲乙双方の申出に基づき作成され、甲乙が本書記載内容を確認のうえ、自らの意思により署名押印するものであり、その作成および署名押印の場に立会人である行政書士が立ち会ったことを証します。
なお、立会人である行政書士は、甲乙双方の本人確認書類の提示を受け、本人確認を実施したうえで、本証明書の作成および署名押印に立ち会ったものです。
本書は3通作成し、甲、乙および立会人が各1通を保有します。
甲(婚約者)
住所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
氏名 __________________ ㊞
乙(婚約者)
住所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
氏名 __________________ ㊞
立会人
上記婚約証明書の作成および甲乙による署名押印について、当職が立ち会ったことを証します。
令和○年○月○日
大倉行政書士事務所
行政書士 大倉 雄偉 ㊞
事務所所在地 奈良県生駒市山崎町3番11-1号
婚約証明書には婚約契約書もあわせて作成する方法があります
婚約証明書は、主に「婚約した事実」を確認する書面です。一方で、婚約契約書は、婚約後の具体的な約束や、婚約解消時の対応などを整理するための書面です。
たとえば、結婚準備費用の負担、同居開始時期、結婚式費用の分担、婚約解消時の精算方法などを、当事者の事情に応じて記載することがあります。
婚約証明書だけでは不十分な場合には、婚約契約書をあわせて作成することで、より具体的な合意内容を残すことができます。
婚約契約書の記載例
婚約契約書とは、婚約期間中における当事者間の約束ごとを明確にするための契約書です。婚約証明書が「婚約した事実」を証する書面であるのに対し、婚約契約書は、婚姻に向けた準備や費用負担、婚約期間中の取り決めなど、より具体的な合意内容を定めるものです。
ポイント
婚約契約書は、いわゆる「婚前契約書(プレナップ)」とは異なります。
婚前契約書は、結婚後の財産管理、生活費負担、離婚時の財産分与等を定める契約書であるのに対し、婚約契約書は、婚約から婚姻成立までの期間における約束を整理するものです。
記載例(婚約契約書)
婚約契約書
甲 ○○ ○○(以下「甲」といいます。)および乙 ○○ ○○(以下「乙」といいます。)は、令和○年○月○日に成立した婚約に関し、以下のとおり契約を締結します。
第1条(婚約の確認)
甲および乙は、双方の自由かつ真摯な意思に基づき、将来婚姻することを約して婚約していることを相互に確認します。
第2条(誠実協力義務)
甲および乙は、本婚約の趣旨を尊重し、互いに誠実かつ信義に従って行動し、婚姻成立に向けて必要となる準備、協議、調整その他の事項について協力するものとします。
第3条(婚姻時期)
甲および乙は、令和○年○月頃を目途として婚姻届の提出を目指し、具体的な時期については相互に協議のうえ決定するものとします。
第4条(費用負担)
婚姻に向けた準備に要する費用(結婚式、住居契約、引越し費用その他これに関連する費用)の負担については、甲乙協議のうえ決定するものとします。
第5条(婚約解消時の協議)
甲または乙が婚約の解消を希望する場合には、相手方に対し誠実にその理由を説明し、必要な清算その他の対応について協議するものとします。
第6条(合意管轄等)
本契約に関して疑義が生じた場合には、甲乙は互いに誠実に協議し、円満な解決に努めるものとします。
こんな方におすすめです
- 過去に婚約解消を経験し、次の婚約では書面を残しておきたい方
- 知人や友人が婚約破棄にあい、自分も不安を感じている方
- 婚約の事実をきちんと形に残しておきたい方
- 結婚準備費用や同居開始時期などを明確にしておきたい方
- 相手との信頼関係を前提に、将来のトラブルを予防したい方
婚約証明書や婚約契約書は、相手を疑うためだけの書面ではありません。むしろ、これから結婚に向かう二人が、お互いの意思や約束を確認し、安心して準備を進めるための書面です。
行政書士による婚約証明書の作成

当事務所では、婚約証明書および婚約契約書の作成に対応しています。ご事情をお聞きしたうえで、婚約の事実、婚姻予定時期、結婚準備に関する合意内容などを整理し、当事者の状況に合った文案を作成いたします。
また、ご希望に応じて、当事者双方が署名押印する場に立ち会うことも可能です。立会いをご希望の場合には、通常の書類作成費用とは別に費用が必要となります。
よくある質問
婚約証明書は法的に意味がありますか?
婚約証明書は、婚約の事実や双方の意思を示す資料の一つとなり得ます。ただし、婚約の成立や損害賠償の可否は、交際経緯、結婚準備の状況、親族への紹介、結納、式場予約など、複数の事情を総合して判断されます。
婚約証明書だけで婚約破棄の慰謝料請求はできますか?
婚約証明書は有力な資料となる場合がありますが、それだけで必ず慰謝料請求が認められるとは限りません。婚約破棄の理由、相手方の行為、損害の有無なども重要です。
婚約証明書と婚約契約書の違いは何ですか?
婚約証明書は、主に婚約の事実を確認する書面です。婚約契約書は、婚約後の具体的な約束や、費用負担、婚約解消時の対応などを定める書面です。
二人だけで作成しても有効ですか?
二人で署名押印して作成することも可能です。ただし、内容に不備があると、後に意味が弱くなる可能性があります。重要な内容を含む場合は、専門家に文案を確認してもらうことをおすすめします。
親や第三者の立会いは必要ですか?
必須ではありません。ただし、作成時の状況を明確にしたい場合や、将来の争いを防ぎたい場合には、第三者の立会いを検討することもあります。
婚約証明書に金銭の約束を書いてもよいですか?
内容によります。
結婚準備費用の分担や婚約解消時の精算方法などを記載することはありますが、一方に過度な負担を課す内容は問題となる可能性があります。
婚約証明書は公正証書にできますか?
内容によっては公正証書化を検討することもあります。ただし、すべての婚約証明書を公正証書にする必要があるわけではありません。目的や記載内容に応じて判断します。
婚約証明書の作成を行政書士に依頼できますか?
はい。行政書士は、当事者の意思を整理し、婚約証明書や婚約契約書などの権利義務に関する書類作成に対応できます。ただし、紛争性が高い交渉や相手方との代理交渉は、弁護士の業務領域となります。
婚約証明書・婚約契約書の作成でお困りの方へ
婚約証明書は、結婚に向けた大切な意思を形に残す書面です。不安をあおるためではなく、将来の誤解やトラブルを防ぎ、安心して結婚準備を進めるために活用できます。
当事務所では、ご事情に応じて、婚約証明書・婚約契約書の文案作成に対応しております。必要に応じて、立会いによる作成にも対応可能です。
※立会いをご希望の場合は、別途費用が必要です。
※紛争性が高い案件や相手方との交渉が必要な場合には、弁護士への相談が適切となる場合があります。
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