離婚届を勝手に出されるのを防ぐには?不受理申出の手続・有効期間・取下げを行政書士が解説【2026年版】 - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2026.09.27

離婚届を勝手に出されるのを防ぐには?不受理申出の手続・有効期間・取下げを行政書士が解説【2026年版】

離婚届を勝手に出されるのを防ぐには?不受理申出の手続・有効期間・取下げを行政書士が解説【2026年版】

「自分はまだ離婚に同意していないのに、配偶者が離婚届を提出してしまうのではないか」「以前は離婚するつもりで離婚届に署名したが、その後気持ちが変わった」という場合に知っておきたいのが、離婚届の不受理申出です。

協議離婚は、市区町村が離婚届を受理することによって効力が生じます。そのため、自分の意思に基づかない離婚届が提出されるおそれがあるときは、事前に不受理申出をしておくことが重要です。

離婚届の不受理申出とは、本人の意思に基づかない協議離婚届について、申出をした本人が窓口に来たことを確認できない限り受理しないよう、あらかじめ市区町村へ申し出ておく制度です。

現在の制度では、原則として申出人が取り下げない限り効力が続きます。

この記事では、離婚届の不受理申出について、どのような場合に利用できるのか、提出先、必要書類、有効期間、取下げ方法、郵送や代理人による手続の可否などを、2026年時点の公的情報をもとに解説します。

離婚届の不受理申出とは

不受理申出は、戸籍法に基づき、本人の意思に反する婚姻や離婚などの戸籍届出が受理されることを防止するための制度です。

離婚について対象となるのは、夫婦の合意によって成立する協議離婚です。

通常、離婚届が役所へ提出された場合には、窓口に来た人について本人確認が行われます。しかし、本人確認ができない人がいたという理由だけで、通常の離婚届が必ず不受理になるわけではありません。

一方、あらかじめ不受理申出をしている場合は、その申出をした本人について窓口で本人確認ができない限り、対象となる協議離婚届を受理しない取扱いになります。

項目 通常の離婚届 不受理申出をしている場合
本人確認 窓口に来た人について実施 申出人本人が窓口に来たことの確認が重要
本人が来庁していない場合 本人確認ができなくても、要件を満たせば受理される場合がある 原則として申出人本人の来庁確認ができなければ対象届出は受理されない
主な目的 通常の協議離婚手続 意思に反する届出を防止すること

重要:不受理申出は、相手方との離婚協議を一方的に終了させる制度ではありません。また、離婚そのものを永久に禁止する制度でもありません。

あくまでも「本人が離婚届を出す意思を確認できない状態で、協議離婚届が受理されること」を防ぐ制度です。

どのような場合に不受理申出を検討するのか

離婚届の不受理申出は、特に次のような状況で検討されます。

離婚すること自体についてまだ合意していない場合

夫婦間で離婚の話し合いは始まっているものの、自分としてはまだ離婚に同意していない場合があります。

相手方から「離婚届はもう持っている」「勝手に出す」などと言われ、実際に提出される可能性が心配な場合、不受理申出によって本人の意思に反する協議離婚届の受理を防ぐことができます。

以前署名した離婚届を相手方が持っている場合

離婚について一度は合意し、離婚届に署名したものの、役所へ提出される前に事情が変わることもあります。

生駒市も、不受理申出が利用される例として、本人が届書に署名したものの、提出前に届出の意思がなくなった場合を案内しています。

以前自分で署名した離婚届であっても、役所へ提出される時点で離婚する意思がなくなっている場合には、そのままにしておかず早めに市区町村へ相談することが大切です。

別居中で相手方の行動が分からない場合

別居中は、相手方がどのような書類を保管しているのか分からないケースがあります。

過去に記入した離婚届が相手方の手元にある場合や、提出される可能性について具体的な不安がある場合には、不受理申出を検討する余地があります。

不受理申出はいつから効力が生じるのか

不受理申出で特に重要なのが、離婚届より先に手続をする必要があるという点です。

市区町村が不受理申出を受け付ける前に、すでに有効な離婚届が受理されている場合、不受理申出によってその受理を遡って止めることはできません。

「提出されてから不受理申出をすればよい」という制度ではありません。

離婚届を勝手に提出される具体的なおそれがある場合には、提出される前の対応が必要です。

すでに離婚届が受理されてしまった後に、その離婚の有効性自体を争う必要がある場合は、不受理申出とは別の問題になります。家庭裁判所での手続や法的対応が必要となる可能性があるため、弁護士等への相談を検討してください。

不受理申出に有効期限はある?6か月で切れる?

不受理申出について、「6か月ごとに出し直さなければならない」と考えている方もいます。

しかし、現在の制度では、不受理申出は原則として申出人が取り下げない限り有効とされています。

現在は「6か月経過すると自動的に失効する」という取扱いではありません。

項目 現在の取扱い
有効期間 原則として取下げをするまで継続
6か月後 自動的に失効する制度ではない
不要になった場合 申出人本人が取下げの手続を行う

長期間にわたって申出をしたこと自体を忘れてしまうと、後日、自分が協議離婚をする際に手続の確認が必要になることがあります。不受理申出をした場合は、申出日や申出先を自分でも控えておくとよいでしょう。

離婚届の不受理申出ができる人

協議離婚について不受理申出ができるのは、夫または妻本人です。

自分が届出人となる離婚届について、自分の意思に反して届け出られることを防止する制度であるためです。

たとえば、親が成人した子どもの離婚届について「離婚させたくない」という理由で不受理申出をすることはできません。

また、夫が妻の名義で不受理申出をしたり、妻が夫の名義で不受理申出をしたりすることもできません。それぞれの本人が、自分自身について申出を行う必要があります。

不受理申出はどこに提出する?

不受理申出は、原則として申出人本人が市区町村の戸籍担当窓口へ出向いて行います。

法務省の案内では、主な申出先は次のとおりです。

  • 申出人の本籍地の市区町村役場
  • 申出人の住所地や所在地の市区町村役場

つまり、本籍地と現在住んでいる市区町村が異なる場合でも、住所地等の市区町村で申出できる場合があります。

奈良県生駒市にお住まいの方は、生駒市役所の市民課が不受理申出について案内しています。窓口や受付方法について不明な点がある場合には、訪問前に市民課へ確認しておくと安心です。

急いで不受理申出をしたい場合

不受理申出は、相手方の離婚届より先に受付されていることが重要です。具体的に離婚届を提出されるおそれがある場合は、受付可能な窓口や時間を事前に市区町村へ確認してください。

不受理申出に必要なもの

一般的には、次のものを準備します。

必要なもの 内容
不受理申出書 市区町村の戸籍担当窓口で取得できるほか、自治体によってはホームページからダウンロードできます。
本人確認書類 マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど、官公署が発行した顔写真付きの本人確認書類等を使用します。
その他 自治体の案内により追加確認が必要となる場合があるため、提出先へ事前確認すると確実です。

法務省の案内では、不受理申出について手数料・利用料金は不要とされています。

不受理申出の手続の流れ

基本的な流れを整理すると、次のようになります。

手順 内容
1 離婚届を提出される可能性があるか状況を確認する
2 本人確認書類を準備する
3 市区町村の戸籍担当窓口へ本人が出向く
4 離婚届の不受理申出書を提出する
5 受付後、必要に応じて申出日や申出先を自分でも控えておく

不受理申出をした後、申出人本人が来庁していることを確認できない状態で対象となる協議離婚届が提出された場合、その離婚届は受理されません。

不受理申出は郵送できる?代理人に頼める?

不受理申出は本人確認を非常に重視する制度です。

そのため、原則として本人が役所の戸籍担当窓口へ出向いて手続する必要があり、使者や代理人による提出、郵送による提出はできません。

これは、「本人の意思に反する戸籍届出を防ぐ」という制度である以上、不受理申出そのものが本当に本人の意思によるものかを確認する必要があるためです。

どうしても本人が窓口へ行けない場合

病気などの事情により、本人がどうしても窓口へ出向けない場合には例外的な方法が認められることがあります。

生駒市では、本人が役所へ出頭できない場合について、公証役場で公正証書を作成する方法や、私署証書について公証人の認証を受けた書面を準備する方法を案内しており、その場合には郵送提出が可能となる場合があるとしています。

この例外手続は、通常の郵送申請とは異なります。単に不受理申出書と本人確認書類のコピーを郵送すればよいわけではありません。

本人が窓口へ行けない事情がある場合は、書類を作成する前に提出先の市区町村へ具体的な方法を確認してください。

不受理申出をした後に離婚したくなった場合

不受理申出をした後に夫婦で話し合いがまとまり、「やはり協議離婚することにした」というケースもあります。

この場合、不受理申出をした本人が不受理申出の取下げを行うことができます。

取下げについても本人確認が必要となるのが基本です。自治体では「不受理申出取下書」を提出する方法が案内されています。

また、不受理申出がされている状態でも、申出人本人が離婚届提出時に窓口へ出向き、本人であることが確認できれば受理できると案内している自治体があります。

実際に離婚届を提出する段階では、不受理申出の取下げを先に行うのか、離婚届とあわせてどのような手続を行うのかを、届出予定の市区町村へ確認すると確実です。

不受理申出では止められない離婚もある

不受理申出の対象となるのは、本人の意思表示によって成立する協議離婚です。

調停、審判、判決などによって成立する裁判上の離婚については、同じようには扱われません。

離婚の種類 不受理申出との関係
協議離婚 不受理申出の対象
調停離婚 原則として対象外
審判離婚 原則として対象外
判決離婚 原則として対象外

そのため、不受理申出をしているからといって、裁判所を利用した離婚手続まで一切できなくなるわけではありません。

不受理申出は「離婚を拒否し続けるための制度」ではなく、「自分の意思を確認できないまま協議離婚届が受理されることを防ぐ制度」と理解しておくことが大切です。

2026年4月からの離婚届の変更との関係

2026年4月1日から、離婚後の子の養育に関する民法等の改正が施行され、未成年の子がいる場合には、父母双方が親権を行う共同親権を選択できる制度が始まりました。

これに伴い、離婚届の様式も変更されています。

しかし、この法改正によって離婚届の不受理申出制度がなくなったわけではありません。2026年4月以降も、協議離婚について本人の意思に基づかない届出を防ぐために不受理申出を利用できます。

未成年の子がいる夫婦が実際に離婚届を提出する場合には、不受理申出とは別に、2026年4月以降の離婚届の記載方法や親権に関する項目についても確認しておきましょう。

離婚条件については不受理申出とは別に整理する

離婚届を勝手に提出されることを防止できたとしても、それだけで離婚に伴う金銭や子どもに関する問題が解決するわけではありません。

協議離婚を進める場合には、状況に応じて次のような事項についても整理する必要があります。

  • 財産分与
  • 養育費
  • 慰謝料
  • 年金分割
  • 子どもとの面会交流
  • 住宅ローンや自動車などの財産の取扱い
  • 離婚後の氏や戸籍

口頭だけで合意すると、離婚後に「そのような約束はしていない」「金額が違う」といったトラブルになることがあります。

夫婦間で条件について合意できている場合には、離婚協議書として内容を書面化したり、養育費など継続的な金銭支払がある場合には公正証書の作成を検討したりすることも重要です。

生駒市・奈良市周辺で離婚手続を進める方へ

奈良県生駒市の大倉行政書士事務所では、離婚に伴う書面作成など、行政書士が対応できる範囲の民事法務についてご相談を承っています。

不受理申出そのものは本人確認を前提とした制度であるため、原則としてご本人が市区町村の窓口で行う手続です。一方、その後の協議離婚に向けて夫婦間で合意した内容を書面に残したい場合などには、離婚協議書や公正証書に関する手続を検討することができます。

生駒市を拠点として、奈良市、東大阪市、大阪市など周辺地域からのご相談にも対応しています。

大倉行政書士事務所

事務所名 大倉行政書士事務所
所在地 奈良県生駒市山崎町3番11-1
電話番号 0743-83-2162
受付時間 9:00〜18:00
対応地域 生駒市・奈良市・東大阪市・大阪市およびその周辺地域
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離婚届の不受理申出に関するよくある質問

離婚届の不受理申出をすると相手に通知されますか?

不受理申出は市区町村に対して行う戸籍上の手続です。相手方への通知方法や、実際に対象となる届出が提出された場合の取扱いについては状況によって確認が必要となるため、申出先の市区町村へお問い合わせください。

以前署名した離婚届でも不受理申出はできますか?

提出前に離婚する意思がなくなった場合には、不受理申出を検討できます。生駒市も、本人が届書に署名した後、届出前に意思がなくなった場合を不受理申出の利用例として案内しています。重要なのは、離婚届が受理される前に手続することです。

不受理申出は6か月ごとに更新が必要ですか?

現在の制度では、原則として申出人が取下げをしない限り効力が続きます。6か月ごとに自動的に失効する制度ではありません。

不受理申出を行政書士や家族に代理提出してもらえますか?

原則としてできません。不受理申出は本人確認を重視する制度であり、申出人本人が戸籍担当窓口へ出向いて手続するのが基本です。本人が出頭できない事情がある場合には例外的な方法が認められることがあるため、市区町村へ事前に確認してください。

不受理申出をしていても後から離婚できますか?

できます。夫婦で離婚する意思が固まった場合には、不受理申出の取下げを行う方法などがあります。また、申出人本人が離婚届提出時に窓口へ来庁し本人確認を受ける方法について案内している自治体もあります。実際の提出時には届出先へ確認してください。

すでに離婚届を出されてしまった後でも不受理申出で取り消せますか?

不受理申出は、申出が受け付けられた後に提出される対象届出について受理を防ぐ制度です。すでに受理された離婚届を遡って取り消す制度ではありません。すでに受理されている場合は、状況に応じて家庭裁判所での手続等が必要になる可能性があるため、専門家へ相談してください。

まとめ

離婚届の不受理申出は、自分の意思に反して協議離婚届を提出されることを防止するための重要な制度です。

特に、相手方が離婚届を持っている場合、以前離婚届に署名したものの現在は離婚する意思がない場合、勝手に離婚届を提出すると言われている場合などには、早めに制度を確認しておく必要があります。

ポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 対象は主に協議離婚届
  • 申出できるのは夫または妻本人
  • 原則として本人が市区町村の窓口で申出する
  • 本人確認書類が必要
  • 手数料は原則不要
  • 取下げをしない限り原則として効力が続く
  • すでに受理された離婚届を遡って止めることはできない

離婚届を提出される具体的なおそれがある場合には、「提出されてから」ではなく「提出される前」に対応することが重要です。

また、不受理申出によって届出を止めた後、実際に協議離婚を進める場合には、財産分与、養育費、慰謝料などの条件についても整理し、必要に応じて離婚協議書や公正証書として残すことを検討しましょう。

参考サイト

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