離婚届の書き方【2026年新様式】共同親権欄・証人欄・訂正方法を行政書士が解説 - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2026.09.27

離婚届の書き方【2026年新様式】共同親権欄・証人欄・訂正方法を行政書士が解説

離婚届の書き方【2026年新様式】共同親権欄・証人欄・訂正方法を行政書士が解説

離婚について夫婦間で話し合いがまとまった後、法律上の離婚を成立させるために必要となるのが離婚届です。記入する項目自体はそれほど多くありませんが、本籍や戸籍の筆頭者、離婚後の氏、未成年の子の親権、証人欄など、普段あまり意識しない事項を記載するため、実際に用紙を前にすると迷う方も少なくありません。

さらに、2026年(令和8年)4月1日から離婚後の親権制度が改正され、離婚届も新しい様式に変更されました。未成年の子がいる夫婦については、父母の一方を親権者とする単独親権だけでなく、父母双方を親権者とする共同親権を選択できるようになったためです。

重要なポイント

2026年4月1日以降に未成年の子がいる夫婦が離婚届を提出する場合は、新様式を利用するのが基本です。旧様式を使う場合には別紙の提出が必要になることがあるため、以前に入手した離婚届をそのまま使用する場合は注意してください。

この記事では、2026年9月時点の法務省や自治体の案内を踏まえ、離婚届の基本的な書き方、新様式で変わった部分、証人欄、離婚後の氏や戸籍、書き間違えた場合の訂正方法まで順番に解説します。

2026年4月から離婚届の様式が変わった

2024年に成立した民法等の改正が2026年4月1日に施行され、離婚後の未成年の子について、父母双方を親権者とする共同親権を選択できる制度が始まりました。

これに合わせて、全国の市区町村で使用される離婚届についても様式が変更されています。生駒市の案内でも、新しい離婚届には「父母双方が親権を行う子」を記載する欄などが追加されたことが案内されています。

確認項目 2026年3月31日まで 2026年4月1日以降
離婚後の親権 父または母の一方を指定 父母双方または父母の一方を指定できる
未成年の子の氏名欄 父・母のどちらが親権者かを記載 共同親権、父の単独親権、母の単独親権などに対応
旧様式の利用 通常どおり利用 未成年の子がいる場合は別紙が必要になることがある
協議離婚時の確認 従来様式 親権について真意に基づいて合意したことを確認する欄が設けられている

未成年の子がいない夫婦については、自治体によっては旧様式でも提出できると案内されています。一方、未成年の子がいる場合は新様式を使用した方が手続をスムーズに進めやすいでしょう。

離婚届を書く前に確認しておきたいもの

離婚届を書き始める前に、住所、本籍、戸籍の筆頭者などを確認しておくと記載ミスを防ぎやすくなります。特に「住所」と「本籍」は別の情報です。

確認するもの 主な目的
現在の住所 離婚届の住所欄を正確に記載するため
現在の本籍・筆頭者 本籍欄を正確に記載するため
夫婦の生年月日 届出人情報の確認
未成年の子の氏名 親権に関する欄を記載するため
離婚後の氏・戸籍の方針 婚姻前の氏に戻るか、婚姻中の氏を続けるかを整理するため
証人2人 協議離婚では成年の証人2人の署名が必要
本人確認書類 窓口で届出人の本人確認を受ける場合に備えるため

2024年3月1日以降、戸籍届出時の戸籍謄本の添付は原則として不要となっています。ただし、戸籍の状況などによって例外的に確認書類が必要になる場合があるため、特殊な事情がある場合には提出先の市区町村へ事前に確認しておくと安心です。

離婚届の基本的な書き方

届出日を記入する

離婚届の最初には、実際に市区町村へ届け出る年月日を記載します。協議離婚は、単に夫婦が離婚に合意しただけでは戸籍上の離婚とはならず、離婚届が受理されることによって効力が生じます。

「話し合いで離婚すると決めた日」と「離婚届を提出する日」が同じとは限らないため、予定だけで日付を記入して長期間保管するより、提出時期が決まってから記載した方が間違いを防ぎやすいでしょう。

夫・妻の氏名と生年月日を書く

氏名は、離婚する前、つまり婚姻中の現在の氏で記載します。離婚後に旧姓へ戻る予定であっても、届出時点ではまだ婚姻中です。

届出人の署名については本人が行います。戸籍届書への押印は現在は原則として不要であり、任意で押印することはできます。

離婚後の名字を先に書かないよう注意

離婚後に婚姻前の氏へ戻る人であっても、離婚届の夫・妻の氏名欄には離婚前の現在の氏名を記載します。

住所を住民登録どおりに記載する

住所欄は、原則として現在住民登録している住所を記載します。離婚に合わせて転居する場合には、住民異動の届出との関係が生じるため、離婚届だけで住所変更まで完了すると考えないようにしましょう。

離婚届と転入・転居・転出などはそれぞれ異なる手続です。同じ日に手続する場合には、窓口で処理の順序を確認するとスムーズです。

本籍と筆頭者を確認する

本籍欄には現在の夫婦の戸籍上の本籍を記載します。住所と本籍が同じとは限りません。

また、「筆頭者」は世帯主とは別の概念です。住民票上の世帯主が夫であっても、戸籍の筆頭者が必ず夫であるとは限りません。不明な場合は戸籍情報を確認してから記入するのが確実です。

2026年の新様式で特に重要な「未成年の子」の欄

2026年4月以降の離婚届で最も大きく変わった部分が、未成年の子の親権に関する記載です。

新しい様式では、未成年の子について、事情に応じて次のような区分で記載できるようになっています。

区分 意味
父母双方が親権を行う子 離婚後も父母双方を親権者とする場合
父が親権を行う子 父のみを親権者とする場合
母が親権を行う子 母のみを親権者とする場合
親権者指定の家事審判・家事調停が申し立てられている子 家庭裁判所で親権者の指定に関する手続が進行している場合

共同親権と単独親権のどちらかが法律上の一律の原則とされているわけではありません。父母が協議離婚をする場合には、子の利益を考えながら、父母双方を親権者とするか一方のみを親権者とするかを話し合って決めます。

新しい離婚届には、協議離婚で親権者を定めた場合、共同親権・単独親権の意味を理解し、真意に基づいて合意したことを確認する項目も設けられています。

親権欄は形式的に決める項目ではありません。

子の生活場所、学校、医療、日常の養育、父母間の連絡方法など、離婚後の生活を踏まえて検討することが重要です。DVや虐待のおそれがあるなど、安全に関わる事情がある場合は、無理に当事者同士だけで協議を続けず、適切な相談機関や法律専門職へ相談してください。

共同親権を選ぶと何でも二人で決めるのか

共同親権という言葉から、「離婚後は子に関することを何でも元配偶者と相談しなければならない」と考える方もいますが、制度はそれほど単純ではありません。

改正民法では、共同親権の場合でも、日常の監護・教育に関する行為や、子の利益のため急迫の事情がある場合など、父母の一方が単独で親権を行使できる場面があります。

一方、進学、転居、医療などについては具体的な事情によって判断が異なる可能性があります。離婚届の親権欄だけを完成させるのではなく、離婚後にどのように子を養育していくのかを具体的に整理しておくことが大切です。

離婚後の氏と戸籍の欄はどう書く?

婚姻によって氏を変更した人は、離婚すると原則として婚姻前の氏に戻ります。離婚届には、その人が離婚後にどの戸籍へ入るかなどを記載する欄があります。

主な選択肢は、婚姻前の戸籍へ戻る方法と、新しい戸籍を作る方法です。ただし、婚姻中に使用していた氏を離婚後も引き続き名乗りたい場合には、別途「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出します。

この届出は離婚届と同時に行うこともできますし、離婚後3か月以内であれば提出できます。

離婚届と「離婚の際に称していた氏を称する届」を別の日に提出した場合、いったん婚姻前の氏へ戻った後、婚姻中の氏を称する処理になる点にも注意が必要です。仕事や銀行口座、各種契約などで氏の変更が影響する方は、離婚届を提出する前に方針を整理しておきましょう。

離婚しても子どもの戸籍は自動では移らない

離婚により父母の戸籍が分かれても、子の戸籍が自動的に親権者の戸籍へ移動するわけではありません。

例えば、母が婚姻前の氏に戻って新しい戸籍を作り、子を母と同じ氏・戸籍にしたいケースでは、家庭裁判所における子の氏の変更許可と、その後の入籍届が必要になる場合があります。

「親権者になること」と「子が自分と同じ戸籍に入ること」は別の問題です。離婚届の提出だけですべての戸籍手続が完了するわけではありません。

協議離婚では証人2人の署名が必要

協議離婚の場合、離婚届には成年の証人2人の署名が必要です。成年年齢は18歳ですので、18歳以上で意思表示のできる人であれば、親族や友人などに依頼できます。

証人は「離婚後の条件を保証する人」ではありません。夫婦が離婚する意思を有していることを証するために署名する立場です。

項目 協議離婚 裁判離婚
証人 成年2人が必要 原則不要
届出人 夫・妻 調停・審判・判決等の内容に応じる
添付書類 通常は離婚届が中心 調停調書、審判書、判決書などが必要になる

証人欄も証人本人に記入してもらうことが基本です。押印は任意ですが、氏名、生年月日、住所、本籍などの記入内容に誤りがないか確認してもらいましょう。

離婚届に印鑑は必要?

現在、戸籍届書への押印は原則として不要です。離婚届についても、夫・妻や証人は署名を行い、押印は任意とされています。

以前の離婚届の記入例などを見ると印鑑が必要であるように感じる場合がありますが、現在は制度が変更されています。

押印不要でも「署名不要」という意味ではありません。協議離婚の届出人である夫婦や証人については、それぞれ必要な署名を行う必要があります。

離婚届を書き間違えたときの訂正方法

戸籍届書を書き間違えた場合、修正液や修正テープで文字を見えなくしてしまう方法は避けてください。

一般的には、誤って記載した部分に二重線を引き、近くの余白へ正しい内容を記載する方法が案内されています。自治体によって欄外への署名など細かな取扱いが異なる場合がありますので、大きな訂正や署名欄の訂正があるときは提出先へ確認すると確実です。

避けたい訂正方法

修正液で消す、修正テープを貼る、消えるボールペンを使用するなど、元の記載が確認できなくなる方法は使用しないでください。記載箇所が大きく崩れてしまった場合は、新しい用紙へ書き直す方が安全です。

2026年4月以前に受け取った古い離婚届は使える?

未成年の子がいない場合については、2026年4月1日以降も旧様式を使用できると案内している自治体があります。

一方、未成年の子がいる夫婦の場合、旧様式には共同親権に対応する記載欄がありません。そのため、生駒市、奈良市、東大阪市などでは、旧様式を利用する場合に別紙の添付が必要になる旨が案内されています。

未成年の子がいるのに旧様式だけを提出すると、その場で受理できない場合があります。市役所などで現在の新様式を入手してから記入する方法が確実です。

本人確認書類も用意しておく

離婚届は、虚偽の戸籍届出を防止するため本人確認の対象となる届出です。窓口へ行く場合は、マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど、有効な本人確認書類を持参するとよいでしょう。

本人確認書類を持っていないことだけを理由として直ちに離婚届が提出できなくなるわけではなく、本人確認ができなかった届出人へ受理した旨の通知が送付される取扱いが行われる場合もあります。

ただし、不受理申出がされているケースなどでは通常と扱いが異なるため、事前の確認が必要です。

離婚届を書く前に離婚条件も書面化しておく

離婚届に記載するのは、氏名、本籍、親権など戸籍上必要となる事項が中心です。養育費、財産分与、慰謝料、親子交流、住宅や自動車の名義、生命保険などの離婚条件を詳細に書くための書類ではありません。

したがって、離婚届だけ提出し、「お金のことは後から決めればよい」と考えると、離婚成立後に話合いが難しくなることがあります。

離婚届 離婚協議書等で整理する事項
離婚する意思 養育費の金額・支払日・支払期間
氏・戸籍 財産分与
未成年の子の親権 慰謝料
証人 親子交流
戸籍上必要な事項 自動車・保険・住宅など個別財産の扱い

特に未成年の子がいる場合は、離婚届を完成させることだけを目的とせず、離婚後の生活に必要な事項まで整理しておくことが重要です。養育費については2026年4月から法定養育費制度も始まりましたが、法定養育費はあくまで取決めがない場合の暫定的な制度です。

生駒市周辺で離婚届を準備する場合

奈良県生駒市の大倉行政書士事務所では、離婚に伴う書面作成について相談を受けています。離婚届そのものは市区町村に提出する戸籍届ですが、離婚条件について合意できている場合には、養育費や財産分与などを離婚協議書として整理する方法や、公正証書化に向けた書面準備を検討することができます。

生駒市を拠点として、奈良市、東大阪市、大阪市など周辺地域から離婚に関する書面作成を検討される場合も、離婚届だけでなく「離婚後に何を約束として残しておく必要があるのか」という視点で準備することが大切です。

なお、夫婦間で条件について争いがあり、交渉や裁判手続が必要となっている場合は、行政書士による書面作成の範囲ではなく、弁護士への相談が適切となることがあります。

よくある質問

2026年4月より前にもらった離婚届は使えますか?

未成年の子がいない場合は旧様式でも差し支えないと案内する自治体があります。未成年の子がいる場合は共同親権に対応する別紙が必要になることがあるため、新様式を使用する方法が確実です。

離婚届に印鑑は必要ですか?

戸籍届書への押印は現在原則不要で、離婚届についても押印は任意です。ただし、夫婦や証人の必要な署名まで不要になったわけではありません。

離婚届を間違えたら修正テープで直せますか?

修正液や修正テープは使用せず、一般的には誤った部分を二重線で訂正して正しい内容を記載します。細かな訂正方法は提出先の市区町村へ確認してください。

共同親権を選べば子どもの戸籍も父母両方に入るのですか?

親権と戸籍は別の制度です。共同親権を選択したことによって子どもの戸籍が二つになるわけではありません。また、離婚によって親の戸籍が変わっても、子の戸籍が当然に同じ戸籍へ移るわけではありません。

離婚届を書けば養育費の約束も成立しますか?

離婚届は戸籍上の離婚を届け出る書類であり、通常、養育費の具体的な金額や支払期間などを定める書類ではありません。養育費等について合意できている場合は、離婚協議書や公正証書など別の書面に整理することを検討します。

まとめ

2026年4月1日から離婚届は新様式となり、未成年の子について共同親権、父の単独親権、母の単独親権などを記載できる形に変更されました。

離婚届を書く際は、住所と本籍の違い、離婚後の氏と戸籍、証人2人の署名、未成年の子の親権欄などを一つずつ確認することが重要です。書き間違えた場合も修正液で消すのではなく、適切な方法で訂正しましょう。

そして、離婚届はあくまで離婚を戸籍に反映するための書類です。養育費、財産分与、慰謝料、親子交流その他の離婚条件について合意している場合は、離婚成立後のトラブルを避けるためにも、必要に応じて別途書面へ整理しておくことが大切です。

参考サイト

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