相続手続きは誰に頼む?行政書士・司法書士・税理士・弁護士の違いと選び方 - 相続・遺言・離婚専門の大倉行政書士事務所

2026.10.11

相続手続きは誰に頼む?行政書士・司法書士・税理士・弁護士の違いと選び方

相続手続きは誰に頼む?行政書士・司法書士・税理士・弁護士の違いと選び方

家族が亡くなり相続手続を始めようとすると、戸籍の収集、預貯金、不動産、遺産分割協議書、相続税など、さまざまな手続が出てきます。

そこで困りやすいのが、「相続手続きは誰に頼むのが正しいのか」という問題です。行政書士、司法書士、税理士、弁護士はいずれも相続に関わりますが、それぞれ対応できる業務が異なります。

「相続だからとりあえず弁護士」「不動産があるから全部司法書士」と資格名だけで判断するのではなく、まず自分が困っている手続を整理し、その手続を扱える専門家を選ぶことが重要です。

この記事では、相続手続きを誰に頼むべきか迷っている方へ、行政書士・司法書士・税理士・弁護士の違いと、具体的なケースごとの選び方を解説します。

相続手続きは誰に頼む?まずは目的から選ぶ

相続手続には、それぞれの専門資格にしか扱えない業務があります。そのため、すべてのケースについて「この資格へ頼めば必ず全部終わる」と一律に考えることはできません。

依頼先を決める基本

戸籍収集や遺産分割協議書など書類作成を中心に任せたいなら行政書士、不動産の相続登記なら司法書士、相続税申告なら税理士、相続人間の争いや代理交渉なら弁護士というように、必要な手続から逆算すると選びやすくなります。

困っていること 主な相談先 主な役割
戸籍収集・相続人調査 行政書士等 相続人を確認するための戸籍収集や相続関係の整理
財産目録・遺産分割協議書 行政書士 争いのないケースで合意内容を書面化する
不動産の名義変更 司法書士 法務局への相続登記申請
相続税申告 税理士 相続税計算、税務書類作成、税務代理
相続人間の争い 弁護士 代理交渉、紛争解決、訴訟・調停への対応

実際の相続では、たとえば「行政書士が戸籍収集と遺産分割協議書を担当し、不動産の登記は司法書士、相続税申告は税理士」というように、複数の専門家が必要になるケースもあります。

行政書士に頼むのが向いている相続手続き

行政書士は官公署に提出する書類や、権利義務・事実証明に関する書類を作成する専門家です。日本行政書士会連合会も、権利義務に関する書類の代表例として遺産分割協議書を案内しています。

戸籍を集めて相続人を調査したい

遺産分割を始めるには、まず法定相続人を確定する必要があります。被相続人の出生から死亡までの戸籍を集め、婚姻、離婚、養子縁組、認知、代襲相続などを確認していきます。

兄弟姉妹や甥・姪が相続人になるケースでは必要な戸籍が多くなりやすく、複数の市区町村へ請求が必要になることもあります。このような戸籍収集や相続関係の整理は、行政書士へ依頼を検討しやすい分野です。

財産目録や遺産分割協議書を作りたい

相続人全員で「誰がどの財産を相続するか」が決まっている場合、その合意内容を遺産分割協議書として整理することができます。

不動産、預金、有価証券、自動車など複数の財産がある場合は、財産目録を先に作成しておくと協議内容を整理しやすくなります。

法定相続情報一覧図を利用したい

法務局の法定相続情報証明制度では、相続人本人だけでなく、委任を受けた行政書士も申出の代理人になることができます。

法定相続情報一覧図の写しを取得しておくと、複数の銀行や相続関係手続で戸籍一式を何度も提出する負担を軽減できることがあります。

銀行口座や自動車などの相続手続を任せたい

金融機関が代理人による手続を認めている場合には、委任状などを準備したうえで預貯金の相続手続を依頼できることがあります。ただし、必要書類や代理人の取扱いは金融機関ごとに異なります。

自動車の名義変更についても行政書士が扱うことのできる代表的な相続手続の一つです。

司法書士に頼むのが向いている相続手続き

亡くなった方が土地や建物を所有していた場合に重要になるのが、司法書士です。

不動産の相続登記を依頼したい

土地・建物の所有者を被相続人から相続人へ変更する相続登記は、司法書士が中心となる分野です。日本司法書士会連合会も、相続登記の相談先として司法書士を案内しています。

不動産が相続財産の中心で、登記手続まで専門家へ任せたい場合は、司法書士への依頼が適しています。

2024年から相続登記は義務化されている

相続登記は2024年4月1日から義務化されています。相続によって不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。

また、遺産分割が成立して不動産を取得した場合も、その成立の日から3年以内に遺産分割の内容に応じた相続登記を行う必要があります。

過去の相続も対象です

2024年4月1日より前に発生した相続についても義務化の対象です。条件によっては2027年3月31日までに登記が必要となるため、古い相続を放置している場合は早めに確認してください。

税理士に頼むのが向いている相続手続き

相続財産の額が大きい場合や、相続税の申告が必要か判断できない場合は税理士への相談を検討します。

相続税の申告が必要な場合

相続税は、一定の方法で計算した課税価格が基礎控除額を超える場合に申告・納税が必要になります。

基礎控除額は、原則として3,000万円+600万円×法定相続人の数です。

ただし、「財産総額が基礎控除に近いから大丈夫」と単純に判断できないケースもあります。不動産の評価、生命保険、死亡退職金、生前贈与、相続時精算課税などが関係する場合には、税務上の確認が必要です。

相続税の期限は原則10か月

相続税の申告・納税は、原則として被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。

遺産分割協議が終わっていないことだけを理由に、相続税の申告期限が自動的に延長されるわけではありません。

財産が多い場合には、遺産分割協議書が完成してから税理士を探すのではなく、早い段階で申告の要否を確認しておく方が安全です。

弁護士に頼むべき相続手続き

相続人間で争いがなく、単に戸籍や協議書を作りたいだけであれば、必ずしも最初から弁護士へ依頼する必要はありません。

一方で、既に争いが起きている場合や、他の相続人との交渉そのものを代理してもらいたい場合は弁護士の分野になります。

遺産の分け方でもめている

「長男が不動産を全部取得すると主張している」「生前贈与を考慮してほしい」「使途不明の預金がある」「遺産の範囲自体で意見が対立している」といったケースでは、単なる書類作成の問題ではありません。

相続人間の代理交渉や法的紛争への対応が必要であれば、弁護士へ相談します。

話合いがまとまらず遺産分割調停になる

相続人全員の話合いで遺産分割がまとまらない場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用する方法があります。

調停や訴訟を見据えた対応が必要な状況であれば、書類作成だけを先行するのではなく、早い段階で弁護士への相談を検討した方がよいでしょう。

状況別|結局どの専門家へ頼めばよい?

相続人同士でもめておらず、書類をまとめて作りたい

戸籍収集、相続人調査、財産調査、財産目録、遺産分割協議書などが中心であれば、行政書士への相談を検討しやすいケースです。

亡くなった人が不動産を持っていた

相続登記が必要になるため、司法書士の関与を検討します。戸籍や遺産分割協議書の作成を行政書士へ依頼し、登記部分を司法書士へ依頼する形になる場合もあります。

遺産が多く相続税がかかりそう

早い段階で税理士へ相談し、申告の要否や評価方法を確認します。特に不動産、非上場株式、多額の生前贈与などがある場合は、申告期限ぎりぎりになってから確認するのは避けた方がよいでしょう。

相続人同士で既にもめている

弁護士への相談を優先します。「協議書を作る専門家」を探す前に、そもそも協議内容をどのように解決するかを整理する必要があるためです。

誰に頼むべきか自体が分からない

相続手続を一つずつ書き出してみると判断しやすくなります。

  • 遺言書はあるか
  • 法定相続人は確定しているか
  • 借金の可能性はないか
  • 不動産はあるか
  • 預貯金や証券口座はいくつあるか
  • 相続税が発生しそうか
  • 相続人全員が分割内容に納得しているか

この整理だけでも、「書類中心なので行政書士」「不動産登記が中心なので司法書士」「税申告が必要なので税理士」「争いがあるので弁護士」という方向性が見えてきます。

専門家へ依頼する前に確認したい3つの期限

相続手続では、「どこへ頼むか」を考えている間にも期限が進みます。特に次の期限は早めに確認してください。

手続 主な期限 注意点
相続放棄 原則3か月 自己のために相続の開始があったことを知った時から数える
相続税申告・納税 原則10か月 遺産分割が未了でも期限が自動延長されるわけではない
相続登記 原則3年 不動産を相続で取得したことを知った日などから期限を確認する

特に借金があるか分からないケースでは、3か月という相続放棄の期間を意識する必要があります。

専門家へ頼む場合の費用は何で変わる?

相続手続の費用は「相続一件いくら」と一律には決まりません。相続人の人数、戸籍の量、財産の種類、銀行口座数、不動産数、必要な専門家などによって変わります。

大倉行政書士事務所では、2026年10月確認時点で次の料金を案内しています。

サービス 料金 主な内容
相続人・相続財産の調査プラン 38,500円~(税込) 相続人・財産調査、相続関係説明図、財産目録など
遺産分割プラン 77,000円~(税込) 相続人調査、財産調査、財産目録、遺産分割協議書など
相続手続サポートプラン 132,000円~(税込) 遺言書のない相続について複数の手続をサポート
相続手続一式サポートプラン 187,000円~(税込) 相続人・財産調査から複数の相続手続までをまとめてサポート
遺産分割協議書の作成 40,000円(税込) 相続人間で決まった分割内容の書面化

これらとは別に戸籍等の取得費、郵送費などの実費が必要です。また、相続登記を司法書士へ依頼する場合や相続税申告を税理士へ依頼する場合は、それぞれの専門家の費用も確認する必要があります。

見積りでは「どこまで含まれているか」を確認

料金だけを比較するのではなく、戸籍収集、財産調査、協議書作成、銀行手続、法定相続情報一覧図など、どこまでが基本料金に含まれているのかを確認しましょう。

相続の専門家を選ぶときのチェックポイント

必要な業務を扱える資格か

最優先で確認したいポイントです。不動産登記が必要なのに登記を代理できない専門家だけへ依頼した場合、後から別の専門家を探す必要があります。

依頼範囲と追加費用が明確か

「一式」という言葉だけで判断せず、具体的にどの手続まで含まれるかを確認します。相続人数、金融機関数、不動産数が増えた場合の追加費用についても見積り段階で確認しておきましょう。

他士業が必要な場合の説明があるか

行政書士だけでは登記や税務申告、紛争対応は完結できません。逆に、すべての相続で税理士や弁護士が必要なわけでもありません。

自分の業務範囲だけでなく、「この部分は司法書士へ」「このケースは税理士へ」と必要な専門分野を明確に説明してくれるかも判断材料になります。

相続人の状況を最初に確認してくれるか

相続手続は財産だけを見ればよいものではありません。相続人の範囲、遺言書の有無、相続放棄の可能性、争いの有無などによって、必要な手続自体が変わります。

相続手続きを誰に頼むかについてのFAQ

相続手続きは誰に頼むのが一般的ですか?

相続内容によって異なります。戸籍収集や遺産分割協議書などの書類作成は行政書士、不動産登記は司法書士、相続税申告は税理士、相続人間の争いは弁護士というように、必要な業務から選ぶのが基本です。

相続手続きを全部一人の専門家に頼めますか?

案件によっては複数資格の専門家が必要です。たとえば戸籍収集と遺産分割協議書、不動産登記、相続税申告が必要であれば、それぞれ行政書士、司法書士、税理士の業務が関係します。依頼前に業務範囲を確認してください。

銀行の相続手続きだけ行政書士へ頼めますか?

金融機関が代理人による手続を認めている場合には依頼できることがあります。ただし、銀行ごとに必要書類や代理手続の取扱いが異なるため、対象となる金融機関を確認したうえで依頼範囲を決めます。

家を相続する場合は誰に頼みますか?

不動産の相続登記が必要になるため、登記申請については司法書士へ相談します。その前段階となる戸籍収集、相続関係の整理、合意済みの遺産分割協議書の作成などは行政書士へ相談できる場合があります。

相続人同士でもめている場合でも行政書士に頼めますか?

合意済みの内容を書面化する業務と、相続人の一方の代理人として相手方と交渉する業務は異なります。既に紛争が生じており、代理交渉や調停・訴訟対応が必要であれば弁護士への相談を検討してください。

専門家に一部だけ頼むことはできますか?

対応範囲は各事務所によりますが、戸籍収集だけ、遺産分割協議書だけ、金融機関手続だけなど、必要な部分に絞って依頼できる場合があります。自分でできる部分と任せたい部分を分けることで、負担と費用のバランスを取りやすくなります。

まとめ|資格名ではなく「何を頼みたいか」で選ぶ

相続手続きを誰に頼むか迷ったときは、資格名から選ぶのではなく、まず必要な手続を整理することが重要です。

戸籍収集・相続人調査・財産目録・合意済みの遺産分割協議書などは行政書士、不動産登記は司法書士、相続税は税理士、相続人間の紛争は弁護士という基本的な役割を押さえておくと、相談先を選びやすくなります。

また、相続放棄は原則3か月、相続税申告は原則10か月、不動産の相続登記にも期限があります。誰へ相談するか分からないまま長期間放置せず、早い段階で相続関係と財産の全体像を整理することが大切です。

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奈良県生駒市を拠点に、生駒市・奈良市のほか、東大阪市・大阪市および周辺地域の相続手続に対応しています。「自分の場合は行政書士・司法書士・税理士・弁護士の誰へ相談すべきか分からない」という段階でも、まず現在必要となっている手続を整理することが重要です。

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