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2023.09.09

浮気防止の誓約書を作るには?行政書士が解説

浮気防止の誓約書を作るには?行政書士が解説

夫や妻が浮気していることがわかると悲しい気持ちや怒りなどさまざまな感情が湧き上がってくるかと思います。これまで一緒にいた期間を考えると、離婚まではしたくないけれど、これからの関係は修復できるのだろうか。このようにお悩みの方は、浮気を者に対し誓約書を書かせることをおすすめします。誓約書を作ることで、今後の浮気を予防することができ、万一離婚するに至った場合にでも、誓約書が後の証拠になる場合があります。

この記事では、浮気を防止する誓約書の種類や効力等を説明しながら、ご自身で有効な誓約書が作成できるように細かいところまで説明しております。また、行政書士は上記のようなお悩みをお抱えの方の誓約書を国家資格者として、法的に有効な誓約書の作成をサポート致します。

浮気防止の誓約書とは

浮気防止の誓約書ってなんだろう?

浮気を防止する誓約書とは、相手が浮気をした場合に「今後絶対に浮気をさせないように約束する書面」のことです。誓約書とは、誓約書にサインする者(誓約者)のみが相手に対し義務を負い、誓約書に記載された内容を守ることを目的に署名等を行うことで法的効力が生じるものです。誓約書は契約書と異なり、当事者双方が書面に署名や押印を行うわけではありませんので、浮気をした者が、相手方に対し自己の署名と押印がある誓約書を渡すことにより、誓約事項の遵守という法的効力が発生します。浮気以外のケースで良く用いられる誓約書としては、企業が入社時に社員に対し書かせる「入社誓約書」があります。入社誓約書は入社した社員が記載し、会社の判子がないのは誓約書であるからですね。

浮気防止の誓約書は口約束でも有効か?

浮気防止の誓約書は口約束でも有効か?

浮気の防止において、誓約書を書かせなくとも口約束において行った場合も有効なのでしょうか。結論は有効です。民法において契約は当事者の意思表示の合致があれば有効としています。そのため、誓約書等がなくとも口約束による契約は有効とされます。しかし、例外もございますのでご注意ください。例外のケースについては後述の(「浮気防止の誓約書の法的効力は?」と「浮気防止の誓約書に記載してはいけないこと」)で説明致します。

浮気防止の誓約書を口約束でするメリット・デメリット

口約束はデメリットの方が大きい?

上記より、口約束による誓約も有効であることは説明致しましたが、浮気防止の誓約書を口約束でするメリットとデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。以下見ていきましょう。

浮気防止の誓約書を口約束する―メリット

口約束で誓約するメリットとして、用紙やペン、印鑑等を用意すること無いため、食事の合間、運転中などいつでも気軽に夫婦で話し合いを行うことができます。

浮気防止の誓約書を口約束する―デメリット

口約束で浮気を防止するデメリットとしては、誓約者が誓約内容を軽く考えてしまうことや、後に言い争いになった時に誓約内容の証明ができないなど様々挙げられます。このことから、メリットで得られる効果と比較しても、デメリットがもたらす影響が大きいことが見受けられます。特に、誓約した内容の証拠が残らないというのは、裁判に至った場合に、事実を立証することが難しく大きなデメリットとなることは間違いありません。上記のことから、本気で相手の浮気を防止したいのであれば、口約束ではなく、誓約書において作成を確認しましょう。誓約書と聞くと、堅苦しいや内容がいっぱい書かれている書面とイメージしてしまい、作成を躊躇してしまいます。しかし、メモ書き程度の誓約書であっても、記載内容が有効であれば口約束以上の証拠力を有しますので、まずは、簡単な用紙で良いので紙に書くといったところから始めても良いかと思います。

浮気防止の誓約書の種類

浮気防止の誓約書と一言にいっても、実は浮気防止の誓約書には2種類存在します。それぞれ下記をご確認ください。

浮気防止の誓約書の種類の画像

浮気前の誓約書

1つ目は「浮気前に作成する誓約書」です。こちらの誓約書を作成するケースでは、浮気をしている確信は持っていないが「仕事から帰ってくるのが遅い」「女性と二人で食事しているのを見かけた」「最近よく一人で携帯を使用している」などといった状況の際に、浮気を予防するために作成します。浮気を予防することが目的ですので、誓約書には浮気(不貞行為)の確定がないので慰謝料の支払いは原則できません。女性と二人で食事をしているというのは、考え方や捉え方によっては浮気をしているのではないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、法律上で慰謝料が発生する浮気は不貞行為を含むものと考えられますですので、浮気前に作成する誓約書として記載しております。

浮気後の誓約書

もう1つの浮気防止の誓約書は「浮気後に作成する誓約書」です。こちらの作成目的は一度行った確定的な浮気を2度と繰り返さないことを約束させるために作成される誓約書です。利用されるケースとして「探偵事務所で浮気調査を依頼し不貞行為の確信的な証拠がある」「夫のメールを見てホテルなどで密会していることがわかった」等の確定的な浮気(不貞行為)がある場合に作成します。

浮気前と後の誓約書の記載事項の違い

上記より、浮気前の誓約書には「今後、夫(妻)以外の異性と二人で食事に行かない」と言ったような内容の誓約書になり、「食事をして傷ついたので慰謝料を支払う」という記載による慰謝料の請求は原則認められません。一方、浮気後の誓約書には「今回の不貞行為の慰謝料として○○円支払う。」という内容をすることは可能です。

浮気防止の誓約書を作成するメリットとは

浮気防止の誓約書を作成するメリットとは

浮気防止の誓約書を作成するメリットはどのようなものでしょうか。

浮気防止の誓約書作成メリット1(再発防止)

誓約書を書かせることで、浮気を行った夫(妻)に対し、浮気が不法行為として慰謝料が発生する違法行為であることを当事者に認識させるため、心理的なプレッシャーを与えることができます。浮気が発覚し、相手から「もう二度としません」と口約束をしても、口約束のため、年月の経過によりお互いが決めた内容を忘れる可能性があります。それを防止するためにも浮気をした夫(妻)に対し、「慰謝料」や「協議離婚に関する定め」を記載した誓約書を書かせることで、浮気に及んでしまうケースであっても上記のようなペナルティーがかせとなり、浮気を踏みとどめる可能性があります。

浮気防止の誓約書作成メリット2(離婚の交渉)

浮気が発覚した後の今後の浮気を防止する誓約書は、浮気による不貞行為の証拠となります。したがって、後から浮気をした配偶者から離婚を請求されたとしても、誓約書があることにより、「離婚の原因を作った配偶者(有責配偶者)からの離婚請求は信義に反する行為として原則認められない。」とされていますので、離婚を踏みとどませることができます。一方で、浮気されたことにより離婚を決めた夫や妻からの離婚請求の場合には、不貞行為という法律上の離婚原因があることを誓約書により証明することができますので、離婚が認められる可能性が高くなります。

浮気防止の誓約書作成メリット3(証拠)

上記のいずれのメリットにも当てはまりますが、やはり誓約書を作成することで一番大きなメリットは、証拠が残ることでしょう。わざわざ誓約書を書かせるのは気が引けると感じる方もいらっしゃいますが、誓約書は、いざというときに証拠として最大の効力を発揮してくれます。それは、夫婦の確認の際であったり、訴訟の際であったりさまざまです。口約束の場合、浮気をした本人が浮気後の誓約の内容を覚えていたとしても、「浮気は許してもらった。」や「そもそも浮気をしていない。」と嘘の証言をする可能性も否定できません。しかし、誓約書があればこのような事実が浮気した者の嘘の証言によってもみ消されることはありません。

浮気防止の誓約書を作る目的は?

目的を理解する重要性を示す画像

上述のとおり、浮気防止の誓約書を作成する目的は浮気をした者に対し、浮気の重大さを理解させる目的や浮気の再発防止、浮気事実を残すなどさまざまなことが挙げられます。浮気当事者は、浮気について深く考えておらず「相手にばれなければ大丈夫」や「相手にばれたとしても許してもらえばいい」というような軽い考えで実行してしまう方も中にはいます。浮気防止の誓約書を作成する理由は、人によってさまざまかと思いますが、なぜ今回浮気防止の誓約書を作成することを決めたか、自分が今後相手に一番求めることは何かを明確にし、目的をもって作成することが重要です。

浮気防止の誓約書の法的効力は?

浮気防止の誓約書には、法的効力はあるのでしょうか。誓約書であっても相手に誓約の意思があり署名した場合には、誓約書に法的効力があると言えます。ただし、誓約書の内容が公序良俗に反する場合には法的効力がありません。公序良俗とは、公の秩序や社会的に妥当性が認められる道徳観のことであり、公序良俗に反する内容は無効とされます。例えば、夫婦一方(夫)が浮気をした場合には、「妻が力いっぱいに殴り蹴る。」といった内容は公序良俗に反するため無効となると考えられます。また、このような暴力的な公序良俗に反する内容の他にも、「浮気した場合、3億円払う」と言った金銭的に社会的妥当性を欠く内容も公序良俗に反し無効とされるでしょう。公序良俗違反については、誓約書作成において重要ですので後文「浮気防止の誓約書に記載してはいけないこと」にも詳しく記載しております。

浮気防止の誓約書は浮気相手に作成させれる?

浮気防止の誓約書には、浮気相手にも誓約書を書かせることは可能です。しかし、実務上は浮気相手と浮気をされた夫(妻)が接触することは、ほとんどありませんのであまり用いられません。どうしても、浮気相手にも誓約書を書かせたいのであれば、まずは浮気した夫(妻)に対し、浮気相手を紹介させて三者間で面談すればよいでしょう。ちなみに、浮気による不貞行為が確認できている場合には、浮気相手に対し、不法行為の損害として慰謝料の請求を行うことが出来ます。

浮気防止の誓約書にこれは記載すべき

誓約書は漏れがなくの画像

いよいよ誓約書の作成について記載のポイントを以下に記載いたします。

浮気の事実確認

誓約書には、まず初めに浮気を行った者が浮気をした事実を記載しなければいけません。しかし「甲は乙と浮気をしたことを認める。」と言った内容で記載することはNGです。なぜなら、民法上に不法行為として認められているのはあくまで「不貞行為」であり「浮気」ではないからです。(「浮気」の定義に、一律で不貞行為を含むものとして、考えられていません。)つまり、本記事の記載にあたり「浮気」という表現により多く記載しているがこれは厳密にいうと「不貞行為」を含む浮気を指しています。そのため、誓約書には「甲は乙に対し、婚姻中に民法770条第1項に掲げる不貞行為を行い、貞操義務に違反した事実を認める。」といった表現が相当です。

不貞行為とは:婚姻関係にある夫婦のいずれか又は双方が他の異性と肉体関係を持つことをさします。不貞行為は民法上の不法行為及び法定離婚事由に該当します。

浮気を謝罪する内容

浮気された側は、悲しくもあり怒りもあふれていることでしょう。そのような状況で、相手から浮気に対する謝罪文がなければ、治まる感情も抑えられないかと思います。そのため、誓約書には謝罪に関する内容が記載されることが一般的です。謝罪の方法は口頭や謝罪文によってと様々ですが筆者は謝罪文による謝罪を進めております。謝罪文を書かせることで、万一の離婚裁判に際して、当時の浮気事実が誓約書により明白であり、謝罪文により反省をしていた事実を客観的に証明することができるためです。

浮気をしない約束と違反した場合のペナルティー

誓約書には、浮気の再発防止を記載しましょう。誓約書の名称が浮気防止の誓約書だからといって、記載しなくてよいわけではありません。当然であっても第三者が確認するケースを想定して記載しておくことが重要です。また、浮気を防止する誓約書には、今後、浮気をした場合のペナルティーに関する記載もするのが通常です。ペナルティーを記載するためにも、浮気の再発防止の記載は必ず必要と言えます。

では、誓約書を違反し、浮気した場合には、どのようなペナルティーを記載すればよいのでしょうか。記載例として「不貞行為を行った場合には、慰謝料として金100万円を支払う。」という慰謝料に関する内容や「不貞行為を行った場合には、乙の求めに応じて協議離婚をすることを約束する。」という協議離婚を行う内容の記載が考えられます。ちなみに、協議離婚を行うには夫婦の合意が必要ですので、誓約書に協議離婚の内容の記載があったとしても、相手が協議により離婚に応じない場合には、調停や裁判により離婚を行います。

その他の記載

浮気防止の誓約書に記載する上記の内容以外の記載として、下記の様な内容が考えられます。

◆協議離婚の予約に関する内容

協議離婚の予約に関する内容とは、上記でも触れましたが「浮気防止の誓約書」や「夫婦間の婚姻中の合意書」等で定められた記載事項に違反した場合に、協議離婚をすることができるという内容をこれらの誓約書又は合意書に記載しておくものです。民法763条により「夫婦は、その協議で離婚することができる。」と定められており、双方が合意した場合にのみ協議離婚をすることができます。そのため、誓約書に記載する協議離婚の予約は相手に対し、離婚を強制するものではありません。それでは「協議離婚の予約」は意味のない条項なのかと思われますが、そういうわけでもありません。誓約書に離婚協議の予約に関する内容があることで、心理的に浮気を防止する効果が見込めます。

◆慰謝料に関する内容

慰謝料に関する内容についてですが、慰謝料は相手が浮気(不貞行為)をした場合に精神的苦痛を受けたとして請求することが認められます。浮気による慰謝料の相場は、浮気の程度や状況によって様々ですが、一般的には「50万円~100万円程度」とされています。しかし、浮気によって婚姻生活が継続できなくなった場合や、浮気によって離婚に至った場合には、慰謝料が「100万円~300万円程度」となっており、通常より高い慰謝料の請求額が認められる傾向があります。

◆浮気以外に関する誓約内容

浮気以外に関する誓約内容とは、例えば「暴力、ギャンブル、お酒」等の禁止があげられます。浮気を防止する誓約書であっても、浮気以外の誓約事項として上記の内容を禁止することを記載出来ます。例えば、浮気と暴力が日常的に行われる可能性がある場合には暴力について「甲は今後一切、乙に対し暴力や暴言をしない。」などの内容を定めます。これらの内容は、条文の後半にまとめて列挙して記載されることが多く、特徴として過度な内容の記載をしてしまいやすいので、気を付けましょう。

浮気を防止する誓約書は合意解除される?

民法第754条により夫婦間の契約の取消に関する規定があります。要約すると、婚姻中に夫婦でした契約はいつでも夫婦の一方からこれを取り消すことが出来るという内容です。では、婚姻中に行う浮気を防止する誓約書に意味はあるのでしょうか。確かに、同法の規定により誓約書も夫婦間の契約と解釈することができ、いつでも契約を解除することができ意味のないように思われます。しかし、誓約書の本来の目的は今後の夫婦関係を維持するため又は、修復するために作成するものです。それを踏まえると浮気した夫(妻)の浮気の重大さや夫婦の意識を変えるためにも、浮気を防止する誓約書は大きな意味を持つことになります。また判例では、夫婦関係が実質的に破綻している時に結んだ契約は取り消すことができず、夫婦円満時であっても、取消の時点で夫婦関係が実質的に破綻している場合には、取り消すことができないとされていますので、婚姻中に夫婦でした契約のすべてが合意解除できるわけではありません。

浮気を防止する誓約書への署名・準備

書類やペン等の画像

誓約書の作成方法は、先ほども申し上げたとおりメモ書きのような手書き作成されたものでも構いません。メモ書きといっても、最低以下の内容は守りましょう。

手書きによる作成に抵抗や不安がある場合には、一般的な作成方法としてWordやExcelが挙げられます。用紙のサイズについても特に法律で定められていませんので自由にお選びいただけますが、一般的にはA4やA3あたりが用いられています。誓約書の作成後は、誓約書の後文以下の末尾部分に署名と捺印を行ってもらい、相手に誓約した内容を忘れさせない又しっかりと理解させるためにもコピーをして写しを渡すようにしましょう。(原本を渡してはいけません。)これらの手続によって誓約書は完成します。

浮気防止の誓約書にどうやって署名させる?

浮気防止の誓約書を浮気相手にサインさせることは浮気後であればそれほど難しいことではないでしょう。浮気の事実が明らかですので、浮気(不貞行為)を理由に裁判で離婚が認められる可能性が高いため、サインしなければ離婚調停や訴訟をして離婚をする旨を伝えれば、嫌々でもサインする可能性が高いと言えます。(脅し文句はいけませんが。)一方、浮気前の誓約書をサインさせるのは難しいです。相手が異性と食事に行っていることを知ったのであれば、まずはその証拠集めて、ある程度集まったタイミングで誓約書を作成する旨を伝えると良いでしょう。

浮気防止の誓約書に違反した場合の措置

誓約書に違反した場合の、浮気された夫(妻)はどのように対処すればよいでしょうか。まずは離婚をすることが考えられます。浮気を防止する誓約書に違反したのですから2度目はありません。この場合に好ましい離婚方法は協議による離婚ですが、相手が離婚要求に応じない場合があります。(誓約書に協議離婚を行う内容を記載していた場合であってもです。)この場合には調停や裁判によって離婚を行う必要があり、浮気をされた側としては、できればこれらの手続に時間、労力、お金は取られたくないはずです。そのような場合には相手に「誓約書があること」、「不貞行為は裁判上の離婚事由に該当すること」これによって浮気した夫(妻)が調停や裁判によって離婚できる可能性が高いことを伝えて、協議により離婚をする方向に勧めましょう。

浮気防止の誓約書に記載してはいけないこと

これまで浮気防止の誓約書に記載するべき事項について主に説明致しましたが、一方で誓約書に記載するべきでないことはあるのでしょうか。誓約書の作成にあたり注意しなければならないのは、浮気相手に誓約させる内容が過剰な場合にはそのすべてが認められるわけではないということです。例えば、「浮気をした場合には暴力をふるう。」や「浮気をしたら裸で町を歩く。」などの内容は過剰な内容として記載してはいけません。これを、法律用語で公序良俗(先述済み)といい、この公序良俗に反する内容を記載した誓約書や契約書はその内容について無効となります。(公序良俗に反する内容については、先述では「浮気防止の誓約書の法的効力は?」で触れ、以下「公序良俗に反する内容」ではより詳しく解説致します。)

公序良俗に反する内容を記載してしまうと、ある程度真っ当な内容の記載がされている誓約書であっても、全体をとおして評価が下がり、裁判で不利となる可能性があります。誓約書は内容が過剰にならないためにも、ある程度記載する限度やラインを夫婦で決めておくべきでしょう。

公序良俗に反する内容

公序良俗に反する内容について、民法90条では公序良俗について「公の秩序又は善良な風俗に反する法律行為は、無効とする。」とされています。公序良俗の違反は契約締結時において、社会的妥当性を判断することを基準としています。例えば、公序良俗に反する内容として下記のような行為が挙げられます。

特に、浮気の誓約書としてよく書いてしまいがちな公序良俗に反する内容は上記の「倫理に反する行為」や「暴力による取引行為」が挙げられていると考えます。

浮気を再発させる可能性がある内容

浮気を防止する内容に、浮気を再発させる可能性のある内容は書かないであろうと思われているかと思いますが、たまに相手に同情してしまい、「絶対にしてはいけない。」と記載するべき事項を、「年に一回まで認める」と記載してしまうことがあります。例えば、浮気をした夫(妻)に大学時代の異性の友人がいる場合、誓約書の作成にあたり「年に1回まで、大学時代の友人との食事を許してほしい。」と懇願されるケースなどが挙げられます。大学時代の友人であればと許してしまいそうですが、このような浮気再発の可能性があるケースで、異性と2人で食事に行くような内容を記載はしてはいけません。相手がどうしても行きたいと食い下がらないのであれば、大学時代の友人(異性)と食事に行くときは、事前に報告し、共通の友人を交えて3名で年に1回食事に行くことを認めるといった制約付きの内容にするなどで記載しましょう。

浮気防止のひな形・テンプレート

浮気防止の誓約書のひな形・テンプレートはこちらです。こちらのサンプルでは「甲」が浮気をした夫、「乙」が浮気された妻になります。こちらのひな形・テンプレートでは、誓約書の基本的な記載のみをしておりますので、弊事務所で実際にお客様へ作成させていただいている書面の内容とは異なりますので、ご了承ください。

誓約書

夫・○○(以下「甲」という。)は妻・○○(以下「乙という。)は次の各条項のとおり、誓約する。

第1条(不貞事実の自認)
甲は、乙に対し、不貞事実を認める。

第2条(謝罪)
甲は、乙に対し、不貞事実の謝罪を文書でする。

第3条(再発防止)
甲は、乙に対し、今後一切、乙以外の異性と面会しないことを約束する。

第4条(協議離婚の定め)
甲が、前条に違反した場合、甲は乙の求めがあれば、意義なく協議離婚することを約束する。

第5条 (離婚に至る場合の定め)
甲は、第4条による離婚をする場合、財産上の問題について、以下のとおり定めることを認める。
⑴甲は、乙に対し慰謝料として金300万円を支払う。
⑵甲は、甲の有する別紙不動産を乙に譲渡することとし、ローン完済をもって、甲から乙に移転登記をする。
⑶甲は、未成年の子○○(以下「丙」という。)の養育費として、離婚した日の属する月から丙が満20歳に達する月まで養育費として毎月金30,000円を毎月月末限り支払う。

第6条(誓約事項)
甲は、乙に対し、今後の婚姻生活において以下の事項に誓約する。
⑴浮気や浮気を誤解される行動をしない
⑵暴力や暴言は一切言わない
⑶お酒を飲みすぎない
⑷朝帰りしない
⑸借金やギャンブルをしない

本誓約の誓約の証として甲が誓約書に署名と押印をし、乙が原本を保管し、甲が原本のコピーを保管する。

    令和  年  月  日

  誓約者

  甲)            印

 

浮気防止の誓約書の作成について

ここまでご覧いただきありがとうございました。浮気を防止する誓約書の作成にあたり少しは作成のイメージをしていただけたのではないでしょうか。

誓約者の内容をネットのテンプレート等で確認すると一見簡単そうで自分で作成できると思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、誓約書はシンプルな反面で複雑な事情も兼ね備えております。誓約書の表現の一つ、間違った記載をしてしまうと全くイメージしていた内容の記載が出来ていない可能性も十分にあります。

誓約書の作成は、相手や自分にどのような義務が生じているのかや、権利を守るために適切な表現ができているかが重要になってきます。ご夫婦でお抱えの事情も、それぞれ千差万別でネット上のテンプレート(ひな形)だけでは全ての事情に対応することは不可能です。安易にネットに掲載されている条文の文言を使用しても、それが貴方達ご夫婦の状況にあった適切な表現であるとは限りません。これらの文言の使用により、法的に無効な内容の誓約書が出来上がったり、相手と紛争が生じた時に、証拠力の低い誓約書が出来上がってしまうリスクがあります。また、自分で作成した誓約書はどうしても手作り感が出てしまうため、相手が誓約書を軽んじてしまうリスクも考えられます。そのため、効果的な誓約書を作成するためにも、専門家に依頼されることを強くお勧めします。

こちらの記事の筆者である、行政書士は大倉行政書士事務所を運営しており、下記のお客様の声(一部)をご確認いただければお分かりいただける通り、年間を通してかなり多くのお客様のご相談にのり、ご依頼の受任を承っております。また、弊所では。業務の専門性を見出すため、専門業務を民事に絞って業務を対応しております。そのため、浮気を防止する誓約書、夫婦間合意契約書、離婚協議書等の契約書は年間に数百件程度対応させていただいている実績があります。

書類作成の専門家としてこれまでに培った経験やノウハウを活かし、ご依頼者様の状況に沿った内容のご提案をさせていただけると自負しております。なお、本件に関するご相談やご依頼についてはご家族内の大変センシティブな内容を含みますので、電話やメール等によって全ての手続を完結させていただくことも可能です。また、行政書士は法律により守秘義務が課せられておりますのでお客様の情報を第三者に漏らすなどは絶対にありませんので、その点についてもご安心いただいた上ご相談いただけます。

お客様の声

弊所にいただいたお客様の声の一部を編集し載せております。実際にいただいた声はこちらからご確認いただけます。

西村様の声ときし様の声
K様の声とぶちくん様の声
【関連サイト】
>浮気防止.COM
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この記事を執筆・監修した行政書士

浮気防止の誓約書に関するご質問

Q.1浮気をしている確信が持てませんが、相手に誓約書を書かせることは可能でしょうか。

誓約書には、本記事で紹介させていただいた種類以外にも、様々ございますのでケースにそった誓約書ですと浮気(不貞行為)の事実を確認できてなくても書かせることは可能です。ただし、誓約者に誓約意思があるかにもよりますが。

Q2.浮気防止のひな形やテンプレートがネット上にいくつか見られますが、これではだめなのでしょうか。

ダメという事はありませんが、ネット上にあふれているひな形(テンプレート)は基本的な事項しか記載がないように思います。そのため結果として、貴方の現状に沿った変更や修正が必要かと思います。そのまま使用しては、内容がおかしくなる可能性があります。

Q.3.センシティブな内容ですので、顔合わせなどを行いたくありません。電話やメールによる対応はしていただけますか。

はい。弊所では契約書等の作成は全国で対応させていただいております。そのため、当初から電話やメールによる打ち合わせや対応をも想定しておりますので、全ての手続を非対面により完結させていただくことが可能です。

Q4.夫が家にあまり返ってこなくなったのですが、浮気防止の誓約書を作成することは有効でしょうか。

はい。有効と言えるでしょう。家に帰らない理由にもよりますが、通常の生活から突然朝まで帰らない日が増えた場合には浮気を疑ってもよいでしょう。また、ご主人様が長期間自宅に帰えらない場合には、法定離婚事由の悪意の遺棄(夫婦として生活するために必要な同居や扶助等の義務を守らないこと)に該当する場合があります。そのため、ご主人様にこれらの旨を説明し、必要に応じた内容の誓約書を作成すべきです。

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